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山賊の王  作者: 佐の輔
第一章 新しい仲間
26/35

選ばれた女


なんかとても甘い話が続いて精神が太る…


あ、でも上げて上げて落とすとかたぶんしません。鬱展開は嫌いなんだね。

期待してるひとはメンゴ!


あと。あと今回は後書きを見て頂けると…



「お、おまっ! ほ…本気なんかぁ?」


 装束に身を包んだ少女が動揺した声を上げて自分を選んだ男に問う。


「あ、ああ! そうだよ…って、やめてよねそーいう反応。コッチは慣れてないんだっての…」


 ザインは表情を逸らすと頭を掻く。


「…でだ。俺達はどうすりゃあいいんだ? まさか…皆見てる前で、その…仲良くしろとか、言わないよな?」


 ザインは諦めた表情でウルフ達に問う。


「…まあ、ザインの旦那が見られたくねえってんなら。どっか空き部屋を貸してやるぜ。しかし、よりによって"初女(はじめ)"にユキムシを選ぶたぁなかなかの度胸だ!まあ相手するのがそいつなら俺達が無事を見届けるこたあねーだろ? なあ、ウルフ」

「ソウダナ。ユキムシ、オ前ガ選バレタンダ。女ニトッテ名誉ナコトダ、今夜ハざいんノ世話ヲシテクレ」

「うぅ…!?」


 ジョニーとウルフの言葉に覆面の隙間からわかるほどユキムシが赤面する。

 

 しかし、ザインはそれよりも気にかかることがあって仕方なかった。


「ちょっと待て。…あのさぁ、もしかして何か? この世界は人前で男女がアレコレするのって普通(ノーマル)なの…?」

「ええ。割と」

「ボンレス!お前それ、嘘だろっ!」


 ザインは異世界文化の壁の高さに思わず叫び声を上げた。


「いやいや、若いの。ザイン殿はこういったしきたりには疎いのだ。それでは誤解されるであろうの」


 ナットーがボンレスを諫める姿を見てザインは息を吐き出す。


「はぁ、安心したぜ…爺さん。そうだよなぁ? この世界、そこまで乱れてないよね?」


 ザインがキナに視線を向けると、何か意味を察したのかキナは顔を自身の髪色の様に赤く染めて俯いた。


「日中夜は流石にありませなんだがの。先ほどの若いのが言ったことにさして違いはないのです」

「えぇ~…ボソリ(この世界の住人、…変態じゃん)」

「まあ、新たな力ある者が"初女(はじめ)"、つまり庇護下に置かれた者から最初に女を選ぶことなのですがの。やはり、それでも大事な女を差し出す行為。無下に女を傷つけない、皆の前で交接する行為自体は権威と信頼をうる為には重要な儀式とされるのです。何もやましい事はしていないという最大の意思表明にもなりますからな。あと古式の夫婦式もそうですな…」


 ちなみに、夫婦式とはいわゆる結婚式である。ただ、信仰する女神を失った現在では夫婦の誓いを立てるのは神ではなく、群れの権力者である。その為、夫婦式ではその者を庇護下に置く権力者とその妻たちが招かれ、儀式の一部始終を見届けねばならない。


「ん~。言われてみればその通りのような…気もするか? イヤ、俺には難しい。無理だ…! まあ言わんとすることは解った。…わかったけど今夜は部屋を借りるぞ? そこは譲らないからね」

「…まあ、女を相手した経験があられないザイン様にはちょっと無理がありますよね?」


 ボンレスの発言にこれまで遠巻きにこのやり取りを眺めていた女達の眼がとても強く見開かれる。


「え!嘘っ!あの強さでっ?!」

「ちょっとちょっと!ザイン様っ!ユキひとりじゃあ物足りないでしょう?(チラッ)」

「ひとりなどと寂しいことを言わずに私も今夜のお供をさせてくださいませっ!」

「お前ラ!横入りスルナ!」

「わたしの、…とっても柔らかいんですよ?(ムニュウ…)」

「ザイン様。私はベテランです!もうふたりも産んでますから!安心して身を委ねてください!」


 ザインの元にさらに女達が集まりアピールの波がザインを飲み込む。ザインをユキムシに取られたチュチュが後からきた女達を牽制しているが、それでも収まらない勢いだ。


「ひぃ?!」

「…若いの。おぬしが余計な事を口走るからだぞ」

「ハハハ…すいません」

「ねねぇっ!? どうしちゃったの皆っ?!」


 軽く涙すら流すザインに乾いた笑い声を上げるジョニー達が口を開く。


「そりゃあ、仕方ないでしょうよ? 初女に選ばれるってだけで女にとっては名誉なことなのに、旦那のような強者を自分で男にできるんです。これほど女にとって自慢となることはないでしょう。俺もウルフもここまでモテたこたぁないですぜ。ウハハッ!」

「流石ハざいんダ」


 チュチュによって何とか女達から引き剥がされたザインはユキムシの足元に転がり逃げる。


「はぁ…コレでわかったやろう? ウルフすら簡単に倒し、それだけでは飽き足らずにあれほどの食糧を振る舞える甲斐性。女達に騒がれないはずがないんやぁ。…今ならまだ間に合うぞ? 女なら選び放題じゃあ。わての代わりに…」

「お前がいいんだ」


 ザインがキッパリと答えると場の騒然が一瞬で静まりかえる。


「お前を選んだんだ。早く、部屋に案内してくれ」

「ふぐぅ…!!」


 身悶えするユキムシにウルフがのそりと声を掛ける。


「諦メロ、ユキ。ざいんハ、敢エテ女達ノ中カラオ前ヲ選ンデクレタ(・・・・・・)ンダ…」

「ウルフ…」


 そこへウルフの妻であるマルが、ウルフの手に子供を預けてユキムシを見やる。ちなみに、ウルフは片手で子供ふたりを余裕で持つことができた。普段あまり子供を抱かしてもらえないウルフの表情が緩む。


「ねえ、ユキちゃん。私はユキちゃんの気持ちわかるよ? 怖いよね…自分の本当の姿を見せるの。特にユキちゃんは訳あってそんな恰好してるんだしさ? でも、大丈夫だよ。私だって最初はウルフにビビったけど慣れたし!無駄にデカイしねアイツ」


 無駄にデカイ。という言葉が聞こえたのか、ウルフの耳が少し垂れてションボリする。


「でもさあ、あの人なら。ザイン様なら…ユキちゃんをさ、本当の姿を目を逸らさずに見てくれる!…ってなんだかそんな気がするんだよね。だから…勇気だして!男は愛、女は度胸って言うでしょ? ザイン様なら、ユキちゃんと私達を本当の家族にしてくれるかもしれないよ…!」

「…!! …わかったんじゃあ、マルの姉サン。ザイン…ついてきぃ」

「お、おう」


 ユキムシは腹を括ったのかザインを空き部屋へと誘導する。ザインもユキムシに応じて歩き出す。


 そこへ、誰かが駆け込みザインへと体当たりする。


「ぶへっ?! ってキナ?」


 ザインに抱き着いてきたのは桃色の髪を揺らす、エルフと獣人の血を引く半獣人の少女キナであった。その瞳は怒りなのか悲しみなのかよくわからない表情を浮かべて涙を零す。


「ちょっとキナ!泣くなよ? 決意が鈍るなぁ~…」

「…すいませんザイン様。でも私、どうしても…我慢できなくて、その…ザイン様が訳あって私を抱いて下さらなかったのはわかります…でも!」



「………。…わかった。キナ、俺の嫁さんになってくれる?」

「……? ………。は、はうぇ!?!!」


 ザインの発言に場が再び、先よりも騒めく。


「ちょっと!あのコ誰よ?!」

「やるなぁ~あの半獣人の娘っコ」

「チキショー、やっぱりザイン様の女だったのか」

「まあ、あれだけ可愛いけりゃあな…」

「な?」

「…アンタ、なんか言った?」

「いいえ、何も!俺はお前さえいればそれで良しっ!」


 ザインはユキムシに少し待ってくれと頼むと、キナの祖父であるナットーに笑みを消して話しかける。


「という訳だ、爺さん。あんたの大事な孫娘、俺が貰うがいいか?」

「…ハハハ。まさか孫の相手が使徒様とは…!とてもとても恐れ多いですがの。…ザイン様がそれをお許しになり、なによりも孫がそれを望んでおるのであれば儂が口を挟むことなどあるはずもないの?」

「そうか。ありがとな爺さん!…お許し?は出たぞ。キナ、お前が本気なら俺も応えるぞ。ちょっと勢いに任せ過ぎる気もするが…」


 ザインの言葉と照れ隠しの笑みにキナはもはや涙を堪えることすら忘れた。


「…はい。はいっ!!わ、私もその誓いとして"最初で最後のもの"を貴方に捧げますっ!」


 キナは感極まった声でそう告げるとザインの首に腕を回して飛びつき。その唇を奪う。


「うわっ!マジでしやがったぞ!」

「一生に一度の女の宝を…」

「ぐあああっ!羨ましいィ!?」

「フッ…そんなものを見せられたら私の負けだわ」

「…そうね。でも、いいもの見れたわ!」

「母ちゃん、アレ何してるのー?」

「はっ!? まだアンタには早いわ!見ちゃいけませんっ」


 それを目撃した者達がまるで祭りのような騒がしさで拍手喝采と沸いた。


 キナが言う、"最初で最後のもの"とはいわゆるファースト・キスのことである。しかし、この世界では最も重く、尊い愛情表現のひとつであった。女から人前で男と唇を合わせるのは一度だけ。という言葉がこの世には存在し尊重されている。これは乱れたこの世界で再婚・重婚が通常となっているのにも関わらず、だからである。身も心も捧げた本当に好きな男以外にはしない。子供を孕んで産んで生涯を全うしたとしてもしない、という女の鉄の掟がこの世界にはあったのだが、勿論ザインは知らない。これが、今後のザインの女事情を定める要因となってしまうのだが。…今は未だ全てを語る時ではないであろう。


「…やれやれ、まったくもってして母親譲りであったぞ、お前の娘はのぉ。アマナトや…」


 老エルフが息子の名を呼んで空を見やる。その方角は彼らの故郷であるエルフの聖地【マッメ】のある地へと向いていた。



「…キナ、約束は必ず果たす。だから待っていてくれるか?」

「はい!ザイン様!」


 キナが涙を拭って満面の笑顔をザインに見せる。キナの耳元にザインは口を近づける。


「ひゃあ?! ザイン様…ここではチョット、まだ気持ちの整理が…」

「いやチョット何感じちゃってんだよ? 違う違う、イヤできればお前を最初の相手にしたかったけど…心配すんな。そこの忍者娘には悪いが、俺が興味があるのは彼女の種族とクラスだから」


 ザインの言葉にキナが目をパチクリさせる。


「え? …それじゃあ」

「ああ。なんとか説得してみるよ? なんだか彼女だけ他のヤツと雰囲気も違うし。俺の話を聞いて…「ダメですよ」 くれそうだ…え。キナ?」


 キナがザインの頬を両手で挟み込むと今迄に無かった真剣な表情でザインの瞳を真っ直ぐに見つめた。


「ま、まさかもう2発目をかます気かっ?!」

「おいおい勘弁してくれよな…そういうのは隠れてやってくれ」

「キィィ!? 見せつけちゃって!」

「ちゅー? 母ちゃん、またちゅーするの~?」


 また周辺が騒がしい。


「キ、キナ?」

「ダメですよ…ザイン様!ユキムシさんに恥をかかせる気ですか? 選ばれたのに拒絶される…それは女にとって最大の辱めです!絶対に許しませんよっ!」


 もはや小声では済まされない音量をキナはザインに浴びせる。


「うう…わかったよ。キナがそれでいいなら」

「…よくはないですよ。よくはないですけどっ!ザイン様に夫婦の約束をしていただいたのに、そんなことに嫉妬していては私の器が疑われます。それは同時にザイン様の名誉を傷つけること…!そんな事は私にできません…だから!んぐっ」


 今度はキナが唇を塞がれた。

 周囲から興奮とも感嘆とも言える声がまた上がり、数人の若い女達がその刺激的な光景にあてあられて倒れる。


「…ぷはっ! …男からしちゃいけないって事は、ないんだろ?」

「…はい」


 キナがザインから名残惜しそうに離れ、ザインが愛おしそうにキナの頬をひとしきり撫でると、背を向けてその場を去る。



「待たせたな。じゃあ…案内してくれ」

「…あんな事の後じゃあ、すごくやり辛ろぅくて叶わんのじゃが?」


 

はい。甘いね?見たことないけど微糖を超えるコーヒーほぼ糖くらい甘い話でしたね。


ちょっと胸がいい感じに灼けたところで、他作品についてのお話です。

現在、ゲームブック風の読み物に挑戦したいなーという気持ちがあり既に書きはじめたりしてるんですけど、その他に考え付いたネタとストーリーがありまして…


1.異世界転生。おまかせをお願いしたら村長(中年)に転生(憑依?)するお話。


2.異世界転生。転生先をごねたら主人公を追放する悪役勇者パーティの勇者に憑依しちゃう話。


3.異世界転移?アンティークの宝箱でいい歳してかくれんぼしてたら、いつの間にかダンジョンの宝箱(ミミック?)になってしまった話。


4.GBの〇ケモンでバグ技をやってたら天罰で異世界に転移させらた上に「???なる」しか使えなくなった話。


まあ、他にもあるんですが、まだマトモに書けそうなのはこれくらいです。

どれが読んでやっていいかな。と思いますか?

是非!コメントしてやって下さい<(_ _)>

ちゃんと更新しろよ!とかでもいいですが罵詈雑言だけは勘弁な★(豆腐)

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