勘違い
どうやら、俺のパワーは恩恵の結果ではないようだ。
なんかあの後、いかにも超ベテランっぽいメイドと執事がを中心とした凄腕従者集団(仮)が来た。
みんなが喜んでいた。感極まって涙流して拍手喝采している人もいた。普通に怖かった。よく分からない怪力を持っていると思ったら、初めて見る人達が俺を囲んで拍手して喜び讃えている(多分)状況。おかしい空間である。心境は宇宙人にキャトルミューティレーションされて台に固定されて宇宙人に囲まれている人の心境と同じである。
その後、妙齢なメイドさんがみんなを落ち着かせていた。
「………、……………。…………………………、…………………。」
別のメイドが何かの絵本を俺に見せてきている。
じっとしていたら、次から次へと絵本を見せてきた。載っている内容は全てが戦闘しかも、子供向けみたいな絵本なのに血の描写などがやたらリアルで生々しい。
妙齢の執事が俺が上手く理解できていない事を理解したのか?今度は写真を見せてきた。絵本の絵が上手く描写してくれていたから。その写真達がそれぞれの絵本に載っている主人公(描写から多分そう)である事は分かった。
そして、写真も額縁に入っている事やよく見たら絵も混じっている事からこれらは多分俺の先祖である事が分かった。絵本に載っている主人公達は例外なく、戦っているのは人やモンスター等で違いはあるが戦って勝利を収めている。
しかも、苦戦している描写は改めて見返してみたらほぼ無い。数少ない苦戦も明らかに他とは違う事が描写で分かる。それにしても、この絵本を描いている人上手いな。文字が読めなくても大体の物語が描写で分かる。
これまでの反応とこの物語から分かる事はこのパワーは恩恵ではなく、俺の新しい血筋に由来するものだという事。このメイドや執事が喜んでいるのはこの一族の力がちゃんと受け継がれている、もしくは濃く受け継がれている事が分かって喜んでいるかのどちらかだな(多分)。
そんな事をしていると部屋どころがこの建物全体が揺れている様な振動を感じた。
「………!………!!!」
背が高く、服から分かる程の筋骨隆々で金髪赤目のイケメンが壁を突き破ってきた。
あの振動はこの男が移動して起きたもののようだ。道理でこの振動に対してメイドや執事達がまたか見たいな反応している訳だ。
そして、この男、確実に俺の父親である。理由は前世でも一、二回しかなかった確信的な勘である。
この肉体、五感だけではなく、第六感も優れている事を理解した。
「………、……………。…、………。…、…………。」
何だろう……馬鹿にしている訳じゃないのは分かるのだが、イラッとした。
馬鹿にされるより、純粋に言われる方がイラッとする事を分かった。多分、この父親、俺のこと、デカくて太っていると思ったな。それも少し驚いている。
「!……………」
そして、いきなり父親は自分の開けた穴から一気に入ってきた女性に殴り飛ばされて、また、新しい
「…………!……、…………。」
その女性はこっちを見て、多分丸々として、可愛いなと思ったな。うん、絶対痩せよう。
母親は死にかけではないようだ。何故なら父親を殴り飛ばしたこの女性こそ俺の母親である。
………いい加減、誰かこの人らが開けた穴の瓦礫の下敷きになっている俺を助けてくれないかな。