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美澄と海波の百合漫才  作者: 明野れい
1/1

第1回 自己紹介

美澄「どーもー! カルボラーナズでーす!」

海波「…………」

美澄「どうしたの、海波。ちゃんとあいさつしなよ」

海波「その前にそのコンビ名について問いただしていい?」

美澄「えっ、可愛くない?」

海波「まずは釈明……もとい、由来を聞かせてくれる?」

美澄「いや、海波って昔からこういうのよくいい間違えてたじゃん。エレベーターのことエベレーターって言ったり」

海波「それはエベレストのやつが悪いのよ」

美澄「そんなエベレストを親しい友だちみたいに」

海波「幼なじみとしてはあんたより上等だと思うわ」

美澄「確かにあの高身長はうらやましい」

海波「横幅も大概だけどね」

美澄「そういえば海波、ペペロンチーノのことをペロロンチーノって言ったことも――ごふぁっ!?」

海波「…………」

美澄「コークスクリュー……? 見えなかったんだけど今腹にコークスクリューパンチ入れた……?」

海波「ひねりくらい乙女のたしなみよ」

美澄「乙女……?」

海波「ツッコミどころはそこでファイナルアンサー?」

美澄「ノーノー! 目は指のツッコミどころじゃないからその構えやめて! テレホンで救急車呼ばなきゃいけなくなる」

海波「霊柩車の間違いじゃなくて?」

美澄「なんという殺気。……そんなに嫌ならコンビ名考え直す?」

海波「……もう面倒くさいからカルボナーラズでいいわよ」

美澄「カルボラーナズね」

海波「またどっちが正しいのかわからなくなりそうなんだけど!」

美澄「大丈夫、大丈夫。言い間違えるときの海波可愛いから」

海波「それはどうもありがとう」

美澄「いい笑顔で掌底打ちの構え怖いよ!」

海波「ふぅーっ」

美澄「呼吸が達人っぽい……。このままだと私の命が危ないからあいさつからやり直すね」

海波「命拾いしたわね」

美澄「はい。それでは改めましてよろしくおねがいします。私たちはカルボラーナズといいまして、夫婦めおと漫才のコンビです」

海波「夫婦漫才……」

美澄「どうしたの? なんか顔赤いよ? トマトでも食べた?」

海波「トマトにそんな副作用ないわよ! 顔も赤くなってない!」

美澄「怒ってるの? 夫婦漫才って言われるの嫌だった?」

海波「…………」

美澄「ごめん、そんな顔を真っ赤にして怒るほどのことだとは思わなくて。ただ私にとって海波は、ここぞというとき頼れる旦那さんみたいだなぁって思って……」

海波「……ゃじゃない」

美澄「え、何?」

海波「別に嫌じゃない!」

美澄「むしろ?」

海波「むしろうれ――っ。……いや、なんでもない」

美澄「うれ? うれのあとは――ごふぁっ!?」

海波「むしろ熟れたトマトの方がおいしい!」

美澄「意味がわからない! それを言うためにみぞおちにチョップ食らわせる意味がわからない!」

海波「知ってる? みぞおちって漢字にすると鳩の尾なのよ」

美澄「知らなかったけどだから何!?」

海波「平和の象徴たる鳩の尾を切り落とすことで開戦の狼煙を上げたのよ」

美澄「なんか文学的なのにすごく物騒!?」

海波「鳩の尾は切って落とされたわ」

美澄「そんな戦いの火蓋みたいな! じゃなくて、なんで宣戦布告されてるの私?」

海波「自分の胸に手を当てて考えてみなさい」

美澄「うーん……わかんないけど、そんなに怒らないでよ。私海波のこと大好きだよ! 最高の幼なじみ! 親友! 心の友!」

海波「……そういうところよ」

美澄「え、どういうこと?」

海波「気にしないで」

美澄「やだ、気になる」

海波「気にしない」

美澄「気になる!」

海波「気にならない!」

美澄「…………」

海波「…………」

美澄「じゃあ仲直りのハグしよう。ね?」

海波「もう好きにして」

美澄「おっけ。はいじゃあ、ぎゅーっ。ぎゅぎゅーっ。ぎゅぎゅぎゅーっ」

海波「…………」

美澄「……あれ、またトマト食べた?」

海波「いい加減にしなさい」

美澄・海波「どうも、ありがとうございましたー」

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