おい、神。
俺が生まれてから数日が経った。
どうやら此処は病院ではないようだ。
何故分かったか?俺の世話しに来る人の大半がメイド服をきている。何処の病院にメイド服を着たナースがいるんだ。という訳で、此処は病院ではない。
それに俺は異世界転生した事が生まれてすぐにわかった。
理由は、記憶にこの手紙がインプットされていた。
「ハロ!ハロー!誕生おめでとう!君をいつも陰ながら見守っている女神様だよ〜これを読んでいるって事は無事誕生する事が出来たんだね。」
無事誕生出来ない事があるんだな。
「稀にだけどね。」
流石、女神様、此方のツッコミをよんでいる。
「今の君は何もかも転生間の記憶を失っているから。意味が分からないと思うけど、大丈夫!今から懇切丁寧に説明してあげるから。」
やっと自分の身に何が起こったか?分かるようだ。
「まず、君は念願のダイエットに成功して狂喜乱舞していた。」
あぁ、そこは覚えている。そこから寝て何が起こったかを知りたい。
「ちなみに、君が死因は寝てから起こった事ではないよ。」
え?
「問題はダイエットに成功してしまった事だよ。」
は?いやいや!俺はちゃんとしたやり方でダイエットしたぞ。確かに多少の無茶はしたが、俺がやった事なんて食事制限と運動だ。
それに食事制限はやり過ぎは間違いだから。ちゃんと計画して無理のないようにした。その一方で運動は無理をしたが死ぬような事なんて……
「そうだよ。ダイエット自体問題は無かった。問題なのは成功した事、さっきもそう言ったでしょ?」
成功が問題?
「まず、君の前世……いや、今の君にとっては前前世って言った方がいいかな。君の前前世は修行好きの筋骨隆々な人物だった。そんな人が望んだ来世は英雄がするのような神の試練に挑む人生だったんだ。心優しく人助けもして徳を積んでいた青年の願いを叶えようと思った神達はやり過ぎてしまった。小説なんかでよくあるミスだよ。沢山の神がその人の魂に試練を与えた。だけど、原則、魂に一つにつき一つの試練しか与える事ができない。だから、全ての試練を一種の試練にして君に与えた。」
それ?大丈夫なんか?
「大丈夫じゃないが、そもそも、試練自体が、合わせたことによって絶対成功できない難易度になっていたの。前前世の君の願いは英雄がするような神の試練。こんな鬼畜要素盛り盛りの不幸にしかならない試練ではない。だから、前前世の君の願いを叶える事が出来なかった代わりに前世の君に対して試練の内容を不幸にならないように変換した。それが絶対豊満。つまり、体重が人より圧倒的に重くなる。」
あぁ、だから、あんな奇病扱いな太り方したんだな。
「えぇ、もちろん。君が奇病患者扱いされても、周りのみんなは優しく普通に扱っていたでしょう。」
確かに、テレビなどで見る差別などは受ける事はなかったな。
「あれも君への試練につく特典だと思ってくれていいですよ。君が転生する場所や運命レベルで仲良くなる人物も結び付けていました。もちろん、君が仲良くなった人の大半は違いますが、君の心の支えになる人を絶対会えるようにしたと思ってくれていいです。」
なるほど、あいつに会えたのは女神様達のお陰なのか、それは感謝しかないな。
「ですが、君がダイエットに成功してしまいました。どうやっても太っている、神の試練難易度MAXと言っていいものを成功させたのです。本来、神の試練に成功したものには与えた神から恩恵が授けられますが、君の場合、多くの神から与えられた試練、それに成功した事によって自動的に大量の恩恵が与えられました。それによって君は恩恵の過剰投与で死んだんです。」
うん?
「いきなりこんな事言われても分からないと思いますが、薬を大量に摂取したら毒になる様に、神の恩恵も一度に多量に投与されたら毒になるのです。」
つまり?
「申し訳御座いませんでした!!!!まさか!あそこまで徹底的にダイエットの邪魔をするのも含まれている試練でやり遂げる人がいるとは思わなかったんです!!!」
おい、こら、神!
「因みにこれは転生間でも話して、試練を与えた神全員で土下座をして謝りました。壮観でしたよ。あんなに大量の神が土下座をする姿は見た人なんて君が最初で最後だと思いますよ。まぁ、君は覚えていませんが。」
それは正直見てみたい。
「私は真っ先に与えたので代表として一番目の前でしましたよ。試練の内容も最初に与えた豊穣の女神である私に因んで作りました。」
俺の太りはこの人のせいか。他はどういうのが合ったんだ?
「候補としては、亀のように遅くしか走れない兎の女神の試練や世界一の醜悪な顔になる美の女神の試練などありました。」
一番マシな気がしてきた。女神以外からは試練なかったのか?例えが全部女神だけど?
「試練を成功した人の中には神になった人もいるので、与える神の殆どは独身の神でその後の結婚ゴールインを狙っています。なので容姿や性格が試練の影響で及ぼす事を利用して自分の試練を与えて自分好みの神にしようとしてます。」
マジか、神に対してのイメージ壊れるな……………?一番最初に与えたという事はこの女神……
「えぇ!独身ですが!何か!神なので!人間では考えれないくらいの独身歴ですが!何か!」
いや、なんか…すみません……
「いえ、大丈夫ですよ。この悲しみは貴方に責任を取ってもらう予定なので。」
うん?ううん?
「転生間で物凄い勢いで交渉したら、色々前世に対しての望みを叶える約束をしたらOKしてくれましたよ〜」
嘘だろ。俺………
「えぇ、豊穣の女神が言ったことは虚偽です。本当は来世、つまり今の貴方がOKしたらOKと言うものです。騙されないで下さい。」
「ちょ!なんでバラすの!」
どうやら、この女神はあまり信用ならなそうだ、結婚関係に対して。
とりあえず、教えてくれた神様!ありがとう!
「いえいえ、法と公平を司る女神として当然の事です。こんな嘘をつく女神より私なんかどうですか?」
なんか売り込んできた。そもそも俺、今世では試練合格していないから。神になるチャンス無いだろ。
「あ〜言うの忘れてましたが、貴方の神への昇格は決まっています。」
え?そうなの?
「はい、そもそも、今世は貴方の魂を前世で受けた恩恵を受け止めれる器を作るまでの暇つぶしですよ。」
マジで。
「マジです。暇つぶしと言ってもちゃんとした人生なので謳歌して下さいね。」
まぁ、でも今世は試練も何も無いんだし、初めから軽い身体を謳歌するのも良いかもな。
「あっ!これも言い忘れてましたね。あの高難易度試練を成功させた人として、前世で与えなかった神達(主に男神)が面白がって新しく試練を与えたので、試練山盛りな上に前の設定で与えてしまったので、前以上にやばい太り試練です。」
おい、神!