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スペースオペラっぽい話  作者: jammer平
俺は宇宙の配達屋?
1/10

第1話

初めまして!

初投稿になります。

のんびりマイペースで書いてるので気長に読んでもらえると嬉しいです。

クソったれに広大な銀河。


 そんな銀河の大半を強力な軍事力と言う暴力で統一と言う名の支配をしたのが銀河連邦。


 そんな銀河連邦領の端っこで20年前までは反銀河連邦の独立国家が治めていたが、今じゃ銀河連邦との戦争で普通の人には生活出来ない環境になっちまった死の惑星ロルヴァ。


 その惑星ロルヴァの衛星軌道上にあるのが元軍事衛星の衛星都市シルヴァ。

 ここは惑星ロルヴァの最終防衛ライン上に国がかなりの借金まで抱えて建造される予定の巨大宇宙要塞だったんだが、建造中に銀河連邦に惑星を直接攻撃され死の惑星に変えられて国自体が無くなっちまったんで、既に完成している動力部と一部の設備の状態のまま放置。


 その後に惑星ロルヴァの埋蔵資源がかなりの量が眠っているとの調査結果を銀河連邦が公表しちまったもんだから、この惑星はゴールドラッシュを迎えるんだな。

 一攫千金を夢見た者達が大量に押し寄せ惑星ロルヴァを堀尽くそうとしていたんだが、世の中そんなに甘くはない。

 何故かは知らんが、この惑星独自の進化したと思われる巨大で凶悪な生物や、銀河連邦との戦争時代から稼働していると思われる無人兵器が作業員を攻撃してくるもんだから死亡率が半端なく高かった。


 そこでベースキャンプとして目を付けられたのが、建造途中に放置されたシルヴァだ。

 何もない宇宙空間、お宝の近くに動力やエネルギーがあれば人が集まってくる。

そんなこんなで動力部を中心に増改築を繰返し巨大化した元軍事衛星が、衛星軌道上の都市「衛星都市シルヴァ」と呼ばれるまでになっている。


 そんなシルヴァの寂れてきた第3商業区域の空気清浄が若干よろしくない、ちょっと路面整備されなくて気持ち凸凹してるがメインストリートであるブラウン通りの、街灯が少なく少し暗い脇道を入ったところにある、綺麗とは言い難い雑居ビルの3階に事務所を構えているのが、ヤマダ何でもカンパニーである。


何の会社かって言うと、名前の通り何でも屋だ。

 小型ながらも輸送船も所有してるから、金の無い採掘者(夢見る馬鹿)を低料金で惑星ロルヴァまで乗せて往復(帰ってこない連中が多いが)や、人探し、ペットの捜索等々、俺のmoralが許す範囲の仕事を請け負っている。


 今も町内会の依頼で下水道内に不法投棄された小型熱核エンジンの処分と残留放射能の洗浄をやって来て一息ついているところだ。

 そして先程から思索に更けている俺様こそ、このヤマダ何でもカンパニー社長のケン・ヤマダだ!

いつか億万長者になって、自伝を出すことになった時の思考的シュミレーションとしての出だしはこれでバッチリだな!


 15㎡の広さの少しばかり散らかってる事務所には俺を除いて2名の人間がいる。


 一人はTシャツにジーパンと言うラフな格好に白衣を羽織った鮮やかなピンクのモヒカンにミラーシェードの初老と言って良い感じの男、彼はうちの会社のメカニックがメインのジョージ・バージニ。

 彼とは会社設立以前からの付き合いなんだが、化石燃料エンジンが大好きでワンボックスの社用電気自動車のモーターエンジンを外して化石燃料エンジンを取り付けた程だ。


 もう一人はこの会社の紅一点で名はアン・シャーリー。

赤い髪をボブカットにした美人と言う事はなく、かと言ってブスと言う事はない、そばかすが少し目立つ20代前半の女性で、細い身体でtinyな胸に安産型の大きめのヒップ、少々ムチっとした太股のマニア受けしそうな体型だ。


因みに俺は良いと思う。

俺は凄く良いと思う!

彼女は経理等の事務仕事がメインになっている。


 この二人に、簡単な事務処理や受付を行ってくれる、遥か昔に実在していたと言われるタヌキをディフォルメしたマスコットロボットの「どすこいポン太君」を入れたメンバーが我が社の従業員となる。





 小汚くて狭い事務所にある3つの古びたオフィス机の一つに両足を預けて椅子に座って寛いでる、無精髭にボサボサの黒髪、作業用のツナギを着た中年に入ったばかりと思われるイケメン。

 彼がこのヤマダ何でもカンパニーと言う変な名前の零細企業の社長、ケン・ヤマダさん。


キチッと身嗜みを整えたらナイスミドルなのに残念。

 それとネーミングセンスも致命的な感じ。

会社名もだけど、どすこいポン太君ってどすこいの部分必要?と常々思っている。


それと時々私の身体を見つめてる事があるのだけれど。

 触って来ないだけ紳士的だけど、私みたいな胸の無い下半身がちょっと太めな身体を見て何が楽しいのだろう?


 自分では多少コンプレックスなのだけどもそれを知ってか知らずか、社長さんは稀に見つめた後に凄く男らしい笑顔で私にサムズアップしてくるので対応に凄く困ります。


 そんなどうでも良い事を考えながら事務所の人達に安い人工珈琲を淹れてる私は、この会社ではアン・シャーリーと名乗っている。


 いや、名乗らせて貰っているが正しいかな。

元々はシルヴァの大手輸入業者「クォリティー」の事務として働いていたのだけれども、ちょっと問題を起こして命を狙われ、襲われていた所を助けてくれたのが社長さんです。


 メカニックのジョージさんと社長さんは元々独立国家ロルヴァの軍人だったらしく、社長さんは特に史上最年少の士官って大騒ぎだったらしいです。


 助けてくれた時の社長さんは元軍人に相応しい、鍛え上げ洗練された動きで悪者共をバッタバッタと倒して凄くカッコ良かったな~。


 人工珈琲の入ったマグカップを配り終わり、休憩だからと今時珍しい平面スクリーンのテレビを点ける。

ニュースが流れており、比較的近くの惑星で未曾有の大災害が発生しているとの事。

 業者が儲け最優先で適当な惑星改造でもしたのかな?


 自分の席に戻り、自分用のマグカップから人工珈琲を啜る。

確かに安っぽい味がするけれども、天然の珈琲なんて飲んだ事が無いから、この味でも不満はないかな。


…それで私を助けてくれた社長さんが暫く身を隠すなら社員にならないかと誘われたんだよね。

 社員になれば会社発行のIDで違う名を名乗れるからと。

アン・シャーリーと言う人物は会社が責任を持って保証します。となるわけで、そんな危険を自ら買って出る社長さんは素敵だなと思う。


 久しぶりの肉体労働で疲れているのか、まとまりの無い思考だなと苦笑いしつつ、今回の報酬を台帳に記録しようとコンソールに向かったところで、入口脇にあるゴツくて大きな軍用通信機がコール音を鳴らす。

 これはジョージさんが前の職場であるロルヴァ軍で使っていたものを流用して設置した物です。

通信機に向かい、通信用インターフェースをとる。


「はい、こちらヤマダ何でもカンパニーです」

努めて事務的に応対をする。


『こちら区議会議員ピーター・ハインズの秘書のバーナードと申します。この度はシルヴァ内に宇宙船を有する全ての会社に依頼がございます。つきましては明朝09時にシルヴァ厚生年金会館の大ホールまでご足労願えないでしょうか?』


 通信モニターには皺の一つ無いビジネススーツを着こなしたブロンド美女がビジネススマイルで映っている。

区議会議員!?


「確認しますので少々お待ち下さいませ」

意外な大物からの依頼に動揺が声に出ないように注意しつつ保留ボタンを押す。


「社長さん!ピーター・ハインズ区議会議員から宇宙船を持ってる会社全部に依頼があるから、明日の9時にシルヴァ厚生年金会館に来て欲しいって話ですが!」

と一気に伝える。


 よく噛まなかったと自分を誉めちゃう。

自分の机で山の様に積み上げたガラクタに見えるものを弄っていたジョージさんと、寛いで人工珈琲を啜っていた社長さんが顔を合わせる。

 私には二人とも微妙な表情をしてるように見えるのだけれども。

 いつもなら社長さんは不敵な笑顔でサムズアップするのにどうしたんだろ?


「よりにもよってピーター・ハインズか。あ~、シャーリーちゃんお伺いしますと伝えておいて」

社長さんが頭を掻きながら言ってくる。

私は先方に了承の旨を伝えて通信を終了させる。


「社長さん、何かあったんですか?」

気になっていたので素直に質問する。


「いやぁ、ピーター・ハインズ区議会議員ってblackな噂が絶えなくて引っ掛かったんだよね。でも、うちらみたいな小物相手に何かする必要も無いよね」

と社長さんが苦笑いしながら人工珈琲を口に運ぶ。


「そうじゃな。何はともあれ依頼を聞いてからでも問題無かろう」

ジョージさんも同じ様に人工珈琲を啜る。


「ではでは、明日の為に色々と準備しておきますか!」

と社長さんが空になったマグカップを机の上に置いて立ち上がる。

明日から忙しくなるのかな?

次のお話は一週間後を目処に予定してます。

気長にお待ち下さい(^_^;)

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