第86話「救えない男」
「き、貴様探索者だな...!ならば...!」
腐っても大企業の元会長というべきか、フリーズしていたのも少しだけでそのまま正面のドアを開けようとする。
「させないよ、土壁」
しかし、それをされては困るので魔法でドアの部分を土魔法で塞ぐ。
「クソが...!いやまだじゃ、まだ...」
「だからやらせないよ、こっちはお前らを潰すためにこれをやってるんだ」
追い詰められた権六は懐からスマホのような機械を取り出す。
人を呼べるのか詳しいことはわからないが、変なことされても困るので修哉は一気に近づいて権六から機械を奪い取る。
修哉は奪い取った機械を眺める。
(シンプルにボタンだけがあるな...押したら他に連絡でもいく仕組みか?)
「おい貴様、それを返せ...!」
眺めている間にも権六が機械を取り戻そうと近づいてくる。
修哉は一通り眺め切ったあと、機械を思いっきり握りつぶす。
ステータスによって強化された修哉のパワーはいとも簡単に機械を砕く。
「な......バカな、銃弾を撃ち込んでも砕けなかった優れものだぞ...!?貴様本当に何者だ、お前ほどの実力のやつがなぜ今まで隠れていた!」
権六は不自然な修哉の力に気づいたのかそう捲し立てる。
(やっぱりこういうのをすぐに分析ができるってことはちゃんと有能ではあるんだろうなぁ....正直誘拐なんて安易な手に頼ってる時点でダメだけど)
「お前の誘拐などのことは音声などで記録している。何をしようともう詰みだ」
最後通告として修哉はそう述べる。
「....狙っていたのか、結局のところ貴様と藤原の小僧の手のひらで踊らされているに過ぎなかったのか....」
権六は事実を悟ってだらりとうなだれる。
修哉は拘束しようとゆっくりと近づいていった。
すると力を抜いていた権六が懐から何かを取り出し、それの引き金を引いた。
バンッ!!!
部屋に発砲音が響き渡る。
「ふ、ふははは!!!力のある探索者と言っても所詮は高校生、銃には耐え...」
「....やっぱり」
銃弾と部屋の床がぶつかって音が鳴る。
発砲された銃弾は修哉によって弾かれていた。
「は、はは...バカな...」
「もういいわ、何かしてくるとは思ってたけどまさかここまでするとは思わなかった」
「ま、待て...ガッ...!」
修哉によって権六の意識は落とされる。
修哉は権六を引きずりながら魔法を解除して、部屋を出ていったのであった。
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