第108話「今度こそ」
『なるほど、君はまたあの能力の持ち主に託すつもりか』
アーノルドはハインケルが何をしようとしているのか察してそう口にする。
『確かに私は人のステータスまでは勝手に改変することはできない、しかし『ガチャ』の能力者に関してはLUKの下限値をさらに下回るようにして君が紛れ込ませた『ルール改竄権』は出ないようにしてある!無駄なんだよ、君の足掻きはさ!何度も失敗してわからなかったのか?』
アーノルドのわかっていない様子にハインケルは微笑む。
「アーノルド、君はいつだって肝心なところで爪が甘い。世界を移動する時に油断していたんだろう、彼のステータスを確認してみるといい」
『はぁ?.......なぁ、15だと!?』
アーノルドは修哉のステータスを確認する。
修哉のLUK値はギリギリ切り札が排出可能な数値だった。
『だ、だとしてもそう簡単にあれが出ていいはずない!』
「動揺が動きに出ているよ、...この問題は僕たちの世界で終わらせるべきだったんだ。それを見知らぬ少年に背負わせてしまった、だからこそここでおしまいだ」
ハインケルは修哉たちの方向を向く。
修哉の手には何か光るものが掴まれていた。
『う、嘘だ!そんなことあっていいはずない!』
動揺しているアーノルドの隙を狙って胸ぐらを掴む。
「さぁ、神気取りはおしまいだ。死するべき者たちは物語から退場すべきなんだよ」
◇ ◇ ◇ ◇
時々アーノルドとハインケルの声が聞こえる中、修哉は焦っていた。
(ノーマルノーマルノーマル、レア....本当にこれしか出ない!)
いくら回そうと『ガチャ』からはハズレしか出ず、焦燥感がどんどんと募る。
「修哉さん!」
突然後ろから抱きしめる。
後ろを振り向くと陽菜がこちらをまっすぐ見つめていた。
「信じましょう、私たちならきっとやれるはずです」
その言葉は焦燥で溢れそうだった修哉の心を鎮める。
「....あぁ!」
そこから何度も繰り返し。
ポイントの底も見えてきた時だった。
「これは...!」
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Tips:『ルール改竄権』
一度だけ本来のダンジョンのルールを改竄できる。
このルールは何であっても構わない。
ダンジョンの管理権を得ることも可能である。
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かつて得た謎のチケットと同じように???の表記のものが出る。
そして、説明をみて修哉はこれだと確信する。
すぐさまそれを出現させる。
それは光るチケットのようなものだった。
手に持ってかかげ、上を向くとハインケルと目が合う。
お互い頷き合った後、修哉は叫んだ。
「アーノルド・タッカーの管理権を剥奪しろ!」
その言葉に反応するようにチケットの光が増す。
そのまま光量は増してゆき、部屋全体を包んでいったのであった。
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