第76話「長き戦いの終わり」
修哉と陽菜は骸骨の話を聞き続けていた。
『お主たちが生まれ育ってきたこの地球という星、それをやつは見つけた』
『やつの興味の対象は地球に移り、前の世界に対する興味が失われたやつはダンジョンごと地球に移す方法を確立したあと、ダンジョンのモンスターを使って世界を滅ぼした』
『そして今、やつはダンジョンの最奥にて人間を観察している。自分の愉悦のためにな』
骸骨は一度そこで言葉を切った。
「一つ聞きたいんだが...それなら今の会話も聞かれているんじゃないのか?」
骸骨は世界を滅ぼそうとしている奴がダンジョンの中を監視しているといった、しかしならば今の会話も盗み聞きされているのではと考えた修哉は骸骨にそう問いかける。
『案ずることはない、ダンジョンの監視はボスの死亡後から部屋を出るまで途切れる。我はしゃべっているからまだ生きているように見えるが、実際は我は死んでいる。これは我がボスと成り果ててから編み出した技術じゃ』
『....さて、あまり時間もなくなってきた。最後に赤城修哉、お主に伝えるべきことがある』
先ほどまでゆったりとした雰囲気をしていた骸骨が突如真面目な感じに変わり、修哉は身構える。
「....何かあるのか?」
『あぁ、そうだとも。...お主の能力、普通のものに比べて何かおかしいとは思わなかったか?』
「...いやでも、それをいうんだったら陽菜さんとかの能力も特別じゃないのか?」
骸骨の言葉に修哉は少し考えてみて確かに他のものとは違う感じであるが、修哉だけが特別ではないだろうと反論する。
『そういうことではない、本来手に入るはずのないスキルを手に入れられる。違和感を感じなかったか?そもそもお主が保管しているそのアイテムはどこから来ている?』
骸骨の問いに修哉はなんとか言い返す。
「そ、それにしても偽の万札が出て来たりするのはおかしいだろ!いくらなんでもお前のいう別世界にそんなのがあるわけないじゃないか!」
『一応言っておくが....あの世界にも紙の紙幣はあった。お主はちゃんと紙幣の見た目を確認したか?』
修哉は景品倉庫から偽の万札を出現させる。
その紙幣には知らない人の顔と絵柄がプリントされていた。
『ダンジョンがあるということで勘違いしたかもしれんが、あの世界もきちんと高度な文明があった、我が国でもペットボトルなどのものは利用していたからの』
修哉は何か口に出そうとして...骸骨の頭が崩れ始めていることに気づく。
『おっと、もうあまり時間がないようだな。....リミットはわかっているはず、それまでに2人での生活でも楽しめばいい。どちらにせよ進展があるのは最後の階層、我は情報を与えるのみ』
崩れゆく骸骨はそう言って笑う。
「おいちょっと待て...!まだ話したいことが...!」
『残念じゃが、もう面会時間は終わり。ま、せいぜい頑張るんじゃな』
修哉は必死に止めようとするが、方法はなく、骸骨の頭は崩れ去り、残ったのは魔石だけだった。
散々修哉を掻き回した骸骨は多くの謎を残したまま、消え去ったのであった。
これにて4章は終了となります。このあと閑話と登場人物紹介を挟んだあと、5章に入ります。引き続きこの作品をよろしくお願いします。
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