商談成立
読んで戴けたら嬉しいです。
オレは学校に行くと父親が市長をしていると云う、クラスきってのお嬢様レジーナ・フォードを学校のグラウンドに呼び出した。
グラウンドの向こう側ではアメフトの朝練をしていた。
レジーナは金髪を長く伸ばして、鼻っ柱の強い処はあったが、市長の娘と云う事を鼻に掛けない気さくな女の子だった。
レジーナはやって来た。
「ハイ、レジーナ
来てくれて嬉しいよ」
レジーナは言った。
「ハイ、リュシアン
貴方、シヴィル・ウィスフィールドと付き合ってるんでしょ
私に何の用なの? 」
レジーナは機嫌が悪そうだった。
オレは構わず言った。
「単刀直入に言うよ
キミに頼みがあるんだ」
「頼み? 」
「オレたちに力を貸して欲しいんだ」
レジーナは意外だと云う顔をして、朝日の眩しさに眼を細めて言った。
「それをして私に何かメリットはあるの? 」
オレは暫く黙った。
そんなもの在る筈も無かった。
「オレにはキミみたいに権力のある父親も居ないし、オレ自身しがない高校生だ
だからキミに頼みをきいて貰っても、オレは何も返せない
だけど、助けて欲しいんだ
キミなら完璧にやりこなせる事だから」
レジーナは暫く考えてから言った。
「内容にも依るわね」
「簡単だよ
シヴィル・ウィスフィールドの家に二、三度女友達と遊びに行って、或る事をウィスフィールドに承諾して貰いたい」
「或る事? 」
レジーナは怪訝な顔でオレを見詰めた。
「シヴィルと仲良しの振りをして四日間キミの家に泊まるって
本当に泊める必要は無いんだ
四日間、ウィスフィールドにシヴィルはキミの家に泊まりに行くって思わせて欲しい」
レジーナは笑った。
「つまり、あなたは四日間シヴィル・ウィスフィールドと一緒に居たいのね」
オレは軽く照れた。
「そうなんだ………………」
「どうして、それを私に? 」
「ウィスフィールドには表向き理解のある厳しい父親である必要がある
市長の父親を持つキミなら気を許すと思ったんだ」
「どう云う事? 」
「ごめん
これ以上は言えないんだ」
「随分失礼な話よね
あなたが必要なのは、私では無く私の父親の肩書きなの」
オレは口籠った。
「ごめん…………………」
レジーナはオレをじっと見詰めた。
それこそ頭から足の爪先まで。
そして、たっぷり時間を掛けて見詰めた後言った。
「いいわ
その頼み受けてあげる
でも、条件が在る」
「条件? 」
オレは何を言われるのかとドギマギした。
「あなたがロックバンドやってるって噂は本当? 」
「本当だ」
オレは誇らしげに胸を張った。
レジーナは笑って言った。
「まだ先の話だけど、プロムで演奏して私達のプロムを最高に盛り上げて欲しいの」
オレはホッとして笑った。
「お安いご用だ」
レジーナは笑った。
「商談成立ね」
読んで戴き有り難うございます。
実は先に投稿した「ラプンツェルの接吻」と「ラプンツェルの接吻 聖流編」を改稿を兼ねて一度削除して投稿し直したいと思っているんです。
十五万文字もある作品を、初めての投稿でやり方も解らず、全7部分で投稿しちゃったんですね。
読者さんが大変みたいで第一章を読んだだけで、力尽きる読者さんが続出してるんですよ。笑
読みやすくする為に話数を増やして投稿したい訳なんですが、一度削除した作品をもう一度投稿し直すってできるのでしょうかね❔
知ってらっしゃる方、おられましたら感想欄にご一報戴けたら助かります。
宜しくお願い致します。m(_ _)m




