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侵略された夏

 



 宇宙人が地球に攻撃を仕掛けて約半年が経った。

 夏の空に、今日もUFOが飛んでいる。


 宇宙人たちは、こちらから攻撃を仕掛けると防衛のために反撃する。

 なので下手に刺激さえしなければ、戦闘になることはない。



 ただ人間というものは愚かなもので、自分より上の存在がこの地球上にいることが許せないらしい。

 勝てる見込みがない闘いを、度々挑んでは敗北していた。


 噂によると半年前に始まった宇宙人との戦争で、今日に至るまでに全世界の軍人の半分以上が戦死しているそうだ。






 そんなこんなでこの御時世。

 景気が良くなる道理もなく、仕事がない者は女子供であってもとりあえず軍に入隊する。

 世界規模の緊急事態でも、食いっぱぐれがないことはありがたい。


 入隊の理由は様々だった。

 不景気の影響で職を失った人間。

 宇宙人に家族を殺され復讐を誓う人間。


 戦争が好きな人間。

 平和を願う人間。

 手っ取り早く死にたい人間。



 そんな多種多様な人材が集まると、当然人の輪に入れない不器用な人間も出てくる。

 当の本人は入れないのではなく、入らないのだと主張しているが、

 誰が見ても少女の場合は前者だった。




 少女の外見はお世話にも褒められたものではなかった。

 寝癖なのか分からないくらいボサボサに乱れた髪。


 よれた軍服。

 華奢な体躯。


 年齢はおそらく14歳前後。

 そしていつも死んだ目をしている。


 友人はおろか、少女に話しかける人間は誰もいなかった。



 それもそのはずである。

 彼女は入隊式の挨拶で「死ぬために入隊しました」と言ってのけた。


 有事でなければ叩き出されるのだが、軍は彼女を受け入れた。

 それほどまでに人材が不足しているのである。



 ちなみにそういう人間は戦闘になれば真っ先に捨て駒にされるので、情は移さないほうが良いというのが、ここでの暗黙のルールとなっている。





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