プロローグ 魔王候補
アリ飼育をしていて人間の軍隊より優れてる点が多々ありますね。それでただアリのことを書くのでなくオリジナル種を出してもアリの飼育や生態に興味を持ってもらえた良いなぁと踏み切りました。
第一陣は移動中に迫撃砲の雨とRPGの暴風雨に襲われ、10名が死に、20名以上が負傷した。
その中に戦友がいた。コックを夢見て、貧しい家からフランス籍を目指して来たやつだった。
第二陣の俺は無事に村へ辿り着いたが、三日後の昼、哨戒中の味方がRPGで吹き飛ばされる爆音で異変に気付いた。
「なんの音だ!?」
中東、外人部隊や傭兵、各国の部隊が駐留する場所。
ここは外人部隊が駐留する友好的な村だ。到着二日目にして哨戒に居た仲間がRPGを撃ち込まれ爆散したのだ
相手は何百発とRPGや迫撃砲を打ち込んでくる。弾頭や砲弾が着弾する度に地面は抉れ、舞い上げられた石や土に混じり、酷いと血や肉片も降ってくる。
拭っても拭っても砂塵が付き、とどめは目の前で頭を飛ばされて顔に、ゴーグルにべっとり血が付いた。
ゴーグルについた血を拭ったせいで血脂と汗で手が滑るし狙う暇もない猛攻だ。
口の中も顔についた血が入ったせいなのか、白兵戦で仕留めた返り血なのかヌルリとした舌触りや鉄の味がする
「虫けらみたいに湧きやがって!犬畜生のように殺してやるっ!」
仲間の頭の半分を吹き飛ばされ白い脳水を垂れ流しながら口をパクパク動かしていた。
何を言っていたかは分からない。言っていなかったのかも知れない。
多分、死にたくないだな…次はマシな人生だといいな?次があればだが
キーンと耳鳴りがするような破裂音に混ざって怒号や悲鳴、瀕死になった仲間の慟哭も聞こえる
崖からランチャーや迫撃砲を撃ち込まれ数の暴力で押し出す相手とAK47の相性は抜群で迎え撃つ自分たちはFA-MASなため取り回しは良いが射程で劣り、数も少ないため旗色は悪かった
そこに来て山々が干渉し無線も通じず命を落とす仲間の方が増えて来れば逃げることもできない
「くそっ…!ちきしょう…!血が止まらねぇ…!」
ビュッと音が聞こえ熱い何かが当たったのは分かった
腹を撃ち抜かれた感覚が広がり、手に自分の血がべっとりとつき不味い、と感覚で分かる
周りで仲間が次々に倒れ、"メンダウン!メンダウン!""衛生兵!"と叫んでる声に敗けを確信した
止血を試みても心臓の鼓動ごとに血が溢れる錯覚がする。
あぁ、急所をやられた…もう終わりだな。
銃声も怒号も聞こえない。次は産まれるなら普通に生きたいなぁ…
身体が冷たい、背中が痛い。ゆっくり目を開ければ洞窟のような中。反政府の捕虜になったなら外人部隊の自分は生かされる理由はない。
首を動かし見ても周りに人影どころか気配もない。なんとか顔を上げれば肝臓の位置に空いたはずの穴も消えている
服装も迷彩にプレートキャリアのままだ。そばにはヘルメットも転がっているが身に着けていたライフルや拳銃はない
「ちくしょう…ナイフとバックパックにポーチ以外何も無くなってやがる…」
『おや、目覚めましたか? おめでとうございます、貴方は魔王候補に選ばれました』
頭でも打ったか? 洞窟の真ん中で鈍く光るデカい水晶から、妙に澄んだ声が響いてきた。
「…帰ったらカウンセリングでも受けるか」
『残念ながら貴方は既に死にました。ここが貴方の新しい現実です。さあ、時間の無駄ですからこちらへどうぞ。二度目の死をご希望なら別ですが?』
「来てやったよ。生憎と機嫌が最悪なんだよ、クソが!」
『ふぅ、それは関係ありませんね。貴方は善行ゼロなのに、なぜか魂が適正だと引っかかっただけです』
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ! クソ野郎! 善行? ハァン? 笑えるジョークだな! じゃあ血税を食い潰す政治家や強姦魔もここにいるんだろ!?」
『いえ、いません』
「あ?」
『貴方と違って、そういう輩は子供や孫を幸せにしたりするものですから』
「舐めてんじゃねぇぞ、クソッタレ!」
渾身の蹴りを水晶に叩き込む。びくともしねぇが、せめて気分くらい晴らしてやる。
『はぁ、器物損壊未遂でマイナス100、無意味な怒鳴り声でマイナス50。計算が面倒なので切り上げてマイナス200ですね。お疲れ様です』
両親が死に転校するまで虐め抜いてくれた忘れもしない名前と顔、そして自分を陥れてくれた従兄弟共
『500ポイントで選べる魔物はこちらです』
「コイツだ」
ゴブリンやスライムなどがあったが迷わずヴォルフアントを選択した。アリは一匹一匹は大した事はないが組織としてみるなら極めて優秀といえる。
なによりヴォルフアントの説明にはコロニーの成長に合わせ刺しアリやツボアリなどバリエーション豊かになることだ。しかも初めはクイーン単体なためたった100ポイント
水場大100ポイント、プロテインゼリー無限湧き100ポイントで計300ポイント。そして状態異常が安い!200ポイントで500で収まる
状態異常にならなければ見た目や味を諦めればなんでもモリモリ食べて、ガブガブ飲めて、ゆっくり寝れば生きながらえられるからだ
『……それで後悔しませんか?』
「ああ。」
『最後に迷宮の入口はどこに作りますか?あなたの敵はあなた以外全てです。この世界に住む種族のリストは頭にインストールしてあるため説明は省きます』
「ココだ」
選んだのはどの種族も少なく山岳地帯の河原だ。山岳地帯なら爆発的発展はないが接敵リスクや不運にも集落と隣接し冒険者やら討伐隊編成リスクを減らせるためだ
『分かりました。期間はありません、統一するか死をかけ頑張ってください』
ワクワクしてくる。男なら誰でも一軍を預かる将になりたいというものだ。幾星霜かかろうと二度と転生したくないよう思わせてやる。例え惨めだろうが殺して統一する
姿を現したヴォルフアントのクイーン、ビルのようにデカイ。
『オマエが死ねば迷宮が終わる、足だけは引っ張らないように』
「…まぁ見てればいいさ」
アリは触覚で意思の疎通を図る。こちらのは言えば理解するようだが逆は触覚で触れて伝えないと俺は分からない。それを踏まえ計画を建てなければならないだろう
楽しくなってきたな
もし、飼育者が居て家の子は違うなぁ。などあると思います、その時は参考にしたいので教えていただければと思います。ではでは