第四章〜タイムリミット
こんばんは おはようございます。久しぶりです。心身の不調からお聞きいたしました。再び 描き進めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
時間がなかった。俺の腹時計では、もうすぐ最後に人を食べてから1時間に迫りそうであった。
チェーンでグルグル巻きにされた俺は、幸いにも、ぎりぎりでも立ち上がることはできた。
俺が立ち上がると人間どもの顔が引き攣ったように歪んでいるのが想像出来た。奴らに俺が与える恐怖は、おそらく計り知れないものだったろう。俺には、俺が人間だった頃の記憶がはっきり残っていたから、奴らの考えを予想することはたやすかった。
俺は言葉が喋れない。人間のような声帯が備わっていないのに違いなかった。
俺は獣の遠吠えのような声を天に向けて出した。
それに怯んだのか、俺をつなぐ チェーンが緩んだような気がした。いや気がしただけではなく 確実に緩んでいた。両手両足を動かして、チェーン はを釣りのリールのように、巻き取っていった。
[うおわう!やめるでがんしょ。やばいぞ このモンスター 、やっぱり 動き出した]
[みんな 気をつけろ。動き出したぞ こいつ]
「ぷっ殺せ」
俺の尊厳など一切認めない 言葉が飛びかった。まあ俺は化け物なのだから 尊厳もなにもないとされるのが当たり前なのかしれないが。
腕に足首にチェーンを巻き取り続けた。
「うあっ」
「くう」
敵の何人かな 転倒するような音が響いた。俺の力もまだ捨てたもんじゃあるまい。俺は思った。思考は人間語でなされる。俺は元人間だ。
手首、足首にチェーンをそれぞれ五周巻き付けた頃だ。俺はチェーンの先に感じる 抵抗を感じなくなった
拘束状態を保持するのを諦めた人間どもが、toto チェーンの根元を放棄したようだった。
俺はら軽くなったチェーンを最後まで 巻き取り、そして手首を逆回転させ始めた。チェーンは 巻き付きを解かれ、再び 長く伸び始めた。俺は手首から伸びる その金属をブンブン 振り回した。ヌンチャクのように。
ぼこ
鈍い音がした。チェーンの先端がどの頭を砕いたのに違いなかった。頭を割られた人間は、悲鳴を上げる暇さえ与えられなかったよ。そんなことがさらに3回ほど続いた、
気づいた時には 床はヌルヌルとしたら行きたいね 追われているようだった。人間どもの血液だ。血液が床を鳴らしている。
歩き回りながら さらに同じ動作を繰り返した。真っ暗で視界のない中で、何人いるのかも全くわからなかった。だから、際限なく武器を振り回し続けるしかなかったのだ。
チェーンが空を切る音以外には何も聞こえなくなった時、俺は勝利を確信した。動くものはもう何もなかった。俺自身を除いては。
偉い呼吸音が続いていた。俺自身の位置のことだ。この工場内に生きているのは俺だけだ。俺は笑うことはしなかった。俺は笑顔を見せない。その方が逆に無慈悲な モンスターっぽいと 思っていたからだ。
━━さあ食べるぞ。俺はようやく息をついた。しかしまだ 油断はできないのだが。
まぁともかく、敵から捕獲したこのチェーンは、強力かつ便利な武器になりそうだった。
その場にしゃがんだ。手探りの人の死体を探した。何処もかしこも 血液によってヌルヌルと滑りやすくなっていた。俺にとって 血の味は赤ワインに似ている。靴を言うと、生前 ワインを飲んだことはなかったので、ワインの味なら 知らなかったのだが。こんなものなのだろうと思っていたのだ。
お読みになっていただきまして、誠にありがとうございました!




