第21話「これからの話」
リムジンは一時間ほど走り続けた。
山間部の道路を抜けると恐ろしく大きな屋敷が現れた。
(こんな場所にこんなところがあったのか...)
リムジンは門をくぐり、建物のドアで止まる。
「着きました、お降りください」
男の言う通りにリムジンを降りる。
「それでは行長様のところに連れて行きます。はぐれないようにしてください」
男はそう言うと建物のドアを開け、歩き始めた。
修哉は慌てて追いかける。
男の後ろをしばらく歩いていると男が止まった。
「この部屋で行長様がお待ちです、くれぐれもご失礼のないように」
それだけ言うと男は去っていった。
(さっきから行長様って言ってるけど...つまりそういうことだよな?)
修哉はおそるおそるドアを開ける。
中は執務室のようになっており、その奥の椅子に一人が座っていた。
「ようこそ、修哉くん。私は藤原グループ社長、藤原行長だ。待っていたよ、まずはこの椅子に座りたまえ」
修哉は行長の言うことに従う。
「まずは我が娘のことを救ってくれたことに感謝する」
その男は修哉に向かって頭を下げる。
修哉は慌てる。
「ちょっ!待ってください、俺は人として当たり前のことをしただけです!頼みますからそんな頭下げないでください!」
(なんで親子でどっちも大袈裟なんだよ!頼むから地位のある人間がそんなポンポン謝罪とかしないでくれ!)
なんとか謝罪を止めさせようと修哉はこう言った。
行長は頭をあげた。
「君には何度感謝しても足りないんだ。もし娘が死んでいたと思うと....寒気がする」
そしてそう言った。
「君には何かしてやりたいんだが.....今の時代、そんな簡単に礼を出せなくてね。代わりにといってもなんだが、ダンジョンで手に入った魔石などを協会で買い取る値段の5倍で買い取るのはどうだい?」
その提案に修哉は目が飛び出そうになった。
(5、5倍!?それってゴブリンだけでも1500円ってこと!?)
「も、もちろん....むしろそれは条件が良すぎるというか...」
修哉は行長の提案にそう答える。
「いやいや、もっと値段をあげてもいいぐらいなんだよ。ほとんどは協会が独占するからね、そういうダンジョン産のものはほぼこちらに入ってこない。だから協会が絡んでいない企業にとってダンジョン産のものは貴重なんだ」
行長はこの提案についてそう説明した。
「さて、それとは別に提案があるんだ」
「なんでしょう?」
修哉はその提案について尋ねる。
「できればなんだが....うちの娘とパーティーを組んでくれないか?」
行長は修哉にとって驚きの提案をしたのであった。
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