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山賊の王  作者: 佐の輔
序章
17/35

馬とパアルス遺跡を目指して 【エダマノ視点】

この話で序章はとりあえず終了です。


この後、閑話を挟んでやっとこさ1章開始となります。


※思い付きで話を頻繁に改変しています。なんか話が違わない?と思った方がいらしたら、それは貴方が正解です。ご了承下さい。



「ヒヒ~ン、ブルル…」


 ボクは目の前の掌の上に乗る小さな生き物に夢中になっていた。


 何だコレは…?! まだこの世界に生まれて10年のボクだが、これほどまでに感動した覚えがない。


「"動像の創成(クリエイト・ゴーレム)"…っ!」

 ボクは思わず口に出してしまったが、それは【土】の中級魔法(ミドル・マジック)でもかなり難度の高い魔法のはずだ。と、言ってもボクや御爺様は何度も使ったことがあるんだけどね。


 しかし、この"動像の創成(クリエイト・ゴーレム)"という魔法は下級魔法(ロー・マジック)の"粘土(クレイング)"の応用だとしても簡単なものではない。土人形だけを創り出すことはボクや御爺様にとってなんら造作ないことだ。ただ、姉さんはこの手のセンスがないようで、どんなに練習しても、いつもなんらかの日替わりモンスターになってしまっていたから…。


 要するにイメージが大事なんだよね魔法ってさ? ボクは魔力が低いけど、『儂よりも魔法の才がある。成人前後で魔力はまだ伸びる可能性があるから努力を惜しむなっ!』がいつもの御爺様の口癖だ。けどボクは多分、魔法使いには向いてないと思うんだよね。恐らく姉さんよりも獣人の血を濃く引いたからなんだろうけど…。


 と、話が脱線してしまったね。"動像の創成(クリエイト・ゴーレム)"の真似だけなら"粘土(クレイング)"で簡単にできるんだ。ただ(・・)の人形を作るだけならね。しかし、それを動かそう(・・・・)とするならば話は別だ。


 ゴーレムを作る。…ここまではいい。ただ、ここから歩かせようとか、物を持たせようとか、更にそれを任意の場所に運ばせようとか、輪をかけてアイテムを選別させようとかし出したらもうダメだ。…足りない、足りな過ぎるんだよ魔力がね。イヤ、魔力ってよりも技術(・・)かな? 


 ゴーレムの秘術と呼ばれるものが存在していて、内陸の【ロアッツ】辺りにいるゴーレム兵が人間の代わりにモンスターと戦えるほどのレベルにあることは御爺様や里を訪れた商隊(キャラバン)の人から聞いて知ってるけど。…でもその秘術とやらはゴーレムマスターの地位にある者達に秘匿とされていて、世の中には出されていない技術だ。


 正直、その秘術が知りたいのでボクが成人したら【ロアッツ】の都市まで行って弟子入りしたいくらいだ…。でも難しいだろうな。ボクは魔力が低いからね。ボクは属性スキル持ちじゃないけど、中級魔法(ミドル・マジック)までは問題なく使えるんだ。なんせ、これでも里の魔法指南役の孫だからね? 

 

 ただ、1日に中級魔法(ミドル・マジック)は2回しか使えないんだけどね。しかも、使い切ったらそのまま気絶しちゃう。半日は梃子(てこ)でも起きないよ? それに自慢じゃあないがボクは体も生まれつき強くはないんだ。


 例えば1回目の"動像の創成(クリエイト・ゴーレム)"で歩くゴーレムを作るとしよう。でもこのままだと壁にぶつかろうが、上半身が砕けようがひたすら前に歩き続けていってしまう。仮に転びでもしたら、地面(・・)に向かってひたすら歩き続けるだろうね。

 

 だから、2回目に『障害物があれば右に曲がれ』という命令を同じ魔法で書き込んで追加する。これで、お終い。気づけば日はすっかり暮れており、家の壁を前にして既に動かなくなったゴーレムが佇んでいるだけ。途中で誰かがゴーレムの横を通り過ぎたことがあったんだけど、その時は森の中まで歩いていってしまったらしくてゴーレムは帰ってはこなかったよ。


 でもボクはめげなかった。1日2回しか使えない魔法でゴーレムを動かす魔力の充填と追加の命令を書き込む。ボクが作るゴーレムは動きっぱなしだと早くて3時間くらいで動かなくなってしまうからね。…少し前に魔力をボクの魔法以外で補充できないかと考えたんだけどダメだった。御爺様の魔力を入れるとやはり質が違うからかゴーレムの崩壊が始まってしまった。


 これはゴーレムを構築する素体が単なる土くれだからかもしれない。もし金属なんかで作ったゴーレムならば…と言うのは簡単だが、それは御爺様をしても不可能な領域で【土】に別の性質、いわゆる【炎】や【水】なんかを加えてしまうともはや別次元の魔法らしい。御爺様が言うには、"属性付与の動像(エレメント・ゴーレム)"や"上位動像の創成(グレーター・ゴーレム)"などの上級魔法(ハイ・マジック)がそれに値し、そんな高レベルの魔法を使える者はこの世界で十指に満たないであろうと言っていた。御爺様は自身のスキル【土木魔法】で上級魔法(ハイ・マジック)を使用できるが、それでも年に数回使えるかどうかだと言う。相当な負担が掛かるのだろう。


 それならばと、オニキスをゴーレムに埋め込んで魔力の回路を流せばと考えて相談してみたのだが、先人に既に試した者がいたらしい。ただ、結果は暴走した挙句にモンスター化と散々たる結果となったと御爺様から教えられてガッカリした。…やはりオニキスを安全に利用するには無理があるのだろうか?


 ただ、粘り強く魔力の充填と命令の追加を数日繰り返して行くのだが、途中でダメになってしまう。命令の重複によるゴーレムの混乱だ。動きが挙動不審になり、その場でグルグル回りだしたり、うずくまって動かなくなったらもう末期だ。ボクが6歳のころから始めたゴーレムの研究だが、未だにこれといった改善策は見つかっていない。う~ん、やはり追加の魔法による劣化、いや階層化か…やはりこれまた自分の魔力の低さを悔いるばかりだ。


 

 だけどね。そんなボクを、否っ!世界中のゴーレムマスターを嘲笑うかのような存在が目の前にいる。な、なんなんだ…!ホントにコレは…!?

 四足歩行…モンスターの形をしたゴーレム?確かにコレとそっくりのものを作れと言われたら多分可能だと思う。でもソレは単なるモンスターの置物だ。目の前のコレはまるで違うじゃないかっ?!

 鳴き声を上げた? 目をパチパチと瞬きさせている? ボクらを見ている? 何故そんな意味のない命令を書き込んだんだろう…? 違うっ!ボクだけじゃあなくて姉さん、御爺様、ボンレスの兄ちゃん、そして後ろを振り向いてザイン様を見ているっ…!認識しているんだ…もはやコレはゴーレムじゃないでしょ? れっきとした意識と知性を持った…生き物(・・・)だよ…。



「あ、あのザイン様? コレは…」

 姉さんが恐る恐るザイン様の掌を指さす。

 御爺様は涙を流して印を結び、小さく祈りを捧げている。…気持ちはわかるような気がする。


「おっ?キナは気に入ったかな。コレはなぁ~…"ウマ"だっ!可愛いだろ~?」

 そう自慢気にかざす掌にそのゴーレムは頬を擦りつけて甘えるような仕草をとる。…やはりゴーレムなのかもしれないが、もはや生き物だ。つぶさに観察すれば排泄孔などの器官は見当たらないないが、そういう生き物なのかもしれないし…御爺様ならばきっと知っているはず!


「御爺様、ウマとは何ですか?」

「…(ブツブツ)「御爺様っ」はっ!お、おお。ウマか? うーむ、恐らく見た目からして遊楽馬(ワンダラー)の類のモンスターを模して作られたゴーレムなのであろうが…あまりにも見事だっ…!ワンダラーはこの辺にはあまり生息しておらなんだが、群れで行動し、人語を理解するほど知能も高く魔法も使う。しかも好色で有名な獣でのう、若い娘を狙ったりもする。まあ、固有種の角の無いユニコーンや翼の無いペガサスという線もあるがのう…」

 やはり存在しているモンスターを元にしたゴーレムなのかな? だけど、一体どんな高度な魔法を使ったらこんな風になるんだ…?もしかすると、


「…御爺様、これは召喚された魔法生物とやらですか?」

 魔法生物。それはゴーレムをはじめとする命無き世界から呼び出される使役の獣。召喚魔法は特別なスキルか呼び寄せるものによっては上級(ハイ・マジック)以上の魔法から為せる特殊な魔法のことだ。ボクは自分で口にしたものの、多くの召喚魔法がなんらかの触媒を使うものを知っていた。しかし…


「いいや。”魔力の門”は開いてはおらなんだ。それはお前もわかっておったろう、エダマノ? それに流石に召喚ともなれば【光】か【闇】の属性スキルを持っておらねばならぬはず…それに触媒も特別使用した訳ではなかったようだし、恐らくは自らの魔力のみで生み出されたのだろうの」

 やはり…召喚魔法は実は1度だけ見たことがある。その際、召喚者に魔力が溢れ、背後に"魔力の門"と呼ばれる別世界とを繋ぐ亀裂のようなものが形成されるものなんだよね。


「さっきから…ゴーレムって言ってるけど、コレは馬だぞ?」

「…でもこのウマ。オシリの穴とか無いよね?」

 ボクがそう答えるとザイン様はしげしげと自分で作ったはずのゴーレムを眺める。

 そして息を吐いて苦笑いを浮かべる。


「あちゃ~。取り敢えず全属性をつぎ込んで馬を作ってみたんだがなぁ~。悪いな、お前? 性別とか考えてなかったよ。とりあえず生きているけど色々と問題点はありそうだな。後でまた考えるとしよう。自分のイメージの貧困さがイヤになるぜ」


 …貧困って。そんな魔法を使って見せておいてそんな事言われたら世の中の魔法使いの大半が泣き崩れるよ。…というか『生きている』って言ってなかった? そんなのもう魔法どころじゃあ…

「ザイン様っ!そ、そのコを触らしてもらってもいいです、か…?」

「いいよ。…あ、そこまで丈夫に作ってないから握り潰さないようにね?」


 ザイン様が恐ろしいことを言って尊い小さな生き物を姉さんの手に委ねる。姉さんはとろけるような表情をしてウマを指先で愛でている。ボクも触らせて貰ったが本物の生き物ように温かい…!しかも魔力の流れが単流じゃあない(魔力にも鼓動があるようなものと解釈して欲しい)からこのゴーレムは本当に生きているんだ!…調べたいが、下手なことをするとボクが姉さんに引き裂かれる可能性が高いのでやめとこう。ただ、ザイン様には早速詳しく話を聞くとしよ…

「儂が基礎魔法をお教えしただけで、ザイン殿はっ!イヤ、もはやザイン殿こそが我が師ですぞっ!お頼み申すっ!どうか私めを弟子にして頂きたいっ」


 ボクなんかよりもよほど魔法に傾向した者が身内にいたことにボクは気付いたよ。


「オイオイ、爺さん。俺はまだ魔法を習ったばかりで偉そうに教えられることなんてあるわけないだろう? それにだ、今後難しい魔法があったらまた相談させて欲しいんだよ。まだまだわからないことばかりだしな。爺さんが聞きたいってことは出来る限り答えてみるからさ? …それに今日中にひと通りは試したいからな。あ~後、俺の魔力についてなら心配いらないからな~」

 既に今日50回以上も魔法を使っていたと思うのだが…もはやその話に触れないほうがいいんだろうね。そうするとザイン様は口を開いた。


「ねえ、君ら馬車って知ってる?」

「「「「バシャ?」」」」 

 バシャ? なんだろうそれは?


「ん~馬車ってさ、馬に引かせる乗り物なんだけどさ…こんな感じで」

 ザイン様は拾った枝で地面に絵を描き始めた。それは四足のモンスターがなにか車輪が付いた台を引っ張っているような絵だ。


「おお!コレならば儂も知っておりまする。調教されたバイオレット(他の色と敵対するモンスター)に荷車を引かせているという話を聞いたことがあるので…確か獣車(キャリー)と呼ばれるものですな」

 へえ、コレがそうなのか。確かに聞いたことがある。ただ、あまり人を乗せたという話を聞かないなぁ。


「なるほど、それなら作っても大して問題無さそうだな? …悪いな、皆、ちょっとこの辺から退いてくれるか」

 そう言われたのでボクらはザイン様が描かれた絵を覗き込むのを止めて離れた。皆との距離を測ったあとザイン様は何故か御爺様が作ったシェルターをしきりに撫でると戻ってきた。そして腰から何故か数枚の毛皮と革紐、酒瓶と折れた剣を数本取り出した。


「よしっ… ―――"馬車の創成クリエイト・キャリッジ"」


 そこには4つの大きな車輪の上に人が2、3人座れそうなベンチと四角い()が乗っていた。コレが、馬車(・・)

「ふぅ~。まあ、なんとか形になったかな?ちょっと、中に入って確かめ…」

「「おおおおおっ?!」」


 ボクと御爺様は堪らずに馬車へとへばりついていた。

 何だコレはっ!何なんだコレはっ?!

 確かにあのゴーレムは魔法の頂点に立つ者でなければ成しえない魔法の極致なのかもしれない。だがしかしっ!ボクには目の前のこの未知の技術の集大成の方がよほど魅力的だった。


 目の端でザイン様や姉さん達がボクらの奇行に引いているようだが、構うものかっ!これは技術の探究者が求めてやまない未知との遭遇なのだからっ。


 なんだこの車輪の美しさはっ!まるで月の如き真円だ。装飾といい、ドアの作りといい、内装といい!他にも今までボクが知りえないことだらけで頭がいっぱいになる。駄目だ興奮し過ぎてもう…立ってられない!嫌だっ!こんな夢の塊を目の前にしてっ、ボクは、まだ聞きたいことが沢山あるんだっ…! 御爺様だけ、ズルイよ…


 ボクの意識はそこで途絶えた。



 ボクが目を覚ますと既に朝になっており、気付けば当然のように馬が曳く馬車の中に乗り込んでおり、後2日かかる距離がある目的地もはや目の先までに迫っていた。


 ボクは朝から数時間、興奮のあまり飛び跳ねていた反動なのかマトモに動けなくなってしまい、ただひたすらに窓から外の景色を眺めていた。馬車の中は艶やかな毛皮が張られ、柔らかくとてもフカフカだ。ボクはこの風景を眺められる機会を逃したくなかったので、ひたすらに睡魔と戦っていた。

 

 …しかし、やはりザイン様は人間ではないようだ。使徒(・・)というものがどういうものなのかボクは未だに把握できていない、むしろそもただの人間のボクには理解できない領域なのかもしれないけどね。なにせ――



===(出立前の朝)===



「ええっ!こんな小さなコに、大きな馬車を曳かせるんですかっ」

 姉さんがザイン様からその小さな馬を必死に庇う。

 …いやそれ、ザイン様が作ったゴーレムなんだからちゃんと返しなよ?


「流石にその大きさじゃあ無理だよ。キナ、頼むから馬をチョット地面に置いてくれないかな?」

姉さんは渋々しゃがみ込むと馬を手からそっと放した。


「"改造(グレードアップ)"」

 ザイン様がそう唱えると、馬は見る見る内に地面の土を吸い上げて、2メートルほどの大きさになってしまった。

 それを見て皆驚き、思わず後ずさってしまったほどだったよ。

 

 やはりザイン様は規格外のひとだ。…ただ、馬のゴーレムといい、馬車といい、知らない(・・・・)ものを魔法で再現することはできないんだ。それが創成魔法の絶対的なルール。ザイン様がさっき教えてくれた馬車ではなく、車輪のゴーレム"自動車"はとても興味深い話だったし、ボクの知らない、もしかしたらこの世界に無い知識をまだ沢山持っているかもしれないしね?


 だから、ボクも心からザイン様についていくことにしたよ。きっと退屈はしないはずだから。魔力の少ないボクでも、きっと皆の役に立てる時がくる…はず…


 ボクはこれからやりたいことをアレコレ考えながら背もたれに身を沈めると、静かに目を閉じた…






===(馬車の外、御者台)===



 ザインが作り出した馬車の御者台にはふたりの姿があった。


 ひとりは馬車をこの異世界に作り出した張本人のザイン。もうひとりは初めて乗る馬車が怖いとザインの腕に抱き着くエルフと獣人のハーフである少女、キナであった。

「結構揺れるな? 俺、御者なんてやったことないから全部口頭で馬に任せっきりだけど」

「ス、すいません…ザイン様」

「い、いや気にすんなよ。腕がとってもシアワセ…じゃなかった俺は気にならないから」


 見様見真似で作ったザインの馬車の外壁や車輪はナットーの"土の繭(シェルター)"を模して作った硬質なものであり、木製のものよりもずっと頑丈ではあったがゴムタイヤのように衝撃を吸収できるものではないし、またいくらか選びはするが舗装もされていない荒野を進むのだ。多少以上の揺れは致し方無かった。

 ただ、ザインは常時幸せそうな表情を滲ませていたが。


「そういえば馬?ですか、このコは今後どうなさるんでしょうか?」

「う~ん、話を聞けばゴーレムだってんだが、ノリで作ったとはいえ立派に生きてるしな~。それに可愛いし、普通の馬みたいに馬糞(ボロ)も落とさないしな!正直、気に入ってるから今後も世話してこうと思ってるよ。俺が曳いても良いけど、やっぱり馬車には馬がいなくちゃな」

 それを聞いてキナが微笑む。


「良かったです!私もこのコ好きなんです。なんて言えばいいのか…こんなに人に懐くモンスター…あ、ザイン様がお創りになられた馬が可愛いとは思えなくてっ」

「ああ、この世界には動物の代わりにモンスターだからな。無理もないさ…ところで、そんなに気に入ったならキナがコイツに名前を付けてやったらどうだ? …俺はどうやらネーミングセンスがないようなんでな」

 そうザインが仰ぐように馬車の屋根を見ると、いつの間にか戻ってきていた褐色の少女が胡坐をかいて座っていた。彼女はザインと視線を合わせるとむつかしい顔をしてプイと視線を逸らしてしまった。


「まったく、やれやれだぜ…」

 そうザインが独り言ちている内にも順調に馬車は目的地へと距離を進めていき、周りの風景がチラホラと変わり始めていた。


「あ!ザイン様、赤と白い土でできた建物が見えはじめましたっ。恐らくコレが御爺様の言っていた【パアルス遺跡】で間違いないと思います」

「そうか。思ったよりも早く着きそうだな。キナ、悪いが後ろの窓から爺さんに確認を取ってくれないか?」

「はいっ!」

 キナが御者台の窓から馬車の中に顔を覗かせる。


「さてさて…第1目的地に間もなく到着。っと」


 こうしてザインと、エルフ獣人の少女と少年、エルフの老人と山賊の青年を乗せて馬車は進んでいく。

 目の先にある目的地へと。

 そこには一体何が待ち受けているのだろうか…




 【馬】

 馬。名前はまだ無い。

 ザインがかなり適当に馬をイメージして作ったゴーレム。

 ただし、生きているので食事も可能で知能も人間に近いほど高い。

 肌は黄色で毛はオレンジ。ザインのセンスが問われる。

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