第23話 思いがけない再会みたいな感じ
他の王様やリリトが龍王を説得している間に暇人君達とこの世界について調べたりしていた。
それによると、丁度五角形になる様に各種族の国がある。
真中に魔王の国、右斜め上に人の国、右斜め下にドワーフの国、左斜め下に獣人の国、左斜め上にエルフの国、上に龍王の国。
そしてお互いの国は自由に行き来が出来、戦争とは無縁の平和な統治がされている。
その理由は簡単。
10年に一度各国で選ばれた代表者が集まり、そこで全ての国のまとめ役、つまり覇者が選ばれる。
代表者には才能さえあれば誰でも成れることが出来、覇者に成れれば歴史に名を残せるし、富も名誉も思うがまま。
ただし、それだけのビッグドリームだからか代表者に選ばれるだけでもかなり厳しい。
魔物も居る世界だし、たまにコラスィや地球から来た転生者や転移者が戦争を起こすみたいで、それらの驚異から皆を守るだけの知略と武力が求められるのは勿論、国家間の経済も動かす為にかなりの商才も求められ、頂点に立つのだから皆を引っ張って行くリーダーシップやカリスマ性も求めらる。
流石にそんな完璧超人居ないだろと思ったが、案の定覇者は一人では無く、複数人でなるらしい。
そして各種族は見た目がかなり違う為容姿や出自は全く関係ない。
過去には幼い頃に親に捨てられスリや窃盗をしていた者が覇者になった事も有ったそうだ。
色々あったらしい。
そして代表者を決めるために各国では毎年色んな試合が行われる。
武力を競う武闘会、商才を競う商魂祭り、知略を競う戦術試合、カリスマ性を競う選挙、リーダーシップを競うオールドパーティー。
開催期間はまちまちで、一番長い期間開催されるのが商魂祭り。
実に5年かけて代表を決める。
一番短いのは選挙。10日で代表が決まる。
様々な試合の中で武闘会と戦術試合は一緒じゃないのか?と思うが、武闘会は一対一。戦術試合は多対多で指揮能力や戦術を競う。
武闘会での勝者が戦術試合で勝つ事もあるし、商魂祭りの代表者が戦術試合で勝つ事もある。
一番何をするのか分からないオールドパーティーは、最後に開催され、それ迄の各試合の代表者を一つに纏め上げる事が出来る者が選ばれる。
開催期間は決まっておらず、代表者全員が推薦して決まる時もあれば、代表者無しとなる事もある。
そうして決まった各国の代表者が競い合い覇者を決める。
そして覇者には各国とも確実に従う事が決められている。
もし従わなかった場合は今後100年間代表者を選出する事が禁止される。
それでも従わない場合、従わない者のみ世界の敵とされて全世界から追われる事に。
まぁ、流石にそこまでのアホは居ないだろと思ったら一人だけ居たらしい。
なんでも地球からの転生者で、異世界チートでヒャッハーしたいがためにやらかしたと。勿論こんな世界相手にする位だから結構なチートで、最終的には当時の神が直接粛清して終わった。
その神が誰かはわからないが、粛清に問題があった様で。
たった一人を消す為に世界の一部を死の大地に変えてしまった。
当時、その大地の近くに住んでいた獣人族数万人、魔族と人族数千人、そしてまだ名乗りを上げてなかった龍族数十万人が犠牲になった。
龍族は種族の実に9割以上が死に絶え、絶滅寸前まで追い込まれた。
その事件が有ったのが今から約2000年前。
数が増え難い龍族も何とか当時の3割位には数を増やしている。
そして、その事件が切っ掛けで龍族に特殊な力が宿り、国として名乗りを上げるほどに強くなった。
その事件を起こした神は「悪の転生者は消したからそれぐらい問題無いよね?」と言って消えたらしい。
それを聞いた各種族は怒り爆発。
神は神でも、疫病神や邪神と呼びその神に復讐すると誓った。
それからは凄いもんだったみたい。
全世界が一丸となって神に戦争を吹っかけた。
東に神が現れたと聞けば軍を派遣し、西に現れたと聞けばまた軍を派遣し。
その戦いのせいで世界の所々に激しい戦争の爪跡が残ってる。
一部、焦土と化した場所も有る位。
それでも神を倒す事が出来ずに今から300年程前に忽然と姿を消したっきり現れなくなった。
世界から漸く神を追い出す事が出来たと安堵した……………矢先に神と名乗る俺が現れた。
そりゃあ龍王もキレるし警戒もする。
全く、誰だよこんな事してトンズラかました神は。
林さんか?林さんなのか?あのアマ…………。
(いや、神は複数居るみたいだね)
え?そうなの?
(衛星探査で神を検索したら何人かヒットした)
……まぁ、俺も林さんじゃないと分かってたけどねー。
(はいはい。でも管理者は……あれ?)
ん、どうした?
(いや、検索にヒットした)
そりゃあ俺が管理者だもん、ヒットするでしょ?
(いや、二人ヒットしてる)
マジで?
(マジ。どうやらさっきの管理者連中の誰かが入って来たみたいだねー)
行動に移すの早くね?てか、許可した覚えないぞ?
(あー、すまん。それ俺が許可したわ)
は?何で?
(色々詰め込み過ぎなロリガキが居たじゃん?アイツが皆を代表して話がしたいってんで制限掛けまくって許可した)
あー……まぁ、やっちまったもんはしゃあない。
次からはこっちで許可出すから申請あったら教えて。
(それなんだけど、既に100以上の申請が来てるんだけど……)
…………理由は?
(良くある転生系が60、さっきの管理者連中の世界からのちょっかいが30、後はただの輪廻転生。どうも制限掛けたせいで生まれ変わりにも許可が必要になったみたい。あ、今も増えていってる)
ガッデム…………。
よし、管理者連中のは全部弾け。
新しく暇人君作るからそいつに専任して貰おう。
輪廻転生は前世を鑑みて転生先を選んで。
悪人は弱い魔物にでも転生させといて、善人は度合いによって楽な人生送れそうなとこに。一応希望があるなら聞いといてー。
転生系はちょっとやりたい事あるから保留で。
(ラジャ!)
暇人君改め、審査君が張り切って捌いていく。
と、丁度龍王も落ち着いた様でこちらを睨みつつも話を聞く気になった様だ。
「一応話は聞いてやる。だが、内容次第じゃ全てを敵に回すと覚悟しておけ」
「うん。リリトありがとう」
「いえ、私もマスターに聞きたい事があるので」
「あ、彼女なら募集中だよ」
ちょっと場の雰囲気を和らげようとして言ったらリリトだけじゃなく、全員から睨まれた。解せぬ。
「それで?お主が神と言うのは?」
人族の王様がそう問いかけてくる。
今でも警戒感マックスだけど。
「3日前に新しく神になりました」
「それは真か?」
「はい」
「では、マリール村を知ってるか?」
あー、早速その質問しちゃう?
龍王を説得してる時に話ししてたみたいで皆も知ってるっぽい。
…………魔王だけがさっきからニヤニヤしてるのが気になる。
「あんまり探り合いは得意じゃないので先に言うと、消したのは俺です」
「貴様!!!」
殴りかかってきた人族の王様を獣王が止める。
「まあ待て、まだ全てを聞いてねぇだろうが」
「離せ!コイツがアルド王子を!!」
王子?……暇人君何か知ってる?
(えーっと……丁度マリール村に来てたみたいだね)
(ニールの攻撃に巻き込まれてるなー)
あらあら。それはなんと言うか……。
(でもまだ死んでないよー)
え?そうなの?
(うん。俺達が発動するブラックホールは対象を圧縮する感じで使ってるけどニールは違うっしょ?)
ワームホール的な感じで使ってた。
(マリール村に居た比較的弱いのは死んじゃってるけど、強い奴は別次元で生きてるよ)
え?それであのレベル上昇?経験値多過ぎないか?
(一人だけやたらレベルが高い爺さんが居たからそいつじゃないかな?)
(歳には勝てなかったみたいでポックリ行っちゃってるからねー)
やっぱご愁傷様だな。
「えーっと、王子なら生きてますよ?」
俺もさっき知ったばかりの事をサラッと告げる。
「なに!?それは本当か?!」
「ええ。ほら」
もう一度ブラックホールを発動。イメージは別次元に居る王子を吸い出す感じ。
少し離れた所にブラックホールから王子がペッと吐き出される。
…………扱い雑だなー。
王子は至って健康。吐き出される時に水魔法で回復させておいたからな。でも、鎧はボロボロだけどそこは勘弁。
「ん?……ココは?」
辺りを見回して、王様連中が視界に入ると一瞬ビックリしたけど、直ぐにその場に片膝ついて頭を下げる。
そんなイケメン王子に王様が駆け寄り抱きつく。
……これ、なんてBL?
「アルド!無事だったか!」
「陛下!何を……!」
流石に王子もビックリして狼狽えてるねー。
よし!王様そこだ!押し倒せ!
(何を遊んでんだか……)
まぁ、実際は感動の親子の再開なんだけどねー。
リリトと同じパターン。
「他に生きてる者は居ないのか?」
今度は魔王が聞いてきた。
暇人君まだ居る?
(あと一人だけなら居るよー)
メンドイからサッサと出しちゃおう。
再度ブラックホールを発動して生き残りをペッと吐き出す。
吐き出されたのは小さな子犬だった。
いや、正確には子供の犬獣人。男か女かわからない顔だけど、耳の感じからしてゴールデンレトリバーみたいな犬種かな?
服が所々薄汚れてるけど怪我とかはしてない。
流れからして、この子は獣王の親族か?と思って獣王を見てみたけど無反応だった。
念の為に他の人を見てみたけど皆反応が薄い。
でも強い奴が生き残ってるんだから、この子も相当強いんだろう。
あ、ステータス見てみよう。
そこでステータスを見て俺がビックリした。
「え?………………マジで?どうなってんの?」
久しぶりの更新です。
一応次の話も書き進めています。
が。
ちょっと1話辺りの文字数減らして上げようかと思っとります。
その分更新頻度は上がるかもしれません。
……多分……おそらく……きっと……。
次は鋼詩の話を挟みます。
お読み頂き、ありがとうございます。




