表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
硝子の肖像  作者: 楓 海
20/24

借金

 読んで戴けたら嬉しいです。

 次の日校長室に、シヴィルとウィスフィールド、レジーナとフォード市長、そしてオレと母さんと担任が呼ばれた。


 そこはフォード市長の独断場で、ウィスフィールドは(ほとん)ど発言もできなかった。


 話し合われた真実はこうだ。


 オレとシヴィルが四日間アナザーシティーへ行く事を、シヴィルから相談された親友のレジーナがウィスフィールドを説得して承諾させた。


 校長からウィスフィールドが娘に甘過ぎると叱責されたのは笑えた。


 勿論、オレもシヴィルを巻き込んで学校をサボらない事を約束させられたが。



 放課後、いつもの場所でシヴィルと落ち合った。


 オレが着いて、少ししてシヴィルが来た。


「シヴィル、夕べはウィスフィールドに酷い事されなかった? 」


 シヴィルはぎこちなく笑って言った。


「大丈夫よ」


 オレはそれ以上訊かなかった。


 シヴィルにそれを説明させるのも嫌だったし、オレ自身聞いたら冷静でいられる自信が無かったからだ。


 オレは草むらに座るとシヴィルに手を伸ばした。


「来て…………………………」


 シヴィルはオレの手を取ると、オレの隣に腰を下ろして、オレの肩に頭を載せた。


 オレは優しくシヴィルの肩を抱いた。


「フォード市長のお陰で、オレとシヴィルはウィスフィールド公認と云う事になった

 もう、こそこそしなくていい訳だ」


「うん……………」


「そうだ、今週末デートしない?

 と言ってもバンドの練習だけど」


「うん……………」


 シヴィルを見ると、シヴィルは哀しい眼でオレを見た。


「シヴィル…………………」


 シヴィルは言った。


「ワタシは誰の物…………………? 」


「やっぱりウィスフィールドに何か言われたんだね」


 シヴィルの眼から涙が零れた。


 オレはシヴィルを包み込む様に抱き締めた。


「シヴィルは誰の物でも無い

 シヴィルはシヴィル自身の物だよ

 そしてオレの最愛の恋人だ」


 シヴィルはオレの胸にこめかみを押し付けた。


「うん…………………」


「ごめんね、シヴィル

 もう少し待って

 今、必死で準備してるから」



 土曜の朝、女装してないオレがシヴィルの家のチャイムを押すと、理解ある父親のウィスフィールドが出て来た。


「ハイ、ウィスフィールドさん」


 オレは挑戦的な眼をウィスフィールドに向けた。


 ウィスフィールドは、それがどうしたと云う顔でシヴィルを呼んだ。


「シヴィル

 リュシアンだ」


 シヴィルは肩をすぼめ、両手でバッグをきつく抱き締め現れた。


 下を向いたまま落ち着きなくオレとウィスフィールドの間を通ると小さく言った。


「行って来ます、パパ」


「ああ、行っておいでシヴィル」


 ウィスフィールドは鋭い視線をオレに浴びせるとドアを閉めた。


 車に乗り込んだシヴィルはジールとノヴァに挨拶して、車が発進すると憂鬱そうに黙ったまま流れる景色を眺めていた。


 オレとウィスフィールドの間に(はさ)まれたシヴィルは立ち位置が難しいだろうと思う。


 憂鬱にもなるだろう。


 オレはワザとおどけてシヴィルをからかうと、シヴィルは最初戸惑っていたが次第に笑顔になった。


 いつものガレージに着いて、みんなでジールのドラムや、アンプを運んでいるとオーナーのギャレットさんがコーヒーを差し入れに来てくれた。


 ギャレットさんが笑い掛けるとシヴィルはオレの陰に隠れた。


 ギャレットさんは困った様に笑って言った。


「おいおい、そんなに嫌わないでくれよ」


 シヴィルはオレの陰から顔を覗かせた。


「ごめんなさい

 何だか顔を合わせずらくて」


 シヴィルはひと目でそれと解る作り笑いをした。


 ギャレットさんは両手を上げて首を振った。


「すっかり嫌われちゃったな」


 シヴィルはオレの腕にしがみついて言った。


「そんな

 嫌ってなんて…………………」


 クスッと笑ってギャレットさんは、外でノヴァと話しているジールを見て言った。


「ジールとは長い付き合いなんだ」


 ギャレットさんは真面目な顔でオレを見た。


「ジールは十代の頃からロスアンゼルスでプロとして活動してたんだ

 でも、バンドのメンバーと喧嘩してバンドを()けざるを得なくなった

 その後も何とか音楽を続けようと随分努力したが、上手く行かなくて諦めてこの街に戻って来た」


 ギャレットさんはオレの肩に手を置いた。


「リュジー

 今回のレコーディングの為に、ジールは親戚や、知り合いと云う知り合いの間を駆けずり回って借金してるんだ

 ジールは君に総てを賭けてる

 必ず成功してくれ」


 ジールが生半可な気持ちでオレに期待を掛けて無い事に、驚くと共に嬉しかった。


 借金をしているなんて、おくびにも出さず黙ってオレに尽力してくれるジール。


 決して裏切る訳には行かない。


 オレは真剣な眼でギャレットさんを見詰め言った。


「勿論です、ギャレットさん」


 ギャレットさんはオレを見詰め返すと、フッと笑った。


「俺も投資してるんだ

 損はさせないでくれ」






 読んで戴き有り難うございます。


 最近は私好みのイケメン俳優さんがいっぱい居て倖せですう。( *´艸`)

 松坂桃李くんもそうですが、山崎賢人くんに福士創太くんに佐藤健くん。

 美味しいですう。

 山崎賢人くんを初めて知ったのは「デスノート」のドラマでLちゃん役の時で、そういえば山崎賢人くんは、最近映画ばかりでドラマ出てくれないですねえ。

 まだ、「キングダム」観てないんですよね。

 最近また、コメディの映画出てるみたいですが。

 福士創太くんは「無限の住人」で初めて観て、超カッコ良くて一目惚れ。

「ブリーチ」も観ましたよ。

「カイジ」では悪役演じるとかで、美味し過ぎますう。(≧∇≦)b

 佐藤健くんはアクション凄いですよね。

 また「るろうに剣心」の新しいのが出るので超楽しみにてます。

 俳優さんが良いと世界にしっかりひっばりこんでくれるので楽しいですよね。

 皆様一線級の俳優さんばかり。

 逆に俳優さんがヘボいと冷めちゃって、辛いです。

 

 最近また、吸収の為にマンガ読んでます。

「トモダチゲーム」読んでます。

 主人公の友一くんが、悪どくて、邪悪で、爽やかなのが、超面白いです。


 今日のBGMはビョークとエルヴィス・コステロでした。

 私もコステロの良さが解る歳になったんだなあ、と思う今日このごろです。笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] どんどん読みやすくなっている感じがします。 楽しみにしています。 [一言] 松坂桃李くんは「不能犯」で感銘受けました。 原作のファンだったのですよ。 山崎賢人くんはLだったのですか? 佐藤…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ