2 - ガルバラに到着
昼夜走らせた船は、翌朝ガルバラ島付近まで来ていた。船着場で乗船した時には全く確認できなかった島の存在も、今は船から全貌が見える。ガルバラ島は鬱蒼とした深い緑の木々で島全体が覆われ、海の上で独特な存在感を放っていた。
「かなり大きい島だな」
朝食を食べ終え、甲板で島を眺めていたセドリックが思いを口にした。
「ライナス様が、『妖獣を探し出すまでが大変だった』って話していた意味が分かったよ。これは心して掛からないといけないね」
「本当だな。俺たちの場合、自分たちの妖獣を見つけるまでに何日掛かるんだろう」
「効率良く見つけられるといいわよね」
「今、色々考えても仕方が無いし、折角なんだから楽しんでやろうよ」
エミリオ、ライナス、フィオナ、ルーファスも実際ガルバラ島が近づいてきて興奮気味だ。
「やっとここまで来たわね。さっきサムエル船長から言われたけど、昼前にはガルバラ島に着くみたいよ」
遅れて甲板に出てきたオリヴィアが皆にそう告げた。
「そうか。じゃ~もう少したら準備をしないといけないな」
セドリックは、皆にそう告げた。
船長が言ったとおり、昼前にはガルバラ島へ到着した。緑に囲まれた手付かずの島という印象が一変、人の出入りを感じさせる痕跡が残っていた。無人島ではあるが、普段からガローシャの人達が妖獣を捕まえに来るため、島の南東側には整備された船着場が用意されていたり、島で緊急事態が発生した時のために、数日間は過ごせるような備蓄が保管されている建物があったのも、印象を一変させた原因であった。
「これがガルバラ島か~。目の前、森しか見えないな」
「ここからじゃ、妖獣がいるか分からないね」
「それより、この島。思ったより日差しがきついわね」
「夏なんだから仕方が無いよ。でも、熱中症にならないように気をつけないとね」
ランドルフ、ルーファス、フィオナ、エミリオは、船から降りた途端、ガルバラ島について、思い思い感想を口にし始めたが、オリヴィアとセドリックは、一緒に船から降りてくれた船長に話しかけた。
「サムエル船長。今回はありがとうございました」
「いや、どういたしまして。天候に恵まれて本当に良かった。酷い時は波が強くて船酔いになる方もいらっしゃるのですよ」
「では、俺たちは幸運に恵まれたってことですね」
「恐らく日ごろの行いがよいのでしょう」
「この調子で、上手く妖獣を見つけられるといいのですが」
「この島は確かに広いですが、必ずこの中には妖獣が居ますから、焦らず探されるのが良いかと思いまよ。焦ってもいいことはありませんからね」
「そうですよね。気をつけます」
「サムエル船長は、この後直ぐカラビナに戻られるのですか?」
「本来なら、こちらで船の点検を行い、昼ごろにはカラビナに向けた出航するのですが、今回はエドモンド様に依頼されておりました、オリヴィア様たちが妖獣を捕まえられるまで、こちらでお待ちすることになっているんです」
「えっ。そうなんですか?」
「自分から妖獣を獲るように勧めていらっしゃいましたが、やはり可愛い娘が慣れない土地に行くのが心配なのでしょう。私たちは、オリヴィア様たちが妖獣を捕まえてお戻りになるまでこちらにおりますので、どうぞ安心して妖獣を探しに行って下さい。妖獣を無事捕まえられたら、私たちのところまで報告に来ていただけると助かります」
「それは心強いです。ありがとうございます」
「皆で無事妖獣を捕まえて、こちらに戻って来たいと思います」
二人は、船長に頭を下げ、他のメンバのところへ向かった。




