第20話 賢者と模擬戦?みたいな感じ②
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
「全力を出すのは久方ぶりじゃ」
クソ爺がそう言ってこちらを見た瞬間、ゴウッと周囲に強烈な魔力が叩きつけられる。
見た感じ完全にアレだ、2だ。もう少しで3になりそうな感じ。
魔力も視認出来る程になってクソ爺の周囲が歪んで見える。
気持ち身長も伸びたような…………ん?
おいおい、アイツ浮いてるぞ。何?魔力高めるだけで浮けるの?
完全に龍の玉に出て来るキャラじゃん。エネルギー弾とか撃つの?
今度やってみよう。
「消し飛べクソガキ」
呑気に観察してたらクソ爺から予備動作など全く無く魔法が放たれた。
たった1本の槍だけど虹色に光ってる。
(まぁ、見た通り全属性合わせた槍だねー)
(全力って言うだけ、威力がさっきの槍の10倍以上はありそう)
(っ!!避けろニール!!)
へー。まぁ、効かないんだけ…………え?
槍は無効されずに俺の左腕を貫いて行った。そして襲い来る激痛。
「がっああああぁぁぁぁぁ!!!」
「マスター!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
(無効化がキャンセルされた!?)
(索敵君!何があった!)
(さっきの違和感が強くなってる)
(クソ爺か!?)
(いや……ハッキリとはわからないけど干渉されてる感じ)
(暇人君2人は回復と痛覚遮断!必要なら新しいスキルも作っとけ!)
((オッケー!))
(索敵君原因を探せ!暇人君も2人そっちに!)
((りょ!))
(傷は治りそうか?)
(フルオートリジェネレートが弱体化してて少しづつしか回復しない)
(今有効なスキルは?)
(即死完全無効以外の無効化系が発動不可!それ以外は大丈夫!)
(よし!回復してれば充分!ニール!対処はこっちでやる!注意しとけよ!)
激痛で蹲ってたら指揮官君がしっかりやってくれた。
痛みも無くなってる。相変わらず傷は……無い。
いや、傷はあるが腕が無くなってる。血は既に止まってるけど。
そりゃ痛い筈だ。脂汗が止まらん。あのクソ爺……。
「なんだ?コレだけで終わりか?クソガキ」
直ぐ真横からクソ爺の声が聞こえた。
次の瞬間には俺は宙に浮いてた。
更に上から叩きつけられ、地面に押し潰される。
痛みが無いから分からなかったが、クソ爺に蹴り飛ばされて追撃を食らったと分かったのは、頭を踏まれてからだった。
「さっき迄の威勢はどうしたんじゃ?ん?」
痛みは無いから今の内に落ち着こうと、大丈夫と自分に言い聞かす。
そして幾分か冷静になって、今の状況を考えて……。
俺、すっごく格好悪くないか?
威勢の良い事言って、何も出来ずに秒殺。
しかもあまりの痛みに涙と鼻水がダバダバでてえらい事になってる。
うわー。超ダッセー。無いわーマジ無いわー。
しかもリリトが見てるじゃん?
「ホント……ありえないな」
「ん?なんじゃって?」
油断は確かにして無かったけどさー。無効化のスキルを貫通してくるって思わないじゃん?
何の為の無効化だよってなるし。て言うか、既にそうなってるけど。
とりあえず原因を探して穴埋めしないとな。痛みは邪魔だからずっと遮断したまんまで。
まぁ、原因探す前に。
「さっさとその足どけろクソ爺」
思いっきり起き上がったらクソ爺が軽く吹っ飛んだ。
きれいに着地してるから自分で飛んだんだろうな。
「なんじゃ。そのまま潰れてしまえば良かったのにのぅ」
「はっはっは。変わりにお前を潰してやるよ」
「出来るのか?クソガキ」
こいつ雰囲気変わり過ぎだろ。
そしてこれは模擬戦じゃない。こんなの模擬戦とは言わない。
さっきのクソ爺の魔法が貫通していって、訓練場から恐らく街の外まで穴が開いてる。
索敵君が見た感じ死傷者は居ないみたい。
そこまで考えて撃ったんだろうな。
これじゃあ油断してなかったとは言えない。
無効化はあてにできないから避けるか防ぐかしないと。
とりあえず。クソ爺にもお返しをしないとな。
虚勢だけを貼り付けてニヤリと笑って。
「消し飛べクソ爺」
こっちも予備動作無しでスキル発動。
次の瞬間、クソ爺の左腕が消え……てない!?避けた!?
発動したのは極小のブラックホールで、左腕を飲み込もうとしたのにクソ爺が一瞬ブレたかと思ったら効果範囲から横にズレてた。
一体何をした?あれを避けるとか無理だろ。ほぼノータイムで発動してるんだぞ?
このクソ爺どうなってるん?
(あのスキルは一応魔法に分類されてるみたいで、魔力の反応から判断したんじゃないかな?)
マジか。いや、よしんばそれで感知出来たとして避けれるか?
アイツ人間か?
(一応人間だけど……)
だけど?
(多分この世界の人間じゃない)
え?このクソ爺は転生者とか召喚者の類い?
(多分ね。新しく作ったスキルで調べてみたけど、ステータスがあり得ないし、しっかりと転移者って書いてあるし)
転移者…………コラスィから?ステータスはどんな感じ?
(この世界の平均の100倍)
マジかよ。桁が違うじゃん。
(でも、ステータスとかで言うとダメージ食らう方が可笑しいぐらい俺等ブッ飛んでるはずだぞ?)
だよな?なんかカラクリがあるのか?
てか、負けイベントとかじゃないよな?
(負けたら普通にリスタートだねー)
さいですか。
「今ので終わりかの?」
だいぶ落ち着いて来たし、色々考えも纏まった。
こんなのが居るなら神だと隠すのがめんどくさい。
思いっきり行くか。
「まだまだコレからだよ」
暇人君2人は魔法とスキル制御、指揮官1人は緊急時の回避や防御。
スラメブル、行くぞ。
担いでた刀を抜きながらスラメブルに話し掛ける。
(食べても良いのか?)
死なない程度にな。
正直、スラメブルを開放したらそれだけで勝てそうだが、それだと気が済まん。
「ほう……その刀は……」
「良いだろ?俺の相棒だ」
そう言って背中から鞘を取って再度刀を収めて腰だめに構える。
居合の構えだ。ただしアニメや漫画で得たにわか知識である。
何で一度抜いたかって?いや、抜いた後に(あ、居合の方が格好いいな)と思って。深い意味はない。
そして言ってみたかったセリフ。
「俺の間合いに入ったら切るぜ」
よし!決まった!ここは異世界。厨ニがまかり通る世界!
もうあれこれ考えるのは辞めだ!
神だとかバレても知ったこっちゃねぇ。そんときはそん時だ。
(あ、ニールが興奮し過ぎてハイになってる)
(この状況で変なスイッチ入ったなー)
「今!この時を!『楽しむ』ぞ!」
「間合いに入ったらのぅ……それは、入らなければ良いんじゃろ?」
爺がさっきの槍を5本創り出す。
スラメブル、あれ食えるか?
(問題無い)
凄まじい勢いで飛んできたのを、超速思考、超速反応、超肉体を発動してスラメブルで切り裂く。
正確には刀が触れた魔法をスラメブルが一瞬で食い尽くしてる。
マナを食べれるから魔法も大丈夫みたい。
全ての槍を消して鞘に戻す。
カチンっといい音。やっぱ刀はカッコイイ。
「それだけか?クソ爺」
「忌々しい刀じゃな。いや、流石はブルーメタルスライムと言った所かの?」
「で?大人しく潰される気になったか?」
バレたところでどうでも良い。邪魔するならやっちゃえば良いんだし。
「そうさの、流石に分が悪いわい。こうさ……ぐっ!」
爺が構えを解いて降参するのかと思ったら一瞬ビクッと痙攣してうなだれた。
「何だ?降参か?」
(ニール!クソ爺に注意!)
俺の周囲を囲む様に展開された無数の虹色の槍が降り注ぐ。
今回は警戒してたし、魔法とスキルを制御してる暇人君も頑張ったお陰で全てを迎撃した。
でも周囲が何かおかしい。…………何だ?
「……随分不意打ちとか関係ない奴への攻撃が好きなんだな?」
今回の魔法は俺だけじゃなく、後ろで待機していたリリトにまで飛んでいった。
リリトの周囲に無数の極小ブラックホールを発動させて消したがやり方が汚い。
チラッとリリトの方を見てみると、ビックリした表情のまま止まってた。
………………なるほど、ね。
上を見上げて見れば雲も動いて無い。
訓練所の壁も崩れそうになりながら止まってる。
そりゃ違和感を感じるはずだ。
ありがちな時間停止で、動けるのは俺とクソ爺だけってか。
刀のスラメブルも鞘ごと宙に浮いたまんま固定されてる。
顔を上げたクソ爺は薄ら笑いを浮かべ、目が真っ白になっていた。
「今のを防ぐとはやるじゃないか、《新しい管理者》さん」
雰囲気がガラッと変わって……誰だ?
「あんた、クソ爺じゃない……のか?」
「はじめまして、かな。爺さんなら寝てるよ」
え?何?二重人格?
(ニール、ヤバイかも)
(アイツ…………他の世界の管理者だ)
ふぁ!?何でそんな奴が?てかわかるの?
(ステータスに思いっきり書いてある)
(異世界バーストの管理者って)
バースト?…………俺らの世界とは別の世界?
(確実にね)
「なあ、いくつか聞いてもいいか?」
色々と気になる事が出来た。話が出来るやつだと良いんだけど。
「なんだい?何でも聞いてくれよ」
なんか嬉しそうに両手を広げて「どうぞ」みたいな格好。
……面倒臭そうなキャラの感じがするけど気にしない。
「お前はバーストの管理者であってる?」
「正〜解」
「他の管理者の居る世界には干渉しにくいんじゃないか?どうやって来た?」
「これまた正〜解。確かに僕がこの世界に干渉したことで元の世界は8割方滅んでるね。ほら」
バーストの管理者が腕をサッと横に振ると半透明なウィンドウが現れて、そこに映像が流される。
…………酷いな。火山が噴火してたり隕石が降ってたり。
まさに地獄絵図。でもまあ……。
「そこはリセットしたら良いだけだろうからどうでも良いとして。どうやって来た?」
俺には関係ない世界だし映画のワンシーンだと思えば何て事はない。
「う・ら・わ・ざ」
落ち着けー、落ち着けー、俺。まだ我慢だ我慢。
「この世界に来た目的は?」
「地球の〜管理権が〜欲しくて!」
喋るたんびに大袈裟に身振り手振りで話さないと喋れないのか?
それともあれも攻撃か?ストレスを溜めるってんなら大成功してるけど。
にしても、こいつやけにスラスラ喋るな。雑魚か?ヤラレ役?噛ませ犬?
アイツは俺達の中で最弱、なんて展開にはならないよな?
「随分喋るな。地球が欲しいってのは何でだ?そっちで似たような世界作ったらいいんじゃないか?」
それを聞いたバーストの管理者は驚いた顔をしている。
「君……何も知らない……のかい?」
何の事?なに?林さんから聞いてない事でもあった?
「その反応からして、本当に知らないんだね」
いや、だから何がだよ。
この、俺は知ってるけどお前知らないの?マジで?常識だよ?ププッ。みたいな反応ムカつく。
「言っとくが俺はまだ管理者になって3日位しかたってないぞ」
4日だったか?まあ、細かい事はいい。
「ふ〜む……」
バーストの管理者は何やら考え込んでる。
そして暫く悩んでから考えが纏まったのかこちらに歩きながら「よ〜し!わかった。ま〜ずは、その辺説明するから〜一時休戦で〜いいかい?」と言って手を差し出す。
差し出された手を思いっきり叩きたいが、我慢我慢。
まずは説明を聞いてからだ。
オッケーと言いながら手を取る。
さて、何が聞けるか。
戦闘シーン書くの難しい。
最初は主人公の無双でしたが、後につなげやすい様に何回か最初から書き直してました。
NGシーン(ボツ案)
①マホ爺さんが攻撃→全て無効化→ワンパンで爺さん終了。
②マホ爺さんの攻撃前に主人公が攻撃→スラメブルで魔力を食べ尽くして終了。
③マホ爺さんに一方的にやられてリスタート→ゾンビアタックで終了。
なかなか難しいですね。
次は少し遅れるかも。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




