表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

ダイエット成功(一度目)

「イッッッッヨシャーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 閑静な夜の住宅街に響き渡る奇声。全く近所迷惑である。

 まぁ、発声源は俺なんだが、仕方が無いだろう。ようやく、長年の夢が叶ったのだから。


「ついに!俺はー!やり遂げたぞーーー!!!目標体重75キロにダイエット成功だーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」


 俺はついに!ついに!やり遂げたのだ。苦節六年!到頭!その時は訪れた!


「体重計で測る前と体重は変わらないのに、長年の重りを脱いだかのようにこの身が軽い。今なら空も飛べそうだ。」


 本当に飛んだら死ぬと思う。


「これで痩せ型の家系なのに何故か一人だけ異様に太っている突然変異の子なんて呼ばれずに済む。」


 家族の誰一人として一切俺だけが太っていることに対して何とも思っていなかった。むしろ、普通の食生活している10歳の子供が百キロを超えていることに対して心配をして病院に行って精密検査を受けた。最初は医者も半信半疑だったが、一ヶ月入院した結果、真実だと言うことを証明した。

 そのせいで、地元の新聞に載ったり、ニュースで報道されたりした。

 今では世界に見られる数少ない奇病として病気界に名を残した。


「だが、それも今日までだ。明日から自力で奇病に打ち勝った人として奇病界に名を残すことになる。」


 思い返せば、ここまで長く辛い道のりだった。

 ダイエットの為に、恋を諦め、味覚を改造し、そして、ある漫画を参考にして出来る限り持ち物を重くしたりなど日頃から身体を鍛え抜いた。

 父さんがどこで見つけてきたか分からない10キロのシャツなど重量級衣服とか母さんが発案した虐待ギリギリのトレーニングメニューなど、親の知らない一面も垣間見た。

 俺のダイエット成功には沢山の助けがあってこそできた。

 俺はこれからの人生は俺がしてもらったように沢山の肥満者を助けていく事があの人達への恩返しだと思っている。


「もうそろそろ寝るか。」


 叫んでいたら、夜8時だったのにもう深夜1時である。

 今更、近所迷惑を気にしても仕方が無いが、叫んで疲れたから寝るか。


「明日から、いや、今日から新しい人生が始まる。」


 そう思い寝たはずだった………


 おかしい、自室のベットで寝たはずなのに、何故か今は密閉された水の中にいるなんか腹あたり?に紐だと思うものが繋がっている。

 それにしてもあれからそれなりに時間が経っているはずなのに、窒息しない。まるで酸素ボンベをつけてダイビングしている気分だ。それにこの水中、明らかに狭い。身体にどう見たって合ってない。

 まぁ、これも何故か意識は覚醒しているのに、目が開かないから、密閉している壁を触ったり、身体に密着している壁から分かる事から推測でしか無いが合っているだろう。

 この壁を壊そうと叩いたりしているんだが、伸縮性が高いのか、叩いても、叩いても、柔らかさが肌に伝わるだけである。


 それにしても、ここに閉じ込められて数日、今日はやけに動くな。たまにこの密閉容器を運んでいるのか?ガタゴトと動くことがある。

 今日はそれが多いな。動いていると言うより地震に似ている気がする。そんなに強い揺れでも無いのに周りがやたら騒がしい気がする。此処?もしかして日本ではない?


 そんなこんな考察しているとなんか下に押し出されていく感覚になる。

 より狭い道に入っていく感じだ。それなのにあまり圧迫されている感じがない。


 それから何時間後、光が目蓋から分かる感じになってきた。


「………!!……………!」


 なんか外から声が聞こえる。全く聞いたことがない言葉だ。

 やっぱり此処は日本ではないようだ。


「……………!!…!…!」


 上半身が空気に触れている。

 ここである疑問が生じた。誰かが俺の上半身を支えている。両手が上半身を包んでいる。

 それは可笑しいのだ。俺はダイエットの為、鍛えに鍛えた上に痩せると共に身長も伸びに伸びて190cm近くある。上半身、身体の半分出ているとして約95cmである。かなり巨体の人が支えているにしても可笑しい支え方である。


 そうしているうちに全身が出た。


「おぎゃーーーーーーー!!ー!ー!ー!!!!」


 うん?ワンチャンにかけて思いっきり叫んだが?どう見ても俺の声ではない上に、オギャーなんて言ったつもりはない。


「………。………、………………。」


「………!!……!………………、………。」


「「「「「……………!」」」」」


 完璧に両腕で抱えられている。

 なるほど、ここから推測されることそれは……


「オギャー!ーーーー!ー!ー!ーーーーー!!(誰が本当に新しい人生に転生したいって言ったーーーーーーー!!)」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ