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39.敵レイドライバーはどこだ?-そんな筈ないわ、陽動よ!-

全48話予定です


日曜~木曜は1話(18:00)ずつ、金曜と土曜は2話(18:00と19:00)をアップ予定です(例外あり)

 カズたちがアルカテイル基地に近づくと、やはり、というべきかそこには出迎えの敵車両はいなかった。


 両脇を固めているクリスとトリシャが周辺警戒をするが、どう見ても[無人]と言ってもよい感じだ。この基地にはまだ機械化部隊がいる筈である。いる筈なのだが、ただの一台も車両が出て来ないのである。


 ――車両群もそうだが、敵レイドライバーはどこだ?


 そう思いながら盾装備で固めて前進すると、


「ゼロゼロ、二時のほう!」


 トリシャがそう言ったのとほぼ同時に条件反射でカズがそちらに盾を向けると、正確にそれに当たる。


 砲撃の方向を見ると、コンクリートで出来ているであろう、ちょうどレイドライバーが立ってもギリギリ隠れる遮蔽物が幾つかある。基地の中にこんな邪魔なものがあるという事は[基地内での戦闘も織り込み済み]という事なのだろう。


「遮蔽は、ってここじゃあダメか。取り敢えず何体いるんだ?」


 その問いにカズのコックピットのモニターには[一体]と出た。


「一体!? それはまた随分なお出迎えだな」


「そんな筈ないわ、陽動よ!」


 トリシャがすかさず警告する。


「でも他の機体は一体どこへ?」


 クリスも不思議そうに口にする。


 ――確かに何かがおかしい。


 そう、次の攻勢がないのだ。言ってしまえば、敵が目の前に迫っているのに遮蔽物に隠れたまま出て来ない、出る気配がない、そんな感じなのだ。


「どうしますか?」


 クリスがカズに聞く。


「嫌だなぁ、何かありそうでって、ん?」


 カズはある事に気が付いて外部収音マイクに切り替えた。


 するとどうだろう。かすかにではあるが複数のタービン音がするではないか。その音がだんだん大きくなる。


「これって、敵さん逃げようとしてない? 確かこの基地の滑走路って」


 という問いに、


「ええ、私たちのいる場所の正反対ね。んで、どうするの?」


 トリシャが答える。


「なるほど、制空権は現在どちらにもない。デルタ部隊のあの機体も燃料がそろそろだろう。リンクしている内容で見ると……やっぱり全機これから帰投の予定との事だ。この間隙を縫って脱出という訳か。でもそこにいるレイドライバーは?」


 と自問自答を口にしていると、再びマシンガンを撃ってくる。こちらが迎撃しようとするとどうやって撃っているのか、遮蔽物に身を隠したままなので、相手の姿が見えない。


 ――これは、どうにもならないな。


 こんな時、真っ先に突入するのがゼロワンなのだが、彼女は負傷中で後方支援だ。


「何とか糸口が見つかればいいんだけど……ん?」


 カズがまた何かに気が付く。レーダー探知に反応があるのだ。急いで前面のディスプレーに全方位レーダー探知を映すと、


「帝国の空軍機が二機? これってさっきウチの空軍を壊滅させた奴らの、続き!?」


 カズが、


「ゼロツー、ゼロスリーは弾倉変更、敵戦闘機の迎撃を。ワンワン、ゼロワン、そこから狙撃出来るか?」


 と問うと、


「マスター、ギリギリだけど何とか射程内に捕えた。やってみる」


 アイシャがそう答える。


「が、頑張って、みる」


 ちょっと情けない声のレイリアが続く。


全48話予定です


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