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LOVED  作者: やかん
13/24

クッキー

「明奈ちゃん。一緒にクッキー作らない?」

 始まりは、遥香さんの一言。

「はぁ」

 曖昧な返事をしたのが間違いだったのかもしれない。

 でも、この出来事がなければわたしは気がつけなかっただろう。


「柚樹さんの好きな種類を作ろうと思うのだけど、いい?」

「おっけーです」

 早速材料を冷蔵庫から取り出し調理を始める遥香さん。

 父さんの好きな種類って……どれだ?基本的になんでも「おいしい」「この味好きだなぁ」と言って食べるから判断しにくい。……遥香さんは何を作る気なのだろう。

 出ている材料を見てみる。

 もしかして……。

「あの、遥香さん。もしかしてナッツ入りのクッキー作る気ですか?」

「えぇ、そうよ」

 え、笑顔で返された……。

 というか、父さんナッツ好きなのかな?

「父さんてナッツ好きなんですか?」

「好きって言ってたわよ?初めてデートした時にナッツクッキー持って行ったらとても喜んでくれたわ。これ好きなんだ~って」

「……そう、ですか」

「どうかしたの?」

「いえ、なんでもないです。とびきり美味しいクッキーを作りましょうね」

「えぇ。もちろん」

 父さんといるときに、ナッツを食べないといけないときはなかった。だから父さんがナッツ好きなんて知らなかった。嫌いなものを隠すために、父さんの好きなものを知らないでいたなんて……。

 本当に、馬鹿。

 ナッツを見つめていると、なんだか悲しくなってきた。

「よし。混ぜ終わったわ。少し冷蔵庫に入れて休ませましょうか。……明奈ちゃん?」

「あ、すいません。ボーッとしてました」

「そんなことはいいのよ。どうしたの?」

 心配そうにわたしの顔を見つめる遥香さん。

 なんで?

「泣いてるじゃない」

「え……?」

 遥香さんの言葉に驚き、そっと頬に触れる。

 どうして気が付かなかったのか分からない。

 わたしは泣いていた。

「どう、して……?」

 どうして涙なんか出るの?


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