第二話 3030
先週更新しなかったから今週は確実に二話更新します。
「だから神宮君、事件が起こった当日なんで現場にいたの?」
「だから本当にたまたまそこに居ただけですって!」
「殺して容疑者から外れる為にわざと飯を抜いて倒れたんじゃないの?」
俺、神宮南翔。現在取り調べをされています。
本当におかしくないか?俺何もしてないんだけどなぁ…なんでこんな取り調べを受けることになってしまったのだろうか。
時は丁度3日前。
「なんだよもう、腹が減りすぎて腹痛い、、、あ本当に腹減りすぎて死にそう」
この地に降り立って約9日たった当時、俺は腹を減らしながらずっと、名前は確か…中央京都だったかな?(名前はそこらへんの看板で知った)でどこに向かえばいいのかも分からず彷徨っていた。いや、向かう所もなかったから彷徨うしかなかった、というべきだろう。9日たつと流石にこの街に飛ばされた状況も受け入れる事ができたのだが、それでも腹が減っては何もできない。
もちろん読者諸君は分かっているだろうが、何も食べずにただただ歩き続けると、もちろん人であれなんであれいつかは体力が尽きる。いや、何かそこら辺のもの食えって思うかもしれないけどさ。言い訳させて?何か食べたいなって思ってゴミとか探そうとしたけど、この街本当に綺麗なの。何も落ちてないし食べるものがなかったの!だからずっと何か食べたいなって思っても食べれなかったんです。許して?
てことでそして俺は遂に!飯を食べなかったことによる低血糖で倒れてしまった!!
無いとはいえやっぱ飯食べれないのはきついわ。
無銭飲食でもしとくべきだったかな、、、
今更何か思いついても何もできないんだけどなwガハハ
そう色々と考えた所で、俺の意識は途切れた。
だが奇跡というものは起こる!!
何があったかって?
心優しい者が、俺のことを病院へ運んでくれたのだ!
ありがとう、名も知らぬ我が救世主よ!
そしてその救世主が病院まで運んでくれたお陰で、俺は2日間低血糖で入院する程度で済んだ。餓死しなくてよかったー
だが時は数時間前、俺は当時知る由もなかった真実を知ることとなる。
さっき奇跡は起こると言った、だが奇跡にも種類が2つある。良い奇跡と悪い奇跡だ。どうやら俺は、良い奇跡と悪い奇跡を同時に引き当てていたようだ。良い奇跡というのは先程も話したような、誰かが俺を病院まで運んでくれたお陰で死を逃れられたこと。悪い奇跡というのは、倒れた場所が本当にたまたま殺人事件の現場だったことである。
、、、
なんでだよ!!!
俺もっと別の所で倒れることできただろ!
けどまあそこで警察官の人に見つかって、病院まで運ばれるきっかけにもなったし、この2つの奇跡、命を拾った良い奇跡の方がデカかったから悪い奇跡の方は許そう。無実証明すれば実質無かったことにできるもんね!
そういうことで、俺は今現在殺人事件の被疑者として取り調べされていると言う訳である。
改めて見ると俺かなり濃い数日間を過ごしてきたんだなぁ。
今となっては感慨深い…時が過ぎるの早すぎて泣きそう。
「聞くの忘れてたけど神宮君、今現在の住所は?」
おっと、今俺は取り調べを受けているのだった。俺が無実であると証明するためにも、ちゃんと質問に答えて信用してもらわないと…てかこんな取り調べやって住所聞かれてなかったのか。
「ーー県ーー市ーーーーーですけど…」
「いやいや嘘はやめといた方がいいよ?冗談は通じないからね?本当の住所は?」
俺は今何かおかしなことを言っただろうか?いや特に何もおかしい事は言っていないだろう。ただの住所だもんな。だが目の前の警官から呆れの表情が窺える。何がそんなにおかしいんだ?あ何かと勘違いしてるんだ!ちゃんともう一度言ってあげよう。
「いや、だからーー県ーー市ーーーーーですけど。」
「いやいや、、、またーー県って言ったよね。だから嘘つかないでって。そこは 今は存在しない場所 なんだからそんな所に住んでる訳がないでしょ?」
「は?」
こいつは何を言ってんだ?だって俺そこに住んでるんだぞ?存在してるぞ?確かに今中央京都とかよく分からない聞いたこともない所にいるけど、かなりの時間ここで過ごしたので、確実に日本である事は絶対にわかる。なのにーー県が存在しないなんて、むしろ刑事さん側が嘘をついているようにしか思えない。流石にそれこそ嘘にも程がある。
「はは。流石に刑事さんが言っている冗談は刑事さんが嘘だと思っている俺の発言より本当に、全然面白くないですよ。何を言ってるんですか?」
「俺が今冗談を言えるような状況にいると思っているのか?取り調べ中なんだぞ?」
至極真っ当な意見であると私は思います。
じゃあ刑事さんは本当の事を言っているのか?いやいやいや。でも流石にそんなこと信じられる訳がない。
「そもそもそんな存在しない地に住んでるとか言うなんて、お前が 彷徨い人 でもない限り、本当な訳が…」
バン!!!!
その時、取り調べ室の出入り口が勢いよく開いた。その開いた扉から女刑事がこの取調室へ入ってくる。急いでこの場まで来たのだろう。その様子からは疲弊を感じられる。そしてその女刑事はあることをその刑事に告げる。
「鳥丸警部!、、、犯人が自首したそうです!」
「マジ!?自首したの?」
犯人が自首?って事はこれでやっと家に帰れる、、、!!
「刑事さん!つまりこれって俺は無実だっていうことが証明されたんですよね!もう家に帰っていいんですか?」
「うーんまぁそうだな。まだまだ聞きたい事は山程あるが、まぁ今日のところはこれで良しとしよう。帰宅許可を出す。だが神宮君、君に行く宛、帰る宛はあるのかい?」
「いや、そりゃ家に帰…」
あるぇ?そもそも家に帰るって言ってもさっきあの刑事、ーー県存在しないって言ってたよな。?もしこの言葉が本当だとすれば行く宛なんてないんじゃないか?そもそもこの人って警察官なんだよな。警察官が嘘を吐くとも考えづらいし…いや、この場所の地図を見せて貰えば本当かどうかもわかるはず…
「すみません。日本地図を見せてもらえませんか?」
「なぜ急に?まぁいいや。ちょっと待ってね?、、、はいこれ日本地図」
俺は渡されたスマホに映し出された日本地図を眺める。
「、、、嘘だろ。」
思わず口に出してしまう。本当に俺の地元の部分が地図に載っていない。どういう事なんだ。脳の処理が追いつかない。ただ都会に移動しただけじゃなかったのか?なんで?
南翔の脳が混沌を極めている中、刑事は話しかけた。
「だから言ったでしょ?本当だって分かった?今は存在しないって。そこは2768年に消滅してるんよ。」
「、、、、、、?にせんななひゃくろくじゅうはちねん?」
「え?そうだけど、やっぱただの虚言癖の子じゃない?本当に彷徨い人なのか?」
、、、、、、、、、うそだろうそだろうそだろ。2768年?俺がいたはずの年より700年近く過ぎてるじゃないか。どういうことだ?未来へ飛ばされた?てか2768年に消滅したって過去形で説明してるからそこから更に時が過ぎてるって事だよな?、、、彷徨い人って何?
「いまってせいれきなんねんですか?」
「3030年だけど?」
、、、?衝撃的な事を言われ過ぎて最早放心状態だ。俺は未来へ飛ばされた?なんなら1000年近く経ってるよな?未来へ飛ばされるにせよ過ぎすぎなんじゃないか?寧ろ笑えるぞ。あぁダメだ言われても意味がわからん。やっぱ頭で分かっていても混乱する。てことはもう親とかももう存在しないって事だよな?ダメだやっぱり頭が回らん。
そんな混乱している中でも、時は過ぎていく。
そんな混乱している俺を見てその刑事はとある提案をしてきた。
「でさ提案なんだけどさ神宮君。君帰る場所ないでしょ?そこで提案なんだけどさ。僕の家に居候しないかい?」
どうやら帰る場所がない俺を見かねて、俺に帰る場所を与えようとしてくれているらしい。
帰る場所がなくなってしまった事を悟りながらも、混乱している俺は、気付いたら何も考えずにこう返していた。
「よろこんで」
俺は脳死でこう返し、この刑事 鳥丸刑事の家に居候することになった。
最後まで閲覧いただきありがとうございます。
あとがき
どれぐらいのペースで更新しようか。1週間に一話更新か不定期かどっちにしようかなと悩む日々です。
一応、この世界には供述調書なんてありません。
だから住所諸々は口答えです。
そういうことにして?
小ネタ
因みに今取り調べしてた刑事は、
男が鳥丸翼
(警部 35歳 3月12日生まれ ほうれん草が好物)
女が田中咲
(巡査 25歳 12月31日生まれ 七草粥が好物)
ていう名前です。
女の方は再登場ないかも?男は次回登場します。
思ったけど、主人公以外今んとこモブキャラの予定だからキャラ崩壊してるかもしれん。ゆるしてちょ