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第21話 フェアリーの国、何も起こらない平和な時間

不幸なネズミ族の少女とフェアリーの国に到着したトーマと小さな魔物のポメヤ。

ネズミ族の少女の体を元通りにしたので、今日は一休みだ。

「今日も爺さんの介護作業に行ってくるですぞー」


介護とか言うなよ、あの爺さん水筒のおかげでピンピンしてるじゃないか。

以前この国に娯楽を提供するのと引き換えにもらった水筒。


実は中に入れた液体がエリクサーになるチートアイテムだったのだ。

ポメヤは外見もオマケの冷温機能も大変気に入っていたが、爺さんに長生きして欲しいのか置いていったのである。


「なんであんなに爺さん爺さん言うのかな…婆さんは気にしないのに」


考えてもしょうがないので大きく背伸びをして朝風呂に向かう。

現在王宮の部屋を借りており、悠々自適な生活。

といっても何も無ければ明日には出発だ。


風呂に行く途中にユーカ、ニーア、ミリーとばったり会った。


フェアリーの王様ユーカ、その妹ニーア、今回連れてきたネズミ族のミリー。

フェアリーは小さいイメージがあるが、成人は人間と同じくらいの大きさだ。羽がある以外は。


昨日夜更かしをして女子会をしていたらしく、全員眠そうだ。


「なんだみんな、もう少し寝たらどうだ?ひどい顔だぞ」


「私は仕事があるのよ…寝てなんかいられないの…あとひどい顔って言ったのは謝って。」

ユーカは不機嫌そうだ…謝っておこう。


「私も仕事がありますので…」

妹のニーアもかなり眠そうだが…大丈夫か?


「私はこの町を見たいからお風呂に行って目を覚ますわ…」

ミリーも相当眠そうだが?でもあんまり見るものないよ?この国。


全員あくびをしながら歩いていった、いったいどんな話をしたらこんな朝までかかるんだ…



【昨晩、女子会にて】


「あの…国王様と王女様ですよね、なんで私なんかと女子会を…」

ミリーは不安そうに口を開く。


「まあこの国の国民じゃない若い女子って珍しいのよ、私は旅に出た時に見た事あるけど妹のニーアは初めてだったんじゃないかしら?」


「初めてですね、この国から出た事ないですから、なので色んな話を聞きたいです。」


「トーマ達と旅して来たんでしょ?どんな旅だったの?」

ユーカは興味津々だ。


「とても楽しい旅でした、お金の心配もないし、ポメヤちゃんが歩くの遅いのでそんなに疲れないし。」


「お金の心配がないんですか?失礼ながらお二人共とても裕福そうには見えないですけど…」


「確かに、どちらかと言うと貧乏旅なんじゃないの?変な物食べさせられなかった?」


「いえ、実は内緒の話…かは分からないんですけどあの二人は持ってるお金って…」


「「ええぇええ!!」」


二人とも同時に驚きの声を上げた。それはそうだ、小さな国くらいならすぐにでも作れる金額だ。


「この国の国家予算より多いじゃない!?」


「驚きました…」


「私も驚きました…最初はポメヤちゃんがまた馬鹿な事言ってるのかと思ったんですけど…カード残高がありえない金額で…」


「見かけによらないわね…、ちなみにだけど、その、旅の途中は何もなかったの?トーマとは」


「私も気になってました。ポメヤちゃんとは何も無かったのですか?」


この王様は分かりやすい、とてもとても分かりやすいのだ。

王女はちょっとなに言ってるか分からない。


「何か?とはなんでしょうか?」

薄々分かっているけど少しイジワルをしてみる


「それはあれよ、その、体を触られたとか、裸を見られたーとか」


「一緒に水遊びをしたとか、手料理を振る舞ったとかですよ!ポメヤちゃんいっぱい食べそうですし」


王様でも心は少女だな…王女様は何を言ってるんだろう、しかし見てきたような質問だとミリーは思った。


「ご飯は私が作ってましたよ、二人とも喜んで食べてました。裸はまあ見られましたけど湖で一緒に遊んだだけですし…あ、でもその時溜まっていた服は全部洗ってしまったので寝るまで服は着てないですね。」


「!?ちょっと待って、裸でってどういう事?」

「!?水遊び!?」

驚く二人の王族、水遊びは別にどこでもできるけど…


「言葉通りですよ、水浴びの後ご飯作ってみんなで食べて、寝るまで乾かなかったのでそのまま寝ました」


「ネズミ族ってそういう感じなの?その、恥ずかしいとか…」


「お風呂に入る時に服を脱ぐのは普通ですし、着る服が濡れてるなら着れませんよ?」


「確かに、言われてみれば…まあいいわ…その時、トーマは普通だったの?その、普通だったの?」

動揺しながらユーカが聞き返す。


「まあ…視線は感じましたけど…男の子ですし普通ですよ」


「ぽ、ポメヤちゃんは?」


「ご飯食べてましたね、普通に」

なぜかホッとしている王女様、大丈夫だろうか。色々と。


「ま、まあ男の子だもんね、そのまま普通に寝たのよね」


「ユーカさんが心配してるような事は無かったですよ」


「べ、別に心配なんかしてないわよ!まあ、そのあとは何があったの?」


色々な話をしているうちに距離が縮まり、とても楽しい女子会となった…もう朝なんだけど…。


そして解散と同時にトーマに出会って今に至る。


なんかみんな仲良くなってる気がする、きっと楽しい夜だったのだろう。

風呂に行って僕も街に出てみるか。


風呂にゆっくり入って王宮を出ようとすると、ユーカが門の前に立っていた。


「王様は忙しそうだね。」


「急に言うじゃない…仕事がひと段落したから街の様子を見に行くの、せっかくだから一緒に行きましょう」


「そうだな、王様と一緒なら無敵だ」


「じゃあ行きましょう!」


なんだか楽しそうだな。仕事が終わったのが嬉しいのだろう。


「どこに行きたい?どこにでも付いていくわよ!」


といっても行くところなんて無いし、祭りで世話になった所に行くか…


「お久しぶりですー」


「おお!トーマさん!お久しぶりです!王様も!デートですか?」


「デ、デートじゃないわよ!視察よ、視察!」


ユーカさん目が泳いでますけど寝不足?まあ寝不足か。


金物屋さんは祭り用の新作のフィギュアを作っている

これクオリティが…なんか服とか着脱式になってるし…造形も前の比じゃない…

この人もう金物屋辞めて造形モデル屋とかやったらいいのに…


これはお祭り用に一年かけて準備するらしい、まあ楽しいなら良いだろう。


次は床屋さんだが…あれ?休み?休みなんてあるの?


「臨時休業ね、この街では珍しいわ…なにかあったのかしら」


「ちょっと心配だな…」


市場に行くとみんなから囲まれ、いつの間にか両手いっぱいの食材を貰ってしまった。

ユーカはみんなから頑張れ頑張れ言われている。

何か分からんが頑張れ!


絵画の店か…アイツ邪魔してないかな…

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