出さない手紙(その弐)
愛しい君へ
金太郎飴であんぽんたんな私も、社会の荒波に揉まれて少しずつ強くなっているよ。
自律神経失調症も生理前の不調にも随分自分なりに対処できるようになりました。なんで頑張れるようになったんだろう。
それは一重に君が頑張っているのを見ているから。九州各地に出張に行って疲れているのに、必ず私の家に
遊びに来てくれる。もとい、家事を手伝ってくれたり元気付けたりしてくれる。
帰宅したら、部屋が綺麗に片付いていたときは面食らいました。
とうとうみかねた小人さんが片付けてくれたのかと一瞬非科学的なことを考えてしまいました。
あ!君かとお礼を伝えようと思っていたら
「小人さんの仕業かな」
と口は勝手に動いていました。ごめんね。
そんなときも君は
「おかえりー」
と一言。
私がくつろげる様に気遣ってくれましたね。
猫が好きな私に出張先で見かけたでぶ猫さんの写真をラインで送ってくれたり、綺麗な湖の写真を送ってくれました。
なぜか挫けそうなときに限ってそんな贈り物が届くんだ。不思議だね。
私は君になにか出来ているのか心配になるから、下手な手料理を一生懸命作ったりする。
この前はじゃがいもの種類を間違えて青臭い料理になってしまいごめんなさい。
でも。
カツオとアボカドの丼はお替りしてくれて嬉しかったよ。
恋愛って秤でははれないものだって君と付き合って知ったよ。
だからこそ出来るだけ一緒に居るときは君もくつろいでほしいんだ。
テレビのクイズ番組を観て真剣に競い合う私達。はたから観たら滑稽かもしれないけどとっても楽しい。
私は君より七歳も年上だけど、君のほうが世の中の事はずっと知っているね。
でも時々年相応に可愛らしい小さな出来事で悩むとき、私は少しだけ役に立ててるかな?
君に会ってから自分を不思議と大切に出来るようになったよ。
君が大切だよ。
出会ったときから別れは始まっているのは少し歳をとった私は知っているけど、君と一緒に人生を過ごす努力ならきっといくらでもできるよ。
離さへんで。
君の寝息が私を悪夢から守ってくれてるよ。一緒に狭い布団で寝よう!
これからもよろしく。
読んで下さってありがとうございます。
より手紙っぽくなりました。