プロローグ〜転生
おはようございます。新作です。会わせていただきました。行けるところまでかきます。
最初のうちは、人間どもを探し出すのに苦労はしなかった。人間の絶対数が大きかったから。まだ、人間たちは充分な量、生存していたし、そこかしこで右往左往する避難者を追い詰めるのは容易いことであった。
人間は、食べると旨かった。格別な味がした。特に生肉が最高だ。一度たべたら病みつきになる。 俺が人間を喰らう姿を見て、他の人間どもはこれ以上にないくらいに恐れ慄いた。皆、一様に恐怖の表情を浮かべ、震えあがっているのがわかった。
実を言えば、俺だって元はと言えば、人間だったのだ。だから、奴らの気持ちが分からないわけではない。
ただ、俺は死んだ。それも、かなり酷い死に方をした。
俺には 前世でのの記憶がはっきりと残っている。
俺は学校でいじめられていた。壮絶ないじめだった。奴ら 俺を人間とはみなさなかった。靴はいつでも隠されたし、便所掃除の時には ホースで水をかけた。便器に顔を突っ込まされたことどってある。体育の時間にはジャージを引き下ろされて下半身を露出させられたし、短距離走では、している時には足をかけられて転ばされた。俺が泣いても怒っても誰も相手にはしなかった。
そして しかも、俺が死んだのは、大型トラックによる轢き逃げが原因だ。
左折するトラックだ。トラック運転手は俺の姿に気づいていたのに違いないのだ。引かれる直前にミラー越しに目が合ったからわかる。彼は知っていた俺がいるのを。知っていて とまるのが面倒くさかったのか、ブレーキをかけずに俺を左の後部のタイヤで轢き潰した。俺は一瞬で死んだが、死ぬ瞬間の記憶は強烈に残った。
俺は自分の死因も何も覚えていた。
そして気がついたら転生していた。転生して俺は、ゾンビになっていた。
ゾンビは人を食べたくて食べたくて仕方がないらしい。食欲旺盛なゾンビだ。形は人間と同じだが、わかるものには分かるらしい。俺は人間ではなかった。
ゾンビでも生きなければならない。俺は生きるために人間 どもを喰らい始めた。
そう。俺は、転生したのだ。
人々は俺を恐れた。当然だ。俺を駆逐しようとした。幸い、俺の身体は、全ての銃弾や横断は跳ね返した。いったん死んだ俺は二度とは死ななかった。
結果、人間どもは俺を殲滅するのを諦めたようだ。奴らほ、ひたすら逃げる道を選んだ。俺の傍から次々に人が消えていき、雲隠れしていった。
やがて、俺が食べるものを探すの苦労し始めるのはすぐだった。俺は、世界中の街をうろつき始めた。
とはいえ 俺はに泳ぎはできなかったし、飛行機に乗れるほど小さな体のゾンビではなかった。したがって 結局 日本国外に出ることはできなかったが。
俺は走った。街中を走った。
獲物を求めて。
ご覧になっていただきました 誠にありがとうございました。