第1話 始まりはいつも突然に
ある木曜日のこと
「ビートルズ、倒れるだけ腹筋ワンダーコアの新作が出たらしいから買ってよ」
少年は小太郎、彼は親から買ってもらえなかった倒れるだけ腹筋ワンダーコアの新作をビートルズに買ってもらおうとしていた。
ビートルズは向かい側に住んでる堺的に有名な歌手だ。金を大量に持つので太郎君は親から断られた時にねだりにいくのがしばしば。
「しっ死んでる」
そう死んでいるのだ。
後ろから声
「ホッホッホッこれは他殺じゃのぉ」
「他殺だって!? その声は推理僧正」
推理僧正、彼は小太郎君の家の裏に住んでる僧正だ。悟りを推理に応用する推理オタクだ。
「少し待て悟ってやろう、うーーん」
「何か分かりましたか?」
「これは…… おそらくビートルズは数学的帰納法により殺された」
「数学的帰納法で!? 数学的帰納法は正義のための技のはずです、それを悪用するなんて」
「悲しい事じゃが、この世界には数学的帰納法を悪用する悪の数学的帰納法使いというものが存在する」
「悪の数学的帰納法使い……」
それは初耳だ。
「で、犯人は一体」
「うーむおそらく阿僧祗四天王の仕業じゃの」
「阿僧祗四天王…… それがビートルズを殺したのか」
「うむ、偉大なる数学者のDNAを体に取り込み魔改造された悪の数学者達だ」
そうだとも、阿僧祗四天王は四人いる。
ド・モルガンの足を体に移植したジャック
ド・モアブルの手を体に移植したジャックソン
コーシーの胴を体に移植した雀蜂
シュワルツの頭を体に移植したヘンダーソン・ハッセルバルヒ
「そんな……」
「しかもこいつらは移植したものとは別に自分のものを持っている。 つまりジャックは」
「足が四本あるのじゃ」
「まてよ、雀蜂はどうなってるんだよ」
「それは戦ってからのお楽しみじゃ」
一方、その頃高次元にある要塞
「ワシは太郎の父親であり、アンドリューワイズのうなじを体に移植したタケシじゃ、趣味はゴスペル。 太郎、ここまでたどり着け」
今戦いの幕が上がる