5時間目 体育
どういう訳か今日の体育は男女合同で、しかも2クラス合同。
気分が最悪なのは弟のいるクラスと合同なせいだろう。
「髙林、記録とってくれるかー?」
種目は3kmの長距離走。もちろんわたしは見学。病気のことは体育教師の原先生も理解しているので、記録などをわたしにやらせる。「何もしないで居るよりは気が楽だろ?」ということらしい。確かにそうなので助かる。
「はい。・・・あの、同じクラスの人の名前は分かるんですけ「記録言う時に名前も言ってやるから大丈夫だ」・・・分かりました。お願いします」
原先生の特徴は人の言葉を遮って喋るところだ。
バインダーに挟まれた名簿を受け取り2クラス分に簡単に目を通した。2枚目の名簿の一番下に手書きで「榊侑斗」と書かれていることに気が付く。
西東学園から桜ヶ丘学園に来るなんて馬鹿なのだろうか。施設だって、勉強の内容だって西東学園のほうが良いはずなのに。
「意味分かんない」
「あ゛?髙林、今何か言ったかー?」
「あ」に濁点つけるとか怖いからね・・・。
「・・・何も言ってません」
「そうかー?あー、じゃあ記録頼むぞ」
「分かり「お前ら準備運動終わったなら早く並べー」・・・チッ」
人の言葉を遮っているのはわざとなのか?わざとでもわざとじゃなくても止めてほしい。
「・・・・・・?」
ふと、視線を感じ後ろを見渡すが誰もこちらを見ていなかった。気のせい・・・かな。
パンッ。
原先生の合図で長距離のタイム計測が始まった。
少なくとも10分は暇だ。日陰に座り込む。
「榊ー、見学するなら髙林の手伝いしてやれ。ついでにクラスメートの名前覚えろ」
「分かりました」
「榊」という名前にわたしは無意識に原先生の視線を追った。視線の先には、弟がいた。
つまり、弟は体育を見学していて、わたしと一緒に記録をとる。
まじか。
誤字を発見した為修正しました。




