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19.レイリア、まだ早い-へっ!?-

全48話予定です


日曜~木曜は1話(18:00)ずつ、金曜と土曜は2話(18:00と19:00)をアップ予定です(例外あり)

 翌朝、カズたちは市街地の、敵基地に近いところまで来ていた。ここを落とせば基地まではもうまっすぐ視認出来る、そんな位置だ。


 ビルの陰に隠れて正面を見渡すと、敵車両がいない。本当に人型をぶつけてくるつもりなのか。


 しばらく待ったが敵に動きがない以上、こちらから出向くしかなさそうだ。周囲に警戒しつつメインストリートを進む、と、弾丸が飛んで来てカズの機体の肩に当たり爆発する。リアクティブアーマーを着ていたのでダメージはゼロだ。


 すかさず、


「弾着確認、どこかに潜んでいるはずだ。各センサー最大に」


 カズが指示を出す。同時に各レイドライバーとリンクしているレーダー網からカズの機体に搭載されているサブプロセッサーに情報が上がって来る。それを着弾点から逆算、狙撃方向を割り出す。それは四つ向こうの左側のビルからのようである。カズがコンピューターに指示を与える前に先読みして望遠の映像が出る。確かに銃口がこちらを向いている。


「四つ向こう、左から狙撃、右にも注意し……」


 聞き終わる前にゼロワンは飛び出していった。


 ――あたしが行かなきゃ。


「レイリア、まだ早い」


 と思わず本名でカズが止めるがもう遅い。彼女の性格上[マテ]が出来ないのだ。


「各機、突入」


 と同時に一斉に突入するが、それはほんの一瞬と思えるほどの出来事だった。ゼロワンが先行して出たのだが、敵はリアクティブアーマーを見越して各四肢を正確に狙って撃って来たのだ。そして、動けなくなって倒れ掛かっているゼロワンの機体に銃を突き付けて[それ]は現れた。


「動くな、動けば撃つ」


[それ]は外部スピーカーでそう言いながらレイリアのコックピットのリアクティブアーマーに向けて一発撃つ。至近距離での一発だ、アーマーはそこで役目を終えて既に用をなしていない。ダメージが抜けたかどうかはカズたちのところからは分かりかねた。


[それ]はすぐに[それら]になった。見れば銃口をこちらに向けながらビルの陰から出てきたのだ。


[それら]の外見は若干の形が違うところはあるものの、ほぼカズたちのレイドライバーによく似ている。まだ歩いて数歩だが、その動きを見てもしなやかだ。恐らく性能も同等か、あるいは。


「レイリア! 返事をしろ、レイリア!」


 カズが無線で問うと、


「うっ、効いたぁ」


 ――頭がクラクラする。アーマー着ててもこんなになるのね。


 何とか無事のようである。


「直ちに武装を解除せよ」


 銃口を突きつけている[それ]が言う。


「仕方ない、全員マシンガンを置け」


 ゼロゼロに倣ってゼロツー、ゼロスリーがそれぞれマシンガンを地面に置く。


 それを確認した[それら]のうちの一体が、


「貴官たちの呼び名で読んでもらって構わない。そう、帝国軍のレイドライバーだ。私はクラウディア・リー中尉、隊長機を任されている。そちらの隊長と話がしたい」


 ゼロワンに向けた銃口は外さないレイドライバーの側面から出てきたそれが告げる。


「俺がこの隊の隊長、カズ大尉だ。話を聞こう」


 手を挙げて一歩前へ出る。


「我々の目的は敵レイドライバーの減滅、もしくはせん滅である。だが、この機体を差し出すというならパイロットの命までは取らない。だが、拒むなら今ここで一体撃墜するのみ」


 相手がそう喋っている間にカズは、


「ワンワン、準備はどう?」


 今回の要であるケンタウロス型のパイロットに連絡する。


 直ぐに、


「こちらワンワン、射程に収めたよ。胴を狙えばいい?」


 アイシャの声がする。その後ろではネイシャが、


「距離三千、風力北北東二、敵レイドライバーまで右に二クリック、左に一クリック……」


 距離と風速による弾道予測を常に読み上げている。


「ああ、銃を向けているレイドライバーの胴を狙って。いいか、みんな三カウントだ。三、ニ、一、今!」


「答えられないようなら……」


 そう言い終わらない頃、


「へっ!?」


全48話予定です


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