第79話「学校でのひととき」
修哉と陽菜は少し時間をおいてそれぞれ登校した。
健二には突然会ったのもあって伝えてしまったが、不特定多数の人々に修哉と陽菜の関係を見せるのは少し危険がある。
そう考えた結果、修哉と陽菜はそれぞれ別のタイミングで登校して、一度そのまま別れた。
そして修哉は健二が何か言いたそうにしているのを無視しながら何食わぬ顔で授業を受けたのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
休み時間になり、健二が修哉の目の前にやってくる。
「どうした、健二?」
「....聞きたいことがある」
(まぁそりゃそうだろうな)
無言で修哉は妙に剣幕の入った健二を人気があまりないところへ連れていく。
健二を椅子に座らせて、その隣に座る。
「...それで聞きたいことって?」
修哉がそう言った瞬間、弾けたように健二が喋り始める。
「数日お前を見ていないと思ったら、藤原家のお嬢様で学園のマドンナの藤原陽菜さんと付き合い始めてる。一体どういうことだよ?何か使ったのか?」
「んなもん使うわけないだろう。一応2人で合意した上で交際し始めたんだ」
「....それで納得するとでも?」
修哉がそう答えるが、健二は納得していないようだった。
「おかしいだろ!数日前まで俺と同じで彼女なしだった、お前が学校1の美人と付き合うなんて....羨ま...けしからん!」
健二のその言葉に苦笑する。
「やっぱ本音はそれだよな、それでこそ健二だよ」
「それにしてもやっぱりおかしいだろ!お前の顔って正直...」
健二が何か言おうとした瞬間、聞き覚えのある声が響き渡る。
「修哉さんの顔がどうかしましたか?」
その声を聞いて修哉と健二は前を見る。
目の前にはやけにニコニコした顔をした陽菜が立っていた。
「谷原さん、修哉さんの顔がどうかしましたか?」
そしてその顔のままそう尋ねる。
「いや....よく見てみると...そこそこいいじゃんって言おうと思って...」
「そうですか、それだけ聞ければ十分です。私も都合があるのでまた....修哉さんもあとで会いましょう!」
それだけ言うと陽菜はどこかへと去っていった。
2人の間にしばらく微妙な雰囲気が訪れる。
「....ごめん、俺が悪かった。お前も大変なんだな」
「うんまぁ、わかってくれたんならそれでいいよ」
その後、修哉と健二は何気ない話をしたあと、2人で教室に戻っていったのであった。
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