第35話「強制」
「知らない天井だ」
目が覚めると知らない場所にいた。
一瞬戸惑ったが、すぐに藤原家の屋敷に泊まらせてもらうことになったのを思い出した。
「安全のためとはいえ....やっぱりやめたほうが良かったんじゃないか?」
修哉はその時のことを思い出していた。
◇ ◇ ◇ ◇
グレタに救出された修哉は修哉が監禁されていたビルの前で待機していた藤原家の者たちに乗せられて行長の元に向かっていた。
グレタは「報酬は受け取ってるし、こいつを引き渡して日本観光でも行ってくるわ!」と言って安藤を掴んでどこかへ去っていった。
屋敷に着くとまず行長の方に通された。
「よく無事でいてくれた、修哉くん。娘がだいぶ心配していたのでね、何もなくて良かったよ」
「連れて行かれたときは何が何だか分かりませんでしたけど...とりあえずは大丈夫でした」
「この件であの男はSランク探索者としての資格を失うことになるだろう。ただ、逃げ出して君に報復する可能性がある。そこでなのだが、しばらくこちらで生活するのはどうだろう?」
行長は驚きの提案をしてきた。
「えっ!?....いや、そんなことできませんよ。そんなわざわざ報復に出ることもないだろうし、何より居候なんて申し訳ないですよ」
修哉は断ろうした。
「.....君はそういうと思ったよ、というかそれが当たり前だろう。だが、これは君のためなんだ。どうか受けてくれないか」
だが、行長が頭を下げたのを見て断れなくなった。
(どうしよう、こんなことされて断るのはもうダメじゃん)
「....分かりました。それではここで生活させていただきます」
迷惑をかけたくなかったので断りたかったが、渋々受け入れた。
「ありがとう、学校についてはしばらくここから通うことになるがいいだろうか?」
「はい、でも家族には連絡をしないと....」
「それはこの話が終わったら電話をかけてくれ、こちらからはすでに連絡しているから」
「荷物は....」
「すでに運べるように準備してある、ダンジョンに行きたい時もボディーガードが見守る状態にはなるが、行けるから安心してくれ」
「ありがとうございます」
何もかもが準備されており、もはや逃げる余地などなかった。
「しばらくよろしくお願いします...」
こうして修哉は藤原家で生活することになったのであった。
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