第五章〜食べる。助かる?
続きを書かせていただきました。よろしければ プロローグからどうぞ。間が開いてしまいましたが 頑張ります。よろしくお願い申し上げます。
俺の空腹感は、もはや限界であった。
一刻も早く人間を喰らわなければ、命の灯火が消え入ってしまいそうに思えた。暗闇の中、俺は闇雲に手足を動かした。
食べ物であってくれたなら何でもいい 手に触れてくれ!
そんな思いだった。
「くそっ!やられた。この化け物、つええ!ぞ。駄目だ敵わねえ。逃げるぞ!」
そんな声はまだ聞こえていた。さっきの攻撃を上手く躱した人間もいたということなのか!俺は舌打ちした。
その時てまある。俺の手の指先に何かが触れた。それは温かみの予余韻を持っていたが、もう冷たくなりかけているのも分かった。
人肉は、死後硬直が始まると途端に不味くなる。そうならないうちに早く食べてしまおう──。
それが俺の考えだった。もう、食材の姿を見ようともせずに俺はそれにかふまりついた。洋服の繊維も一緒に。洋服の繊維を着た先で 選り分けて地面に吐き出した。とにかく、貪るように骨ごと胃袋の中に詰め込んでいった。
大型の人間のようだった。大抵の場合、体格のいい方が味は良い。筋肉の筋が絶妙な 歯ごたえを醸し出してくれるのだ。
俺は少し 満足しかけた。その時、である。
おお読みになっていただきまして誠にありがとうございました