3 - 遭遇1
「お前たち、ここで何をやっているのだ」
目の前にいる二人の青年に声を掛けた。
「ライナス様! それと、マーシャル様!」
二人は驚き大声を上げた。
「何をやっているのだ?」
先程と同じセリフをライナスは二人に向かって投げかけた。口は笑っているが目が完全に座っている。
「ライナス様は何故こちらに?」
一人の青年の声を震わせ質問した。
「今質問しているのは俺だと思うが?ま~いい。答えてやる。それはお前たちを捕まえる為に来たのだ!」
「何故!」
もう一人の青年が声を出した。
「何故ってあなた達が一番良く分かっているんじゃないですか?あなた達がここに来る目的を知っているから来たのですよ。ね。兄上?」
マーシャルはにっこり笑ってライナスを見た。
「オリヴィアを快く思っていないことは知っているが、何故ここまでする必要があるのだ?俺の可愛い妹だぞ」
「兄上に傾倒しているのはよく知っていますが、態々ここまで来てオリヴィアの邪魔をしなくてもいいでしょうに」
「…………」
二人は押し黙ってしまった。しばし沈黙が四人の間に流れ、青年が意を決して声を発した。
「我々はライナス様を尊敬しています。人を惹きつける人柄も、国政に対する情熱も、私たちはいつも憧れています。私達にとって次期王となられる方はライナス様しか居ない!そう思っております」
「…………」
ライナスは黙って聞いていた。
「しかし、妹君であられるオリヴィア様は、生まれた時から国政を担う人間として注目を集めていました。それでも去年までは特性が決まっていませんでしたので、こちらも特に気にしませんでしたが、先日の十六歳の誕生日に特性で『国政』と判断され、周りの人間で次期王はオリヴィア様が相応しいという声が高くなってきました。オリヴィア様が憎いわけではありませんが、国を導く器ではないと思います。私たちの王はライナス様貴方です」
「オリヴィアが王の器ではないから邪魔だというのか?」
ライナスの声が一層低くなり、青年達は、ぐっと半歩後ろに下がった。
ライナスがまだ何かを言おうとした時、地響きと爆音が聞こえた。
「な、何が起こったんだ?」
ライナスが目を大きく開いて、一人呟くと、
「恐らく別の誰かが、オリヴィア達を攻撃してきたのかもしれないね。それに狼煙のような煙も上がってますね」
マーシャルは至って冷静にライナスの呟きに返事をし、今の爆音で霧が一掃された島の上空に狼煙の煙が上がっているのを指差した。
「お前たちの他に仲間は!」
ライナスが語気を荒げた。
「いません。私たちの他には誰も」
二人が顔を横に振りながら知らないと答えた。
「取り敢えず、音のする方へ行った方がいいね、兄上。彼らへの怒りは、後でゆっくりするとして」
マーシャルの言葉にライナスは「そうだな」と頷いた。
「あとで、ゆっくり話を聞く。お前たちはここで大人しく待っているように」
「はい」
二人が小さく返事をしたことを聞いて、ライナスとマーシャルは音のする方へと走った。




