エピローグ
その後のことを話そう。
神社から出た私は近くをうろうろしていた父に泣きそな顔で抱きしめられた。そうして、今度こそ私と父はしっかりと話をしてあの村を離れることにした。
今は都心で暮らしている。
父はあの村に残った。時間がたってほとぼりが冷めたころにまた会いに行こうと思う。
そうして、私は十六になった直後に結婚した。どんな術か分からないが、そのことを周りが不審に思うことはない。ほんとスクナって不思議な存在だと思う。
それと、天花ちゃんのことを養っていた人たちは全員捕まった。どうやら、未成年売春をしていたらしい。
ついでに村の畑の作物が軒並み病気になって今年は大変な不作になったと聞いた。なぜだか天花ちゃんのことを虐げていた家ほどその度合いはひどかったという。
帰る家がなくなった天花ちゃんはヒノが引き取った。
ヒノはなぜか天花ちゃんの許嫁ってことになっている。ほんと、どういう能力をしているんだろう?
そして、そのほうが都合がいいのか私達四人は広い家に一緒に住み始めた。この四人の奇妙な共同生活もなんとなく楽しくて私は気に入っているのだ。
ただ、一つ不満があるとすれば、結婚してからスクナの距離が近すぎるのだ。恋愛初心者の私からしてみれば、少しは手加減してほしい。
おっと、スクナが呼んでいる。
「おーい、ほのか、遅刻するぞ」
「いまいくーー!!」
今日から高校の新学期だ。さてどんな日々が待っているのか。
ほのかは青空の下駆けだした。