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すべては会議で明かされる  作者: 一ノ瀬紅
エピローグ
42/42

3 - 更にその後

 数日が経過し、明日から研修が開始されるという時も、オリヴィア達は、相変わらず第三閲覧室に集まっていた。

「遂に明日から研修が始まるわね」

 フィオナが突然呟いた。

「ここ数日色んな事があったら頭の端に追いやってしまっていたけど、遂に二年間の研修期間が始まるんだな」

「私は、『国政』でのこれからの二年をがむしゃらに頑張ってみるわ。自分にどんなことが向いていて、どんな風になりたいのか。その間によく考えてみる」

「そうだよね。この二年間を有効に使わないと勿体ないよ。僕達は、これからなんだから。どんな可能性があるのか僕も『自然』の研修の間に色々試してみるよ」

「この前のガルバラ島の一件のお陰で、『鳥獣』だって諦めていた騎士の夢も現実の夢として見られるようになったし、その中で自分に何ができるのか、俺も頑張るよ」

「俺もガルバラ島の一件でただ剣術が得意と言うだけでは、人を守る力としては弱いってことが良くわかった。『武術』で人を守れる術を多く学んでいくよ」

「皆、凄いやる気だね。僕も負けないように『技能』で頑張らないと!でも研修が始めると、皆が皆オクタビオンに居る訳では無いだろうから、今までの様に頻繁には皆と会えないかも知れないと思うと寂しくなるよね。実はさ、僕の特技で何かできないかと思って、これを作ってきたんだよ」

 ルーファスは徐に自分のカバンから六つの小さな巾着型の入れ物を取り出し、会議机の上に置いた。

「何これ?」

 フィオナが机の物を見て、ルーファイスに聞いた。

「皆のために何か作れないかな~っと思ってね。できれば身につけて貰いたいと思って、皆の分の腕輪を作ってきたんだ」

 そう言って、ルーファイスは、皆に一つずつ腕輪を渡した。手に取った五人はそれぞれ渡された巾着を広げて中身を出した。幅十ミリ程度の細身の腕輪で、表は唐草模様が細かく刻まれている。

「凄い綺麗な腕輪ね」

「流石ルーファス!俺には絶対出来ない細かさだよ!」

 オリヴィア、ランドルフはそれぞれの感想を口にした。

「人によって色が異なるようだが」

 セドリックが指摘した。

「そうなんだ。最初は同じ色の腕輪にしようかとも思ったんだけど、それぞれ似合う色とか異なるからさ。僕が勝手に似合うと思う金属を選んで作ったんだ。デザインは皆同じだけどね」

 ルーファイスは、それぞれの腕輪を指して説明した。

「オリヴィアはグリーンゴールド。フィオナは、ピンクゴールド。ランドルフは、ホワイトゴールド。セドリックは、チタン。エミリオは、イエローゴールド。僕はブロンズってところかな」

「確かに皆の個性に合っている気がするね。腕輪に埋め込まれている石は、特性の色かな?」

 エミリオが尋ねた。

「そう。これもどうしようかと思ったんだけど、折角皆特性が異なるから、それを採用にしたんだ。オリヴィアは、『国政』の青。フィオナは、『金融』の黄。ランドルフは、『鳥獣』の水。セドリックは、『武術』の赤。エミリオは、『自然』の緑。っで、僕は『技能』の橙だよ」

「なんか凄い凝っているわね。あら?腕輪の裏側に何か文字が刻まれている?」

 フィオナが、自分の腕輪を持ち上げて裏面を覗きこんだ。

「本当ね。『FORCER』? どういう意味かしら?『FORCE』なら分かるけど」

 オリヴィアが、裏側に刻まれている文字を読み上げ言った。

「意味は『FORCE』と同じだよ。『力』『パワー』って言う意味さ。腕輪の裏に何かメッセージを入れたいなと思ってさ、色々考えたんだ。それで皆の頭文字と並べてみたら、なんと『FORCE』になって!」

 6人の名前の頭文字、フィオナ(Fiona)の『F』、オリヴィア(Olivia)の『O』、ランドルフ(Randolph)、ルーファス(Rufus)の『R』、セドリック(Cedric)の『C』、エミリオ(Emilio)の『E』を合わせると『FORCE』となる。

「本当!よく気がついたわね、ルーファス!」

 フィオナが驚いて言った。

「うん!気がついた時には興奮しちゃったよ。で、皆が集まると『FORCE』になるってしたかったんだけど、これだとランドルフと僕は同じ『R』だから、どちらかが欠けても『FORCE』になっちゃうなと思って、辞書を調べてみたら、異国の言葉だと『FORCER』と書くって分かってさ、今回は『FORCER』にしたんだ。『僕達は、いつでも皆の『力』になる』『僕達六人が集まれば強い『パワー』になる』そんな意味を『FORCER』に込めたんだ」

 ルーファスは皆に力説した。

「皆が集まれば強い『パワー』になるか。凄いな。なんかカッコいいよ!」

「自分達の頭文字を並べたら『FORCER』になるなんてすごいよ。僕達の絆をこの『FORCER』は表してくれているんだね」

「『友情』とかって書かれるより、断然いいな!皆が集まった時に更に大きな『力』になるよう、俺自身の『力』も強くなれるよう頑張るよ」

 ランドルフ、エミリオ、セドリックがそれぞれ感想を言い、興奮した空気が部屋を包んだ。

「ありがとう。ルーファス!『皆が集まると強い『パワー』になる!』なんて、こんな素敵なメッセージが入った物を貰えるなんて本当に嬉しい。私、この腕輪を大事にするわ!」

 オリヴィアは、大事そうに腕輪を両手で包み、早速左手の腕にはめた。

「いつもはくだらない物が多いのに、今回のは凄いわ!ありがとう、ルーファス」

 フィオナも同じように左手にはめた。ランドルフ、エミリオ、セドリックも次々に腕輪を付けた。



特性研修が始まる日。それぞれの思いを胸に六人は自分の特性棟へ進んでいった。


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