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また、あの夕日の輝く公園で  作者: 蒼谷ゆう
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~2章(前編)~

5月、高三になってから初めての模試があった。僕は文系の三教科受験だ。

模試の日は学校の日より長く寝ることができ、気持ちよく目覚めることができた。

少し早めに会場に着くように早めに家を出る。会場は、近所にある大学で桜が散り道がピンクに染まっている中を進む。

「模試終わったら遊ぼうよ」

「いいねどこ行く?」

どこからか浮かれた声が聞こえる。

高三とはいえ、まだみんな浮かれている。しかし、少しずつ部活を引退し、受験へ思考を切り替え取り組み始めている人が増えてきている。

僕は、高三からは1度も部活へ行ってないが趣味と言っていいのか分からないが読書をする時間を少しずつ勉強に費やしはじめている。

大学に着くと高校からは考えれないほどの広さだった。

教室の席に着くと昨日の高木さんからのメールを見返した。

"明日、模試だね!頑張ろ!"

何故か、少しやる気が湧いた気がする。最近夜に彼女とメールのやり取りをするのが日課になり始めている。

なんて考えているとそろそろテストが始まる時間になった。

テストには、あまり集中出来なかった。

高木さんがなぜ桜を見て泣いたのか。そして、その高木さんを見てなぜ昔の初恋の幼馴染を思い出したのか。

それが最近、ずっと引っかかっていた。

「まさかな…」

ふっと一息吐き、テストに集中するように務めた。

最近、勉強をしていたおかげか案外解けた。

「お疲れ様ー!」

高木さんだ。確かに疲れた。

「お疲れ様。調子はどう?」

「んー、まぁまぁかなー。たけるくんは?」

「けっこう解けたと思うよ」

高木さんは少し驚いた顔で

「え!ほんとに?頭いいんだね!一緒に勉強してるんだから教えてよー!」

「頭よくはないよ。まぁ、僕が教えれる範囲でなら教えてもいいけど」

高木さんは目を輝かせた。

「ありがと!いやー心強いよ!」

「なんか、荷が重いなぁ」

高木さんはとても楽しそうだった。

「今日は用事があるから。じゃぁ、またメールするね!」

彼女は、満足そうな笑顔を浮かべ帰った。

僕も帰ろうかな。そう思った時

「ねぇ、岩崎健くんだよね?」

不意にこえをかけられ少し驚いた。そこに立っていたのは、清楚で静かそうな女の子だった。

「えっと、はい。岩崎健です。あなたは…」

「あっ、ごめんなさい!私の名前は木村美月です。よろしく」

「こ、こちらこそよろしく。同じクラスだったよね?」

確か、席が近かった。

「覚えてくれてたんだ。うれしっ」

「まぁね。で、どうしたの?」

彼女は目をそらした。

「いや、どうってことはないけど最近、高木さんとか森本くんと仲いいじゃん?そこになんて言うか、混ぜて欲しいというか…ダメかな?私あまり友達がいなくてさ。」

確かに彼女の仲いい女の子は?と問われると失礼かもしれないが出てこない。別に断る理由もない。多分、高木さんも喜ぶだろう。

「多分、大丈夫だと思うけど」

「よっ!たける!」

この声は、圭人だ。

「けいとくん。模試できたの?」

「いやー、部活であんま勉強してなくてさー。全然だよ。で、この子は?」

あ、紹介し忘れてた。木村さんも少し困った表情を浮かべている。

「あっ、えっとー、木村美月さん僕の友達だよ!」

少しぎこちなかったかなぁ…けいとくんの反応がいつもと違った。

「友達いたんだ…」

けいとが、からかいながら言った。

「失礼な!僕にも何人か友達いるよ!」

「ごめんごめん冗談だよ。木村美月さんね、よろしくね!」

僕は少しむすっとした顔をした。それを見て、けいとくんは笑った。

「よ、よろしくお願いします!あ、あとみつきで大丈夫です!」

彼女は、頬を少し赤らめたような気がした。

「みつきか、わかった!じゃぁ俺の事は、けいとって呼んで!」

「は、はい!」

彼女は満面の笑みを浮かべた。

「けいとー、今日も午後からの練習一緒に行こうぜー」

「オッケー、すぐ行くー!じゃぁな、みつきとけいと今度遊びに行こうな!」

けいとくんは走って行った。

「サッカー部は模試の帰りにも練習があるんだね。本当にお疲れ様だね。」

確かに、僕も思った。

「そうだね。じゃぁ、そろそろ帰ろっか。」

「まぁ、そうだね。あ、そうだ!もしよかったらなんだけど、近くのカフェで新メニューが出たらしいから行かない?早く飲みたくてさ」

僕は帰るつもりだったけど、少し新メニューが気になった。

「用事もないし、いいよ。行こっか」

初めて会った、いや初めて話したの方が適切か。そんな彼女とカフェに行くのには何故かあまり抵抗はなかった。

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