第94話「総力防御」
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「ギャォォォン!!」
ドラゴンが再びこちらに急降下してきて、爪を振り下ろしてくる。
「くっ...!」
「はっ...!」
修哉と陽菜はそれぞれ必死に攻撃を避ける。
「ガァァァ...!」
ドラゴンは再び攻撃を避けられたことで不快そうな雰囲気をさらに強める。
先ほどから爪や噛みつき、魔法などで攻撃してきたドラゴンだった。
しかし、次にドラゴンがとった行動はそのどれにも当てはまらないものだった。
「ガァァァァァァァァァ........!!!」
空に飛び上がったまま、口を大きく開ける。
修哉はそれを見てドラゴンが何をしようとしているのか察する。
「陽菜さん、ブレスだ!防ぐのは....無理だな。とにかく絶対に当たらなように!」
「はい....でもどこに逃げれば!?」
ドラゴンはブレスをこちら周辺全てに向けており、逃げようにも逃げれない。
「くっ.........しょうがない。陽菜さん、俺の後ろにいて」
逃げ場がないことを悟り、修哉の頭にあの能力がよぎる。
(ダメだ、あと2回あるとか言っていたけど本当に戻れるかもわからない。そもそも死ぬのを前提に動くなんてありえない、間違ってもそんな真似はしちゃいけない)
能力のことは頭から振り切り、覚悟を決める。
「「炎壁、氷壁、.........地壁!!」」
陽菜と協力して使える限りの防御用の魔法を唱えて、ブレスを防げるように周りを固めていく。
「....来る!陽菜さん構えて!」
「はい!」
修哉と陽菜ができるだけをやった後、向こうのチャージも終わったようであった。
「ガァァ.......ガァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
凄まじい熱量を持った光線がこちらに向かって飛んできて、修哉と陽菜の魔法にぶつかる。
ブレスは少しずつ勢いを落としていくが、それ以上に魔法は破られていく。
もう少しで全ての魔法が破れそうと分かった時、修哉はあの魔法は使うことを決めた。
(これでミスリルの剣は後1本になるけど...しょうがない)
残ったMPを消費して、魔法を唱える。
「獄炎...!」
修哉の目の前に黒い炎が現れて、そしてそれを剣に纏わせる。
その瞬間、ブレスがこちらの魔法を突き破る。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ブレスに思いっきり剣をぶつける。
「ぐっ.....はぁぁぁぁ!!!!」
弱まっているとはいえ強力なのには変わりない。
凄まじい力が修哉の腕にかかり、叫び声を上げながら修哉は剣を上に振り上げる。
ブレスが修哉によって軌道がずらされる。
そしてそのまま修哉と陽菜の頭上を通り過ぎていく。
前週で修哉を葬ったブレスは今回、彼を殺すには至らなかった。
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