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異世界大蛇の黙示録  作者: キュアノスクオン/お餅つこう
第1章 始まりの蛇
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第4話 龍との邂逅

彼はゴブリン達から必死で逃げていた。

そのせいで、前方注意なんてろくにできていなかった。

もしかしたら、龍が緑だったのも効いたのかもしれない。

だが、どんな理由を付けようと、タックルしてしまったのは変わらない。

龍は起きてしまったのだ。

時間操作系スキルなどがない限り、なかった事にはできない。


「うっひゃぁ、やっぱり龍って強いんだよね?ね?うっはー!やっべぇ!

これ、もしかしたら、殺されちゃうかも。

冗談言ってる場合じゃねぇ!

死んでみたら夢かどうかわかるかもだけど、ソードでアートなオンライン的な世界とか、現実だったらホントに死ぬうぅ!

おりゃぁトンズラするぜ!まだ蛇生も満喫してないしー?」


まぁ、彼自身も茶色なので、ギリーだから逃げやすいとは思うが…

龍を目の前にして逃げられるほど甘くはなかった。


『我の眠りを妨げたのはお前か…?』


彼は思わず立ち止まった。


「ギクッ…」


『おい、そこの蛇、お前か?』


「い、いえ、違います。私じゃありません」


『ほほぅ、我を前にして嘘をつくか』


「い、いや、ホントです。ホントにやってませんです、はい」


『…嘘だな?スキルを使わなくてもわかる様な嘘をつくな。』


「………(バレてらぁ…それに、逃げても普通にプチッてやられそうだな)」


『ん?無視か?我の言葉を無視するのか?』


「い、いえ、滅相もございません。」


『蛇、お前は我に攻撃した?そうだな?』


「(これは言い逃れできなさそうかなぁ)

い、いえ、たまたま当たってしまっただけです。すみませぬー!」


『なら、完全にお前に落ち度があるということだな?』


「(本当はゴブリンのせいなのに…)

は、はい、そうです。(てか、なんで心の声とか伝わってるんだ?龍も口動かしてないのに、頭に声が響くし…さっきスキルとか言ってたけど、この夢ってスキルとかある系かな?で、【念話】とか?【念話】の権能で言葉とかも通じてるん?)」


『ならお前に罰を与えなければな』


「(え、何、お前裁判官?違うだろ!勝手に決めんなよー?!)そ、そうですね。」


『お前は我を5時間飽きさせずに楽しませろ。それが罰だ。寝ていたのも元々は暇だったからだしな。あぁ、失敗したらもちろん殺すぞ?』


「(え、なに、どんな展開?!こいつそんなに暇してたの!?

まぁ、瞬殺されるよりは良いけど………いきなり5時間楽しませろって言われても……、あぁ、俺の蛇生ここで終わったな…てか、この夢での5時間って現実世界じゃどんくらい?)」


『何を黙っているんだ?償う気がないならそう言え、楽にしてやる』


「は、はい、わかりました…やります、まります。超やります!(やれば良いんだろチキショー!!」


『うむ、良い心がけだ。』





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


それから、ひたすらに頑張った。

木に登って落ちたりした。

自分で自分を巻いたりした。

昔話を話した。

龍とかが倒さるシーンが来ないように気をつけて、オタク話を披露した。

ここに来て、今まで無駄に蓄えてきていた知識が役に立った。

5時間耐えきった…!

そう、耐えきったのだ…!

死ななかった!

ふぅーい!


ちなみに、5時間は、現実の世界の5時間と同じだった。

自分でも耐えられるとは思っていなかったので、自分で驚いた…。

意外と異世界系が受けたな、宇◯の戦士、とかも楽しんでいただけたようだけど。

1番喜んでいたのは、◯ロ◯ンガ◯生だった。

変態か、あいつ。

龍のくせに。

もっとかっくいぃ感じな龍いないかな。

いや、萌えるのはわかるんだけどもね。

わかるんだけど、龍のイメージと合わないんだよね〜

まぁ、いいか。

取り敢えず、事後報告でもしよう。


あの後、すっかり機嫌が良くなった龍に、質問をしてみた。

その成果の1つ。

この夢にはステータスがあるらしい。

何?ステータスがわからない?異世界系小説よんでこい。

まぁ、要するに、自分の力の強さとか、速さとか、技能とか能力を、文字や数字に起こしたものだ。

それがステータス。

そう考えておけばいい。

だが、ステータスは、鑑定系スキルを使わないとみれないらしい。

そりゃぁ、今の俺では見れないわけだ。

もちろん、試していたんだが…絶対鑑定系スキルホルダーになってやるぜい!




2つ目が、スキルはやはりあるようだ。

だが、ユニークスキルやら、エクストラスキルやら、そういうものはないようだ。

強いスキルとか、使えるスキルとかの、序列っぽいのはあるらしいが。

その代わりと言ってはあれだが、種族によっては、種族固有スキルがあると言っていた。

ちなみに、俺も種族固有スキルを有しているとのこと。

まぁ、それは後でいいや。

かなり気になるけどな!

それと、スキルの取得方法は、先天的なものもあるのだが、基本的には努力で手にいれるらしい。

今現在、どのように努力したらどのスキルが取れるかわかっているのは、3000個ほどだけだとか。


あとは、『称号』によるスキル取得。

『称号』っていうのは、かなりの人数にそう呼ばれたり、何か偉業を成し遂げたり、人がやらないような事をすると、それを成した記録として、表示されるものだ。

『称号』は、何らかの利益をもたらす場合がある。

それは能力であったり、スキルであったりする。

例えば、『竜殺し』の『称号』を取得したとすると、竜に攻撃が入った場合だけ、攻撃力が増えたりする。


他には、職業によるスキル習得がある。

職業についた状態で経験値を稼ぐと、職業のレベルが上がって、スキルを習得できたりする。


それ以外だと、スキルオーブなどがあるが、一般的なのは前者なので、基本的に無視でいいとのことだ。


3つ目が、現在の位置だ。

この森は、

『エリーミス森林』

というらしい。

ちなみに、名付けたのは、オモーチツ・コウって人らしい。

この森は、かなり広いらしく、例えば、森の端っこから、森の端っこへ、直線距離を時速100kmで200年間も進んだとしても、50分の1も進めたらいい方だ。

そのくらい広い。

頭おかしいくらいに広い。

世界全部が森なのって思っちゃったくらい広い。

えと、俺の計算だと、時速100km で約17日走ると地球一周できるんだけどこの森どんだけ広いの…?



その後、彼は何故か龍に友達認定されて、スキル【龍魔力】を教えてもらってから、その場から解放された。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ふぅ、助かったぁー!

それにしても…

クッソォォ!

あのゴブリン共、覚えてろよー!

いつか強くなって仕返ししにいってやるぜ!

目標だな!

まぁ、最初にちょっかいかけたの俺なんだけどね!




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


彼は、2つ目の、強くなるという目標を持って、またスルスルと歩き始めた。

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