37
マリーと遭遇後、ローゼマリーが狼狽していた。
自分のせいで、俊夫がマリーに対してあんな事を言ってしまったと思っていたからだ。
「申し訳ございません。私のせいでゾルド様にご迷惑を……」
「いいんだよ、ローゼマリー」
(この国しかないわけじゃない。プローインとかいう国もある。そちらと友好的な関係を築けばいい)
俊夫はすでに新しい国に思いを馳せていた。
失敗した国にこだわっていても時間の無駄だ。
今まで俊夫が詐欺にかけてきたように、交渉に失敗したら引きずったりせずに新しい場所へ向かう。
それが契約数を稼ぐ基本だ。
いつまでもくよくよしていても、何も変わらない。
行動あるのみだ。
「細かい事は気にしなくていいだろう。まぁ、なんとかなるさ」
俊夫の言葉に、ローゼマリーは呆気に取られたような顔をする。
「ゾルド様はとても胆力がある方なんですね」
そういって、ローゼマリーはクスリと笑った。
しかし、胆力があるというよりも、考える事を放棄しているだけだ。
その事は褒められたものではない。
二人は気を取り直して、美術館での鑑賞を楽しんだ。
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問題は帰る時に起こった。
久しぶりに美術館に来たローゼマリーが楽しそうにしていたので、俊夫もそれに付き合ってゆっくり鑑賞していた。
俊夫が、ふと腕時計を見ると昼を大分過ぎている事に気付いた。
そこで昼食にしようと俊夫が提案して美術館を出た時、派手な出迎えがいた。
「そちらの方、一緒に来て頂けますか」
先ほどマリーと共にいた護衛の1人がいた。
20人ほどの兵士を連れて、美術館の前で俊夫が出てくるまで待っていたようだ。
ご丁寧に馬車まで用意している。
「殿下からランチのお誘いかな?」
笑みを浮かべる俊夫に、ローゼマリーは顔を青ざめさせて首を振る。
ランチのお誘いなどではない事は、マリーとの別れ方でわかっているはずだった。
「呼び出されているのはあなただけです、ゾルドさん。それとランチのお誘いではありません」
俊夫は名前を呼ばれた事に驚いた。
館内を回っている間に、ホテルに確認を取っていたのだろう。
「そうか、それは残念だな。ローゼマリー、先にホテルに戻っておいてくれ」
「ゾルド様、大丈夫ですか……」
心配そうな顔をするローゼマリーに、俊夫は優しく微笑みかける。
「大丈夫だ。昼食は先に食べておいてくれ。夕食は一緒に食べよう」
俊夫は待たせていた馬車にローゼマリーを乗せると、ホテルへと向かわせた。
そして俊夫は用意されていた馬車に乗る。
対面にはマリーの護衛が座り、逃げないように監視していた。
「良い度胸していますね。この後どうなるのか不安なのでは?」
「殺すつもりなら、もう殺してるだろ。少なくとも、呼び出した者は話をしようとしているはずだ。それが死刑宣告だとしてもな」
護衛は俊夫の肝の据わり方に圧倒され、思わず唾を呑み込む。
なぜ、ここまで俊夫が堂々としているのか。
それは神教騎士団の指輪の存在が大きかった。
俊夫は使える物はなんでも使う。
それが、敵対組織の権威であろうとも。
俊夫はそっと、指輪が入っているローブの内ポケットのある辺りを押さえる。
そう、ローブの内ポケットに指輪が入っている。
そしてローブはホテルのクローゼットの中だ。
(あっ、ヤベッ)
俊夫は心の中で慌てふためく。
「身分を証明する物をホテルに置いてきたんだが、一度ホテルに寄ってくれるか?」
「大体の事はわかっていますので、大丈夫ですよ」
(こっちが大丈夫じゃねぇんだよ!)
表面上は変わりがない。
しかし、その内面は先程の言葉とは打って変わり、刑場へ運ばれる死刑囚の気分だった。
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連れて来られた場所は、城にある庭園だった。
俊夫を連れてきた男が道中にした説明では、これは非公式での面会となる。
だから、城の中の応接室などではなく、庭園で偶然出会ったという形式にしているそうだ。
俊夫を裁くだけならば、こんな面倒な事をしなくてもいい。
(お小言だよな? 生意気な事言いやがってとか、そういう内容であってくれ)
手元に切り札が無い俊夫は弱気になっていた。
単純な力なら、負けるつもりはない。
だが、首都の城に配備されている兵士だ。
オストブルク内での精鋭が配備されているだろう。
戦闘の得意な者が大勢いる事を考えれば、逃げる前に殺されるかもしれないと心配してしまう。
それでも、精一杯の見栄を張って怯えを隠していた。
怯えているという事を相手に知られると、交渉をするにあたり不利になるからだ。
「お連れしました」
たどり着いた先は、庭園で少し背の高い生垣に囲まれた場所だった。
そこにあるテーブルに、2人の人間が座って待っていた。
1人はマリー。
もう1人はマリーとよく似た顔付きの年配の女性だ。
おそらく母親だろう。
食後のティータイムだろうか、2人は優雅に紅茶を楽しんでいた。
――俊夫が来るまでは。
マリーは俊夫の姿を見ると、椅子から勢いよく立ち上がり何かを言おうとするが、それを母親が落ち着かせて、また椅子に座らせた。
「マリア皇后陛下とマリー皇女殿下です」
俊夫の耳に、護衛がそっと耳打ちする。
つまり、目上の相手だから挨拶しろという事だ。
「お初にお目にかかります。ゾルドと申します。何分にも冒険者でございますので、無礼な振る舞いが御座いますでしょうが、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
以前、ヒスパンでマヌエルと会った時のように、先に無礼を働いた時の予防線を張る。
「本当に失礼な人よね!」
だが、それはマリーに取っては逆効果だったようだ。
すでに無礼な振る舞いをされているマリーからすれば、何をいまさらという気分だろう。
それに対して、皇后マリアは笑みを張りつかせたままだ。
他の感情を見せない事が不気味に思えた。
「さぁ、お掛けになって」
マリアの言葉に合わせて、マリアの正面の椅子を執事が引く。
そして俊夫がその席に座ると、メイドが紅茶を注いでくれる。
(何が狙いだ?)
俊夫からすれば、この状況は不可解だ。
呼び出して罵声を浴びせかけ、鞭打つ。
それくらいの事はしてくると思っていたのだ。
客人を招いたかのような対応に、俊夫は戸惑う。
「あなた、ゾルドっていうのね」
「はい、そうです」
「美術館でマリーに失礼な事を言ってくれたそうね」
「皇女殿下とは知らず、失礼な事を申したと慚愧の念に堪えません」
そこでマリアはジッと俊夫の目を見る。
交渉事で目を逸らすのはあまりよろしくない。
俊夫は申し訳なさそうな顔をしたまま、見つめ返す。
「何か理由はあったの?」
「殿下が私の連れに”魅力が無い””体で男を釣る”と侮辱なされましたので、ついムキになってしまいました。皇女殿下とは知らなかったとはいえ、女性に言うべき事ではありませんでした」
「マリー、本当の事なの?」
「だ、だってあれはローゼマリーが――」
「マリー」
「ごめんなさい、お母さま」
マリアの視線に負け、マリーが謝罪する。
だが、マリアはそれに満足するというよりも、安堵の表情を浮かべた。
「そう、そういう事なら良かったわ。ゾルド、あなたには他の意図はなかったのね」
「他の意図とは?」
「マリーを挑発する事をきっかけに、ガリア王家との婚姻を妨げようとするとか」
「滅相も無い」
大きく首を左右に振り、そんな恐れ多い事考えていないということを示す。
俊夫は、ただ”ブサイクが生意気な事を”と思っただけだ。
国家間の婚姻問題なんて知るはずもなかった。
「では、ローマは関係ないの?」
「ローマですか?」
マリアの言葉が、俊夫は理解出来なかった。
「あなたはローマの関係者なのでしょう?」
「さて、何のことでしょうか」
マリアは何を言っているのか。
俊夫にはさっぱり意味不明だった。
ここでローマが出てくる理由がわからない。
「最近ミラノ公国でクラーケンが現れたそうね」
「みたいですね」
「大きなクラーケンで、オストブルクでもその素材を買い取ったわ。そして、クラーケンを倒した人物の情報もね」
そこでマリアは一口、紅茶を口に含んだ。
「クラーケンを倒したのは、魔神信奉者のような恰好をした男。そして、事件発生から2週間ほどしてからウィーンに、その魔神信奉者のような恰好をした男が現れた。ミラノから来るにしては遅い。事後処理で時間がかかったのかしら?」
「何の事でしょう?」
俊夫はクラーケンを倒した事など覚えていない。
そして1週間ほど眠っていた事も。
マリアが何を言いたいのか、様子を見る事しかできなかった。
「とぼけるのね。でも、あなたの事は大体わかっているのよ」
「何をでしょうか?」
「ポート・ガ・ルーで最初に魔神発見の報告をしたのは、あなたよね。姿恰好と名前の一致がしているわ」
この時、俊夫はピクリと体が反応し、動揺が表れてしまった。
それを見て、マリアは満足そうに続ける。
「そしてヒスパン。あの国はオストブルクと緊密な縁戚関係にあって、フアン王子の婚姻問題にも深い関心があってね。アサーニャとモラ、双方に監視をしていたのだけど、アサーニャ側のホセという男と接触したわよね。そこからアサーニャと面会もしている」
(アサーニャって誰だっけ)
俊夫は真剣に思い出そうと考える。
マヌエルと言われれば思い出せたかもしれないが、一度会っただけのNPCのフルネームなど覚えていない。
だが、話の流れ的に”覚えてません”というのはマズイ気がする。
どうしようかと迷い、考え込んでいる俊夫の姿が”やはり、この事は事実なのだ”とマリアに勘違いさせた。
「そしてその後、船でローマへ。10年もの間、歴史の表舞台に立たなかったのに、なんでクラーケンが現れた時に出てきたの?」
”海底に沈んでいました”
例え俊夫が沈んでいた事を覚えていても、そんな事は言わなかっただろう。
誰も信じないからだ。
”ロードが終わったら、10年後でした”というのも無理だ。
それはユーザー側の都合で、NPCには関係ない。
とはいえ、俊夫も何か言わないといけないような気がしている。
だが、マリアが何を聞きたいのかイマイチわからない。
マリアが何かを警戒しているようにも思える。
適当な事を言ってお茶を濁そうとしても、それが逆鱗に触れては意味がない。
今は苦笑を浮かべ、肩をすくめるだけしかできないのだ。
「魔神を発見し、要人に接触するあなたは一体何者なの?」
「……一介の冒険者ですよ」
魔神ですと素直に白状して、味方に付いてくれとお願いできればどれだけ楽だろうか。
当然ながら、そんな事はできない。
冒険者だと言うのが精いっぱいだ。
俊夫は紅茶を一口飲む。
ここが警察署の取調室じゃなくて良かったと、俊夫は思った。
以前、俊夫が取り調べを受けた際に――
”白状する前の奴に飲ませるお茶は無い。お茶と一緒に、吐きそうになっている言葉を飲み込んでしまうからな”
――という無茶苦茶な論理で飲み物を貰えなかった。
それに比べて、ここは良い。
暖かい日差しの下、柔らかい香りの紅茶を飲めるのだ。
こんな状況で無ければ、景色を眺めながら楽しんでいただろう。
「嘘ね。本当に一介の冒険者なら、ミラノ公王直筆の身分証明書なんて貰えない。――あなた、神教庁の関係者でしょ。それも、噂になっている魔神探索の任務に就いているという騎士団員」
「えぇぇぇ」
マリアの言葉にマリーが驚きの声をあげる。
周囲の執事やメイドといった者達も、驚きは隠せない。
話の邪魔をしないように声を上げないところを見ると、よく訓練されているようだ。
このマリアの問いのお陰で、俊夫の疑問は溶けた。
(なんだ、宗教関係者だと思っていたのか。深読みし過ぎだろ、このババア)
神教庁の関係者だと思われたから、こうして無事にテーブルに付けている。
おそらくさまざまな情報を集めて精査する内に、勘違いしてしまったのだろう。
俊夫が使っていた”魔神探索をしている神教騎士団員”という嘘も、どこからか混ざっているようだ。
今まで積み重ねてきた嘘が、ここで役に立つとは思わなかった。
マリアが勘違いしているとわかったので、俊夫は安心した。
理由もなく、客人のような扱いをされている方が落ち着かないのだ。
「答えられる立場ではありません」
俊夫は、わざとこう答えた。
肯定するのでも、否定するのでもない。
問いに答えられないという、ヒントを与える。
物事を深読みするような相手には、これで十分効果的だ。
「そう、否定はしないのね」
「ッッッ!?」
マリアの言葉に俊夫は”しまった!”という表情をした。
当然ながら、これは演技だ。
しかし、それがマリアの考えに確信を持たせる。
図星を突かれた時のような反応を見せて”やはりそうなのだ”と思わせた。
これらの演技は、俊夫が営業マンとして働いている時に身に付けた。
相手が”やっぱり、そうなんだ”と思いたい方向へと、思考を誘導する。
この演技のお陰で大分稼がせてもらった。
芸は身を助けるというやつだ。
「でも、なんで今ウィーンに来たの? 婚姻の邪魔をしに来たんじゃないならば、そこのところを教えて欲しいのだけれど」
マリアの問いに、俊夫はしかめっ面をする。
そして、渋々といった感じで話し始めた。
「そこの君、名前は」
「私ですか? クルトと申します」
俊夫は近くにいた騎士に名を聞いた。
周囲の者達は、何を始めるのかと様子を見守る。
「そうか。では、クルト。少し目を瞑って想像して欲しい」
「はっ」
「今、君は王宮で騎士として働いている。それはとても名誉な事だ。では、配属先が変更されたらどうだろう」
クルトは目を閉じたまま、軽く首を傾げる。
「下町で小さな魔物が発見された。しかも、それは非常に危険な魔物だ。君は一人でその魔物を探しだせと下町に送り出された。ここまででどう思う」
「私ならやれると信じて送り出された事を、誇りに思います」
そうクルトが胸を張って答えたのを確認すると、そうだなと呟き俊夫は続ける。
「だが、その魔物はどこにいるのかわからない。魔物を探すために下町のドブをさらい、泥に塗れ安宿で暮らす毎日。それが何年も続く。それも、いつ終わるのかもしれないままに。そんな状態に君は耐えられるか?」
「わかりません。ですが、重要な任務であれば成し遂げるまで諦めません」
「そうだな。だが、休みもなく毎日続けるという事はとても大変だ。泥を洗い落とし、正装して良いホテルに泊まる。そして美女に囲まれて、世俗の垢を落としたくなる。たまの休みくらいは遊びたい、そう思わないか?」
「まぁ、少しは……」
俊夫は魔神の捜索をドブさらいに例えた。
世間一般の魔神に対する感情を考えれば、それくらいした方が良いだろうと思ったからだ。
俊夫とクルトのやり取りを見て、マリアは俊夫に問う。
「つまり、あなたは魔神探索の任務という重責に疲れて、ウィーンには休暇で来ていた。そして気に入った女の子がマリーにコケにされたから、つい罵倒してしまったと?」
「魔神探索に関しては何の事だかわかりませんが、皇女殿下に関してはそうですね」
「そう、仕方ないわね。あなたもそれに関しては明言できないでしょうから」
マリアは喋りながら席を立ち、俊夫の横に歩いてきた。
そして、俊夫の頬に痛烈なビンタを叩きこんだ。
戦闘モードではないので、普通に痛い。
(このババア!)
とっさに殴り返そうかと思うが、ここは我慢する。
今はまだその時ではない。
「神教庁と事を構える気はありません。ただ、一人の母として許せません。今のは甘んじて受け取って頂戴」
「こちらもハメを外し過ぎたようです。誠に申し訳ございませんでした」
俊夫は心の籠っていない形だけの謝罪をする。
心の中では申し訳ないという気持ちよりも、やっと終わったという安堵感の方が大きい。
(この国はダメだな。早めにプローインとかいう国に行こう)
俊夫はこの国に見切りをつけた。
俊夫の事を神教庁関係者だと思うのはいい。
それは今まで俊夫が利用していた事だ。
だが、そのために追求が緩くなるのは論外だ。
そんな詰めの甘い奴を味方にすれば、共倒れになりかねない。
魔神の味方といえば、反社会的な側だ。
警戒は最大限にしなければならない。
こんなヌルイ相手ではなく、もっと信頼できる相手を見つける事が先決だ。
「下がってよろしい」
「それでは、失礼致します」
下がって良いと言われたのだ。
長居する理由は無い以上、早々に退席するのがいい。
もう、この国で無理に説得しようとしなくてもいいのだ。
エーロピアンで1、2を争う大国を、つまらぬ理由で説得が失敗したのは残念だった。
だが、それでくよくよしている暇はない。
次の選択肢があるのならば、そちらに向かうだけだ。
俊夫は大人しくその場を離れ、ホテルへと戻った。
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「よくご無事で」
ロビーで待っていたローゼマリーが俊夫に飛びついてきた。
「ゾルド様、私のせいでご迷惑を……」
「そんな事は無いさ。俺が悪かったんだ。つい、ムキになってあんな事を言ってしまった」
「でも――」
私が悪いと言いそうだったローゼマリーの口を、俊夫自身の口で塞ぐ。
自分に好意を抱いてくれている女を黙らせるには、これが手っ取り早い。
キスをされたローゼマリーは、突然の事に硬直していた。
だが、嫌がる素振りは見せずに、俊夫に身を任せている。
しばらくして、ローゼマリーが静かになったと判断した俊夫は口を離すと、顔を真っ赤にしたローゼマリーが俊夫に聞く。
「本当に……、私が可愛いと思いますか?」
「思うさ。そうじゃなかったら、キスなんてしないよ」
「でも私、今までそんな事言われたことないから」
まだ、後ろ向きな事を言うローゼマリーを、俊夫はお姫様抱っこで抱き上げる。
「本気で可愛いと思っている事を理解してくれないのは悲しいな。そんな物分かりの悪い子には、ベッドの上でしっかりと教えてあげよう」
「えっ、えっ」
俊夫はローゼマリーを抱き上げたまま、部屋へと続くリフトへと向かう。
まだ昼過ぎ、女を連れ込むには早い時間だ。
だが、俊夫は吹っ切れた。
開き直ったと言ってもいい。
ほんの少しの躓きで計算が狂ってしまった。
今の状況で、人の良い金持ちの演技なんてやっている気分にはなれない。
ストレスは発散するものだ。
金を使ってまで溜め込むものじゃない。
この日から10日目まで人生を楽しむ事を優先し、俊夫はホテルを出る事は無かった。