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募る不安

 文化祭2日目は、ステージによる発表のため、体育館での観賞となる。

「奏真、先、行ってるぞ?」

「……うん」

 9時からの開始に備えて、生徒達が次々に体育館へと入場していく中、僕は1人、教室で席に座ったまま、窓の外をぼんやりと眺めていた。

 康太から呼びかけられても、僕は上の空だった。

 昨日、僕の気持ちはしっかりと十和瀬に伝えられた、と思う。

 あとは、彼女が今日来てくれたら万事解決だ。

そう、来てくれたら……、だが。

 十和瀬は未だ来ていない。

 携帯を開き、連絡が来ていないことを確認し、深く溜め息をついた。

 教室の前にかかっている時計をちらりと窺うと、もうすぐ最初の出し物が始まる時間だった。ブラスバンド部や演劇部、それから合唱や寸劇といったステージを使用するクラスの出し物から始まり、生徒会はオオトリを務めることになる。よく言えば、まだ幾分かの余裕はある。

 そう、余裕はあるのだと、自分自身に言い聞かせなくては、不安でどうにかなってしまいそうだった。代替案など当然なく、十和瀬が来てくれなければ、完全にお手上げ状態なのだ。不手際だと責められようが、叱られようが、こればかりは仕方ない。

 僕は、ひょっとして十和瀬の不安を更に煽っただけかもしれない。考えまいとすればするほど、ネガティブな想像が頭の中を駆け巡る。

 それを忘れようと、僕はこうして窓の外を眺めては、十和瀬がやって来るのを、今か今かと待っているわけだ。

 しかし、現実は無情というのか、校門を通過するのは明らかに保護者とわかる年配の人達ばかりだった。

 このまま、十和瀬は来ないつもりだろうか。僕の思いは、届かなかったのだろうか。

 両肘を置き顔を突っ伏すと、十和瀬の机へと顔を向けた。




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