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 ベルシュタイン商会でのパーティーが終わり、一週間が過ぎた。

 この一週間、ゾルドは商会に午前中少し顔を出すだけ。

 権限が無いので、仕事は全てヨハン任せになっている。

 まぁ、いつも通りだ。

 来週には、全ての支店から運び出されていた金が到着する予定だ。

 その間、時間の出来たゾルドはレジーナに付き合っていた。


「ちょっと待って、それじゃダメよ。30cm間隔で植えてくれなきゃ」

「少しくらい大丈夫だろ。水と肥料をやってりゃ花は咲くさ」


 レジーナが庭を耕し、まずは四分の一ほどの広さを小さな石で囲み花壇を作っていた。

 さらに新しく作った四分の一ほどの広さの花壇で、ゾルドはレジーナと一緒に種を植えていた。

 今まで忙しかったので、一緒にいる時間を作ってやったのだ。

 しかし、土いじりなんてやった事のないゾルドは、レジーナに植える間隔を注意されている。


「今回は花じゃないわよ。枝豆の出来が悪くなるじゃない」

「まめぇっ! レジーナ……。お前、庭に枝豆なんて植えてるのか?」


 てっきり花を植えているものだと思ったゾルドは、手に乗せている種を思わず見つめる。


「何言ってるのよ。豆類だけ食べていても生きていけるくらい、豆には栄養があるのよ」


 今も金はあるが、来週には最低でも兆単位の金が手に入る。

 そんな金持ちの婚約者が庭に豆を植えている。

 その事に驚いていた。

 まさか、豪邸の庭の一角に家庭菜園を作ろうとしてるとは予想外だ。

 金使いの荒い女よりも、庶民的な感覚を持っている女の方が好きではある。

 しかし、庶民的過ぎやしないか?


「いや、ほら。イチゴとかああいう果物はどうだ?」


 果物系の方が豪邸の庭にあっても違和感が無さそうだ。

 しかし、レジーナは首を振る。


「ダメよ。イチゴなんて育てるの大変よ。難しいのは農家の人に任せるべきよ」

「お、おう……」


 レジーナとのふれあいも大事だと思って一緒に作業していたが、まさか実用第一の枝豆を植えているとは思いもしなかった。

 ゾルドにとって、枝豆とはビールのおつまみとして食べる物。

 自分で作る物ではない。

 庭の片隅で剣の稽古をしているホスエ達の方が、有意義に時間を使っているようにゾルドは思えて来た。


(あれ、テオドールは?)


 ホスエに剣を教わっているはずのテオドールがいない。

 今はラウルが習っているので、休憩だろうかとも考えた。

 疑問に思い周囲を見回すと、門で訪問者の相手をしているようだ。


(なんだ、あの薄汚い奴は?)


 背丈や顔からして15歳前後だろうか。

 一応、本人なりに綺麗にしようとしているのだろうが、服に染み付いた汚れやボロボロになった布地のみすぼらしさは隠せない。

 乞食のような身なりの人間の少年が、高級住宅街のこの家に尋ねて来る理由はなんなのだろうか。


「もしかしたら、あなたがお金を稼いだって噂を聞いて来たんじゃない?」


 作業の手が止まったゾルドの様子を見て、視線を追っていたレジーナ。

 彼女の推測に、一瞬ゾルドも納得しかけた。


「いや、いくらなんでも家に押しかけてまで物乞いをしないだろう」


 金持ちの家に押しかける乞食。

 この世界の治安を考えれば、殺されてゴミ捨て場にでも投げ込まれてもおかしくない。

 そんな事を考えていると、テオドールと目が合った。

 ゾルドに伝えるかどうか迷っているらしい。


「ちょっと行ってくる」


 手に持っていた種をレジーナに渡し、門へと向かう。

 ホスエならともかく、テオドールであれば乞食に同情せずにアッサリ追い払うはずだ。

 人を助けてやる余裕がスラムでは無い。


 その彼が、戸惑っている。

 一体どういうことなのか、ゾルドは少し気になった。

 枝豆の種を植える事にウンザリしていたゾルドは、この機会に少し気分転換するつもりで門へと向かう。


「おやっさん!」

「おやっさんじゃない、副会長と呼べ」


 いつまで経っても、テオドールはおやっさんと呼ぶ。

 若いラウルに比べ、柔軟性が無い。

 それだけ、テオドールに親分という印象を強く付けられたのは良いが、人前で呼ばれるのは困る。


「それで、どうした」


 ゾルドの問いかけに、テオドールは困惑の表情を見せる。

 そして、ゾルドの耳元で囁いた。


「おやっさんの正体を知っていると言ってます」

「ほう……」


(このガキまでもか!)


 確かにゾルドは防諜のプロではないが、ここまであっさり見抜かれるのは、正直なところ辛い。

 ジョゼフのような、情報屋として生きる男ならともかく、こんな乞食のような少年にまでも見透かされた。

 自分の間抜けさに腹が立つ。


「ここは人目がある。中で話そう」


 そう声をかけられた少年は、体をビクリとさせるだけだ。


「なんだよ。話があるから来たんだろう?」


 少年は口をパクパクとさせる。

 緊張で声が出ないのだろう。

 正体を知っていると、脅しに来たはずなのに怖気づいているのかもしれない。


 少年はただ頷き、ゾルドの後を付いて行った。



 ----------



 応接間には、ゾルドと少年だけだ。

 さすがにそのまま家に入れるのは嫌だったので、洗浄の魔法を使ってやった。

 使用人達には、コーヒーとクッキーを置いて出て行かせた。

 少年は洗浄の魔法でサッパリし、コーヒーに舌鼓を打っている。

 少し落ち着いたのを見て、ゾルドは話始める。 


「まずは名前を教えてもらおうか」

「僕はラインハルトです。話を聞こうとしてくれて、ありがとうございます」


 その一言を放つと、ラインハルトという少年はまた口を閉ざした。


(なんだよ、このクソガキは!)


 ゾルドはラインハルトの態度に腹が立った。

 話があったから訪ねてきたはずだ。

 にもかかわらず、ダンマリを決め込んでいる。

 ラインハルトはゾルドの機嫌を損ねた事に気付き、少し時間が欲しいと言った。


「アダムスさんの正体に関しては、推測の域でしかありませんでした。ですが、門に居た人とアダムスさんの反応で確信しました。もう少し、落ち着く時間をください」


 ラインハルトの言葉に、ゾルドは舌打ちをした。

 自分のミスに気付いたからだ。

 こうして家に招き入れた時点で、何か後ろめたい正体があると言っているようなものだ。


(ジョゼフのせいだ! あいつのせいで、本当に気付いているものだと思い込んでしまったんじゃないか!)


 酷い八つ当たりである。

 しかし、ジョゼフの手紙が無ければ、政治家の如くしらばっくれていただろう。


 ――乞食の話を聞く。


 それだけでも、正体を推測させる大きなヒントを与えてしまった。

 ラインハルトが落ち着いている間、ゾルドはどう口封じするかを考えていた。


「実は、今日は別件で来たんです」


 落ち着いたラインハルトが、口を開き始めた。


「ならばなぜ、俺の正体を知っていると言ったんだ」


 ラインハルトはゾルドの目を正面から見据える。


「じっくり話をするためです。疑わしいところがあったのは事実ですし、実際こうして招き入れてくれました」

「……そうか」


 最初から別の話を持ちだされていれば、確かに門前払いをしていたかもしれない。


”自分の正体を知っている。ならば、どこまで知っているのかを聞き出したい”


 ゾルドは、そんな感情を上手く利用された。

 まだ若いが、この少年はなかなかやり手のようだ。


「まずは本題から。ベルシュタイン商会のヨハン会長が、フィリップ王子と接触しています。その目的は、アダムス副会長の追放らしいです」

「あー、あいつはその手で来たか」


 この一週間。

 なんとなくヨハンとの距離を感じる事が多くなっていた。

 おそらく、自分と同じ事を考えているのだろうとは思っていた。


 ――金の一人占め。


 5兆エーロ。

 パリでの仕事に使った時間が無駄に思えるくらいの大金だ。

 山分けして、税金を払っても十分な額が残る。

 アルヴェス商会が十年以上貯め続けた金とも言える。

 そんな大金を、山分けするのがもったいなくなったのだ。


 ――ゾルドも。

 ――ヨハンも。


 ゾルドだって人の心を持っている。

 根こそぎではなく、数か月は商会を運営できる金くらいは残しておいてやろうと思っていた。


 しかし、王族と接触してまでゾルドを追い出そうとするのなら別だ。

 副会長の解任と金の一人占めによって起きる問題を、王太子の威光で解決しようとしたのだろう。

 だが、権力を動かせば相応の金を使う事になる。

 これは悪手だ。


 アルベール王子は頼りないが、強欲ではない。

 少なくとも、自分の優位性を見せつけるために金を無心するような事はしなかった。

 まだアルベール王子を使って解決しようとした方がマシだ。

 だが、アルベール王子は今回の方法をゾルドが考えた事を知っている。

 おそらく、ゾルドの解任の手伝いを断られたのだろう。


 ゾルドは自分の物になるはずの金を無駄使いするような奴に、一銭たりとも残してやるつもりはない。

 ヨハンには苦しんでもらう事になるだろう。


「驚かないんですね」

「あいつが裏切るのは予想していた。まぁ、フィリップ王子を使うとは思わなかったがな。話はそれだけか?」


 せっかくゾルドが欲しがるであろう情報を持ってきたのに、その価値は無かったと思うと、ラインハルトはガックリと肩を落とす。

 これでは、彼の望みは叶えられそうにない。


「はい……」


 この情報は、きっと驚きと喜びで受け取って貰えると思っていた。

 その自信があったのに、本人が勘付いていたとは当てが外れてしまった。


「それじゃあ、俺の正体を教えてもらおうか」


 正直なところ、ゾルドはこの話が気になって仕方無かった。

 もし、ここで自分の至らぬ部分がわかれば今後に生かせる。

 的外れな考えであれば、安心ができる。


「魔神ゾルド……、様ですねよ」


 ラインハルトは、この世界で生まれ育っている。

 魔神に様を付けるような事は抵抗があったが、本人が前なのでなんとか様付けにするよう頑張った。


「ほう、なんでそう思う?」


 ゾルドは”よくわかったな”なんて潔く正体を明かすような事はしない。

 ラインハルトの推測を聞いて、的外れであれば否定する事もできる。

 問答無用で殺して、洗浄の魔法で消してしまっても良かったが、仲間に話をしてから訪れた可能性もある。

 味方にできるなら味方にして、都合の良い時に使い潰すという方法を取っても良い。

 まずは対話による解決を望んでいた。


「まずはアダムス・ヒルターという人物。おそらくは、パリで荒稼ぎしていたノルドという人物と同一人物です。ノルドという人間がパリから消したのと時を同じくして、アダムス・ヒルターというエルフがロッテルダムに現れました。幻術か何かで見た目を変えていると思っています。同一人物だと思ったのは、テオドール、ラウルというノルドの下で働いていたスラム住人が一致します。ベルシュタイン商会の借金は、その時稼いだ金で返したんだと思います」


(あいつらか……、連れて来るんじゃなかったな)


 変装のブレスレットは、ゾルド達が使う分しかない。

 名前を変えようが顔は変えられない。

 偽名にしていても、いつかは顔でバレていただろう。

 部下が欲しいと思ったのが裏目に出てしまった。


「そしてノルドという人物。おそらく、ワルシャワでタルノフスキ将軍の誘拐犯の疑いがあるとして指名手配された人と同一人物です。ゾルド様とプローインの関係の噂が事実なら、プローインのために将軍を誘拐して殺したのでしょう。どれほど強いのかはわかりませんが、大勢の首を綺麗に切り落とすような事ができるだけの力がある事は、パリのスラム街で証明しています」


 そこで、ラインハルトはコーヒーを一口飲み、喉を潤した。

 それに合わせて、ゾルドも一口流し込んだ。

 パリの事はホスエがやったことだ。

 どことなく気まずかった。


「ノルドを名乗る人物がパリに現れるまでの空白期間。それはゾルド様がブリタニア島にいるという話が流れた時から、プローインの魔神騒動までと、ちょうど時期が重なります。そこから、アダムス・ヒルターはノルド。そして、ノルドはゾルド様の偽名ではないかという事を推測致しました」


 数多くある情報から必要な物を抜き出し、情報を分析する。

 ベルシュタイン商会の借金を、パリで稼いだ金で払ったと間違っている部分もあるが、とても少年といえる年齢の若者ができる事だとは思えない。

 ラインハルトの実力に、ゾルドは感嘆のため息を洩らす事しかできなかった。

 

(そうか、ジョゼフも同じように考えて俺の正体を見破ったのか……)


 今思えば脇が甘い。

 パリでの偽名はレジーナ達が覚えやすいようにと”ノルド”を使ったのが不味かった。

 そこから一本の細い線を辿り、正体へとたどり着かれてしまった。


 推測に推測を重ねた暴論だと跳ね除ける事は簡単だ。

 しかし、なぜかそうするつもりにはなれなかった。


「何が望みだ」


 自分が魔神だと白状したようなものだ。

 だが、それ以上に目の前の少年を手に入れたいとも思ってしまう。

 何か欲しい物があるから、ゾルドのもとを訪ねて来たのだ。

 それならば、ラインハルトの望みを叶え、味方に引き入れようと考えていた。

 教会に売り渡し、その報酬を得ようとしなかった事も高く評価している。


「孤児院を作ってください」

「はぁ?」


”金””権力””女”のどれでもない。

 孤児院が欲しいという要求に、ゾルドは間の抜けた声が出る。


「そんなもの、俺に頼まなくても良いじゃないか」


 ゾルドの疑問に、ラインハルトは首を振る。


「国も、教会も、商会も……、誰も助けてくれませんでした。でも、手を差し伸べてくれたあなたなら……。お願いします!」


(そりゃ、薄汚いガキなんてわざわざ助け……。そうか!)


 ゾルドは”薄汚いガキ”で、商会前にいた浮浪児の事を思い出した。


「お前は孤児を使って情報を集めているんだな?」

「そうです。ベルシュタイン商会を見張っていた子に、お金を恵んでくれましたよね? あの子達を助けられる力を持っていて、実際に助けてくれそうなのは、ゾルド様しかいないんです!」


 ラインハルトは、ゾルドの靴を舐めんばかりに深く頭を下げる。

 どうやら、様子のおかしい浮浪児の反応を見るために、1,000エーロをやった事が影響しているらしい。

 あれで”魔神ゾルドは、本当は良い人かもしれない”と誤解したようだ。


「しかし、孤児院を作ったら、情報が入らなくなるんじゃないか?」


 ゾルドの心配も当然だ。

 誰もが素通りし、薄汚く、目も向ける事のない浮浪児。

 まさか、その存在感の無さを利用し、浮浪児によるスパイ網と作っているとは思いもしなかった。

 だが、孤児院を作り、こざっぱりとすれば人目に付くようになってしまう。

 せっかくのスパイ網が台無しだ。


「今はもう大丈夫です。弱みを握った大人から情報を得られるようになりましたから」


 ラインハルトは、以下のように説明した。


 最初は子供達が情報を集め、その情報をもとに大人達の弱みを握った。

 浮気や盗み、そういった弱みを握られた大人たちが、ドンドンと犠牲者を増やしていったそうだ。

 自分達の弱みを暴露されないようするため、同僚や近所の住民の弱みを売る。

 そして、弱みを売られた者達が、さらに誰かの情報を売る。


 ――人の足を引っ張る、負のスパイラル。


 今となっては組織に属する者は、浮浪児よりも大人達の方が多いらしい。

 初期の辛い時期を共に乗り越えた浮浪児達に、安心して休める居場所を作ってやりたいそうだ。


「そうか。では、お前はどうする?」


 ラインハルトは一度深呼吸をする。

 悩んでいるのだ。

 彼だって、ゆっくりと休みたい。

 だが、ゾルドに要求した立場だけに、そんな事は言えない。


 ゾルドはそんなラインハルトの逡巡を見破った。

 何と言っても、自分自身が”休みたい”という内なる声と戦い続けている。

 きっと、ラインハルトもそう思っていると何となく感じ取れたのだ。


「しばらくは孤児院で一緒に居てやったらどうだ」


 その言葉に、ラインハルトは驚いた顔をした。

 きっと馬車馬の如く働かされると思っていたからだ。


「……良いんですか?」

「もちろんだ。ただ、その間も組織の維持くらいはやってくれよ」


 嘘偽りの無い言葉。

 ラインハルトは、そう受け取った。

 もちろん、ゾルドも嘘を言っているつもりはない。


 ラインハルトはかけがえのない人材だ。

 情報屋という面ではジョゼフもいる。

 だが、どうしても”協力者”という色合いが強い。

 身近なところで使える”部下”が欲しかった。

 そのためならば、少しくらい時間を与えてやってもいい。


 人間は第一印象が大切だ。

 だから、ラインハルトは”ゾルドは良い人だ”と思って訪ねて来た。

 もう一度、良い人だと印象付けてやれば、忠実な忠犬になってくれるだろう。


 利益がある事とはいえ、善行はゾルドに苦痛を与える。

 まるで便器の中に携帯電話でも落としたかのようにだ。

 必要な物だとはわかっているが、手を突っ込みたいとは思わない。

 しかし、顧客の情報が入っているので、回収しないわけにはいかない。

 必要だと思っていても、人のために動くというのは心の底から嫌な気分になった。


「ただし、孤児院の設立に動くのはベルシュタイン商会の問題が終わってからだ。その時にまた来てほしい」

「はい、それで結構です」


 ラインハルトは物分かりが良い。

 ここで駄々をこねられても困るだけだ。

 神への誓約書にも、正体をバラさないとも大人しく書いてくれた。 


 ゾルドはジョゼフを100%信用しているわけではない。

 ゾルドに感謝しているのは確かだろう。

 だが”恩を返す”というのと”正体を話さない”と書かれていただけだ。

”絶対に裏切りません”とは書かれていない。


 必要な時に恩は返すし、正体も話さない。

 しかし、それ以外はどうなるかわからないのだ。

 そもそも、テオドールやラウルと違い、目の前で誓約書に書いてもらったわけではない。

 極端な話、別のジョゼフという男に書かせた可能性もある。


 それならば、万が一に備えて自前の情報組織を持っておいた方が良い。

 偽の情報に踊らされる前に、その情報の真偽を確かめる事ができる。

 そのために必要な孤児院の一つや二つは安い物だ。


(そうだ、ラインハルト。俺は優しい)


 意味も無く使い潰したりはしない。

 それは、使い潰す意味のある時は容赦しないという事。


 使える手駒が増えた事を、ゾルドは純粋に喜んでいた。

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