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第8話 フェアリーの国での祭り準備

間抜けなポメヤが宝物庫の水筒を手に取ったばっかりにフェアリーの国に娯楽を提供する事になってしまったトーマと小さな魔物のポメヤ。

争いを生まない娯楽として祭りを提案した。

祭りの準備で忙しくなる。

まずは王様印のブローチの力をフル活用して色んな店に出店のお願いに行くか。


「まあ行ってやってもいいですぞ、気分じゃないが」


なんでお前が手伝ってる風なの?お前の水筒叩き割るぞ


ポメヤは水筒を抱えて付いてきた、見た目だけは可愛いんだけどなぁ…


まず服屋だ


「こんにちわー」


「下着しか売ってないようだけど頭大丈夫かー?悩みあるなら聞きますぞー」


多分今悩み事が生まれたよ、お前のせいで


店主の女フェアリーも下着のような格好だ、羽がある分服を着るのが面倒で下もそれに合わせているらしい。


「この前の旅人さんね、いらっしゃいませー、ここの服が必要なようには見えないけど彼女か奥様に贈り物かしら?」


「カッカッカ」


ポメヤ君、なんだその笑い方、鼻につくよ?


「いや、姫様から娯楽提供を頼まれていまして、今度開催するお祭りに出店して欲しいのです」


「出店はモチロン良いけど…別に毎日お店は開けてるわよ?」


「ぜひ作って頂きたい服がありまして…」


僕は女性用のスカートと男性用のハーフパンツを絵に書いて説明した。


「デザインは任せます、ただお祭りの時の特別な服装という事でお祭り期間以外は販売を控えて頂けると…」


「ステキじゃない!任せて!従業員総出で制作させて頂くわ!」


「ありがとうございます!かかった経費は王宮へ請求してください。それでは失礼します。」


丁寧にお辞儀をして店を出た。


「請求は王宮ってシャレですぞ?ゴミみたいなセンスで悲惨ですぞ、そして王様のユーカに経費の話なんてしました?」


前半は聞かなかったことにしといてやる


「まあそりゃ赤字なんか出たら大変だし大丈夫だろ、後で言っておくよ。」


「まあ確かに、そうですぞ。」


次は金物屋だ

「こんにちはー」


「あーこの前の!今日はお買い物ですか?」


「フライパンの音確かめていいですかな?悪いようにはしませんぞ」


音?悪いようにしかならないだろ


「今日はお願いに参りました。今度お祭りをするので出店して頂けますか?動物や魔物の小さな人形なんて作れたりします?」


「鉄は余ってるから作れるけどそんなもん売れないと思うけど…」


「ゲームの景品で出すんです。点数の書いた棒に輪っかを投げて点数に応じて貰える動物が変わるように、ゲームは一回500ベルくらいなのでそのくらいの予算で作って頂きたいのですが。」


「人形の価値ではなく思い出の価値なんですぞ、あのお祭りでこれ取ったなぁっていう思い出ですぞ。」


「なるほど!景品とはそういう物なのですね!任せて下さい!1番上の景品はすごいのを用意します!」


「できれば点数の書いた棒と輪っかもお願いします。高得点の棒は太めに、小さい特典は輪っかが入りやすいように細めに、入らなくても参加賞で小さい人形も出して頂きたい。あ、経費は王宮に」


「任せて下さい!なんかワクワクしちゃいますね!」


頭を下げて店を出る。


「次はどこですぞ?」


「次は市場、は時間かかるから絵画の店だな。」


絵画の店に行く前にポメヤはお気に入りの水筒にフェアリーミルクを補充した、もう店主と仲良くなっている。


どれだけ買いに来てるんだ?


「こんにちはー」


「この前の旅人さんか、こんにちわ。」


「お爺ちゃんフェアリー!また来たよ!今日もどこか分からない場所の絵を書いているんですぞ?」


お爺さん好きだよな、お前


「実は今度お祭りをするので出店のお願いに」


「良いけど何を出せば良いんだ?絵なんていつも売ってるよ?」


「人体に影響がなくて1週間くらい落ちない絵の具ってあります?」


「あるよ、この下書き用の絵の具は1週間もすれば剥がれ落ちる、天然の原料だから無害だよ。」


「良かった、それでお客さんの爪に絵を書いて頂きたい、模様でも良いです、特別な日のオシャレなのでお祭りの時限定で」


「良いけどそんなの喜ぶ人いるのか?」


「います、女の子は特に、金額設定は安めで経費は王宮へお願いします。」


「分かったよ、楽しそうだ、小さい絵のサンプルなんかも用意しておくよ」


「ありがとうございます、では宜しくお願いします。」


絵画の店を出た僕にポメヤが一言


「なんか楽しそうですぞ?ニコニコして気持ち悪い」


いいだろ別に…お前も水筒分働け


次は床屋だ。


「こんにちわーお祭りの出店のお願いに来ましたー」


「こんにちわ、いきなりだね、出店?何を出せばいいんだい?」


「お客さんはいつも同じような髪型ばかりって言ってましたよね?お祭りの日の特別な髪型をお願いしたいのです。三つ編みにして縛るとか、後ろで一本にまとめるとか、サイドでまとめてツインテールなんかもできれば。」


僕は髪型の案を紙に書いて説明した。


「いいね!楽しくなりそうだ!」


「経費は王宮にー」


次は市場か、色々説明する事が多いぞ。


「なんか店に入ってから祭りの説明がどんどん雑になってますぞ…」


「いいだろ…時間ないんだよ…」


「時間?別にありますぞ」


「無いんだよ、急ぐぞ」


市場では各店舗を回るのが手間なので閉店したタイミングで集まって貰うようにお願いした。

ポメヤにお願いしたが大丈夫だろうか…

僕はやる事がある。


夕方になりみんなが集まってくれた。


「集まって頂きありがとうございます。近日お祭りを開催するので皆様に出店をお願いしたいのです。

食材では無く調理された物を売って頂きたい、レシピは今お配りいたします。」


市場の食材で作れそうなレシピを配っていく。


お好み焼き

りんご飴

唐揚げ

チョコバナナ、もといチョコフルーツ

ミックスジュース

フルーツサラダ

サンドイッチ


僕の転生前の記憶で出来る限り簡単に作れて美味しい物を選んだ。


「これは簡単だし美味しそうだ!きっとみんな喜ぶぞ!」


市場の人達も乗り気だ。


「注意点として、この商品はお祭り限定にして頂きます。特別感を出す為です。ご了承下さい。レシピも他言無用でお願いします」


「経費は王宮にー」


説明が終わり、今は王宮の風呂に入っている。


「お疲れ様ですぞー、お互いこんな一生懸命なのはいつぶりですかなー」


そうだね、今日は水筒洗って寝ろよ、今日もずっと飲んでたろ、暇そうに。


「僕たちも出店するからな、サボったら水筒が景品になるぞ」


「は?バカを言うなですぞ、やる時はやるんですぞ」


不安定だよなコイツ…


祭りは出来るだけ早い方が良い。


下準備は出来た、あとは急ピッチで進めていくぞ。


お祭りはもうすぐだ!




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