2 - その後の6人
会議の終了後、オリヴィアを含めた六人は、いつもの第三閲覧室に戻っていた。エミリオが早速「紅茶を入れるね」とバーカウンターで紅茶の準備を始めている。
「ふぅ~やっと終わったね。偉い人たちばかりだったから緊張したよ!」
一人掛けのソファーに深く座ったルーファスが、緊張して体が固まっていたのか、大きく伸びをした。
「ただ妖獣を捕まえに行くだけのつもりだったのに、色々あったわね。特に国王の思惑を聞いていてびっくりよ」
会議室の椅子に座ったフィオナがルーファスの感想に同調した。
「皆。今回は本当に迷惑掛けてしまってごめんなさい。それとフィオナ、さっきの会議ではかばってくれてありがとう。すごく嬉しかった」
それぞれを見渡した頭を下げた。
「気にしないでよ!思ったままを言ったまでだし。ライナス信奉者の二人もあそこまでオリヴィアに言うつもりは無かったんだと思う。でも、王様とライナス様にああ言われちゃ逃げ場がなくって、つい思った以上に過激な言葉を使ってしまったのかもしれない。だけど、本人がいる前であんな風な暴言は吐いてはいけないと思うわ!私、自分の友人が理不尽な事で責められていたら、私はこれからも断固戦うわ!オリヴィア覚えておいてね!」
フィオナは右手に拳を作り前に突き出した。
「うん!ありがとうフィオナ。私も皆に何かあったら、いつでも助けに行くから!」
オリヴィアも右手で作った拳胸に置き大きく頷いた。
「今回は色々あったけど、自分達に大きな危険はなく無事終わったし。最終的に自分達の妖獣も捕まえられたし。終わり良ければ全て良しって所かな?」
エミリオが皆に紅茶を配りながら話に入ってきた。
「本当だよね。それに俺は今日『鳥獣』出身の騎士に会えてすごく嬉しかった」
ランドルフが少し興奮気味に話に参加してきた。
「本当ね。私達にも護衛が付いていたなんてびっくりよ!でも良かったわよね、ランドルフ。ベネディクト様に知り合えて」
「うん!今後ゆっくりお話聞いてみるよ!」
「本当に良かったわね」
「うん!本当にありがとうオリヴィア」
「私は何もやっていないわ」
「ううん。王様に僕が騎士になりたいこと。『鳥獣』で騎士になった人の情報が欲しいと言ってくれたからこそ、今回の機会が与えられたんだと思っているよ!本当にありがとう!」
オリヴィアに向かって勢い良く頭を下げた。
「ランドルフの役に立てたのなら良かったわ」
嬉しそうな顔のランドフルを見て、オリヴィアも微笑んだ。
「折角、こんな機会を貰ったんだ。俺は騎士になることを目指すよ!」
ランドルフは高らかに宣言した。
エミリオの入れた紅茶を飲み終えたメンバーは、さすがに今日は疲れていたのか、早めに解散になり、各自自宅へと帰っていった。
その日の夜、オリヴィアは自分の妖獣を見に鳥獣棟へ向かった。オリヴィアの妖獣フォルシアンを預けている場所へ向かうと、そこにはすでに人影があった。月光の影になっていて顔が見えなかったが、近づいていくとその人影はエミリオであることが分かった。
「エミリオ?」
「あ~オリヴィア。君も妖獣を見に来たの?」
「ええ。フォルシアンを捕まえてから慌ただしくって、ゆっくり話すことも出来なかったから、ちょっとお話したいと思って。エミリオは?」
「本当に昨日、今日と色々あったからね。僕も同じかな、ここに来たのは。ジャスターとはすごく心が通っている気がするんだ。まだ、家の調整ができていないから今日はここに預けておくけど、セドリックやルーファスの様な大型の妖獣じゃないから、自宅に連れて帰って一緒に住もうかって思っているんだ」
エミリオがジャスターの頭を撫でると、気持ちよさそうにジャスターは目をつむった。
「気持ちよさそうね。ジャスター。私もフォルシアンを屋敷に連れて帰れるか聞いてみようかな」
オリヴィアがボソッと呟いた。
「オリヴィアもフォルシアンと相性良いから、きっと近くに居たら癒されるかもしれないね」
「ええ。私、人間でも動物でも私と同じ瞳の色をした物を見たのは初めてだったから……」
「そうだね、きっとオリヴィアと出会うために生まれてきたんだろうね。フォルシアンは」
エミリオは、オリヴィアに近づいてきたフォルシアンに対して目を細めて眺めた。
「そうだったら嬉しいな」
フォルシアンの鬣をゆっくり撫でた。




