第73話「一騎討ち」
修哉は鎧を失って、身につけているのは剣一つとなったルトインと向かい合っていた。
修哉は鎧を破壊した時点で弱点に向かって追撃することも考えていたが、敵が何を起こすかわからなかったため、一度距離を取っていた。
ルトインは無言で立っている。
しばらくこう着状態が続き、気づけば骸骨や陽菜も黙ってこちらの方を見ていた。
そこから少したって、動かない状態に痺れを切らした修哉が攻撃を再開しようとした時だった。
「我が鎧を破壊するとは....それも力押しではない方法で」
突如、今まで無言だったルトインが喋り始め、修哉は動きが止まった。
「力、知恵。どちらにおいても申し分なし。なればこそ、我が奥義を受けるにふさわしく。受けてみよ、我が『滅剣』を」
そう言うとルトインの剣に何かわからない、しかし圧倒的な気配が纏い始める。
(.....『滅剣』ってなんだ?いや、何かわからないけどこれを受けたらヤバいってのはわかる)
修哉はただならぬ気配に冷や汗をかきながら対処するための方法を必死で考える。
「....主が数多の配下の中で我を呼び出したことは多くなく。この一撃に耐えられるか耐えられないかは別としてお主たちが強いことは確たる事実である」
(本当にあいつは何を言っているんだ?あの骸骨の国王っていうやつもまさか本当だったりするのか?)
しかし、ルトインの口から修哉に取って気になる情報が漏れて、思考が妨げられる。
(あぁもう!細かいことを考えるのはヤメ!こうなったら真っ向からやってやるよ!)
修哉は攻撃を真っ向から挑む覚悟を決める。
「あんたが何を言いたいのかは知らないけど、ここで終わるわけにはいかないからな。こっちも本気でやるよ」
修哉はミスリルの剣にまた炎を纏わせる。
(俺が今使える一番強い魔法、獄炎....これを剣に纏わせる)
修哉の剣の炎が赤色から黒に変わる。
「グッ...これは....キツいな...」
修哉は凄まじいパワーに苦悶の表情を浮かべながら制御をする。
「凄まじき力...やはり間違いではなかった」
どうやら向こうも準備が終わったらしい。
「ハァァァァァ!!!」
「ウォォォォォ!!!!」
お互いが全力の叫びをあげて、修哉とルトインの技が衝突する。
(....どうだ!?)
二つは少しの間拮抗する。
そして、修哉の技がルトインの技を打ち破った。
修哉の少し勢いの弱まった炎がルトインに直撃する。
修哉と他の2人はそれを黙って見ていた。
しばらくして煙が晴れて、ルトインが現れる。
「......見事」
それだけ言うと胸の核が砕け、骨の体は力を失って崩れ落ちる。
短く、しかし濃密だった戦いの時間が終わりを告げた。
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