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すべては会議で明かされる  作者: 一ノ瀬紅
間章
17/42

追憶 3

 周りの人達に見られている時に思うこと。

 期待された目で見られると、自分はその人の期待に沿えているのか不安になる。

 試してみようと思う目で見られると、自分が結果を出せるのか不安になる。

 嫉妬の目で見られると、どう対処すればよいのか不安になる。

 好意の目で見られると、自分がそれに値する人間なのか不安になる。


 色んな目で見られ、自分じゃない自分を自分で表現している内に、本当の自分が分からなくなる。


「本当の私とは何なのだろう……」



《とある部屋での会話》

「今、確認してきたが、ガルバラ島に行くという話しは本当みたいたぞ」

「確認ありがとう。と、言うことは、次年度が始まる前に妖獣を捕まえようということか」

「だと思う。出発は二日後らしい。さっき確認しに行った時に、出発の話を他の人がしていたのを耳にした」

「他に誰か一緒に行くとか分かるか」

「名前までは分からないが、友人たちと行くようだな」

「ノバルティの人間なら、この歳に妖獣を捕まえに行くというのは偶に聞く話だし、今回もそうなんだろう」

「これはいい機会ですね。王都から離れてくれて、人々の目がないというのは、まさに絶好の好奇。このタイミングを逃す手はないですね」

「ここで何か仕掛けるか?」

「妖獣を捕まえに行くんだから、それを邪魔するというのはどうだろう。妖獣が捕まえられなかったとなっては、世間の評価も地に落ちるのでは?」

「何甘い事言っているのですが、そんな程度では、大した痛手にはなりませんよ。ガルバラ島から戻ってこられないようにするくらいでなくては」

「それはどういうことだ?」

「野暮なことは聞かないで下さいよ。考えれば分かるでしょ~?」

「でも、そんな事して『あの方』にバレたら、俺たちはどうなる?」

「簡単にはバレませんよ。妖獣が暴れ出したせいだとしてしまえばいいんです。運が悪かったと。それに、『あの方』も最後は分かってくださりますよ。そもそも『あの方』の作る未来を守るために、私たちは行動を起こすのですから。これは、『未来』を守ることなんです」

「そうだよな。俺たちで未来を守るんだ」

「『あの方』の未来を」

「恐らく彼らは鉄道や船を使って移動するのでしょうから、ガルバラ島へ着くのは、王都を出発してから五日後くらいでしょう。こちらは妖獣を使って移動すれば数時間ですから、少し工夫をすれば周りに気づかれずい移動することは可能かと思います。その辺りは調整は私の方で上手く調整しておきますから、ガルバラ島の方はお願いできますか?」

「分かった。じゃ~俺たちでガルバラ島へ行ってくるよ」

「俺たちで、未来を守ろう」



《とある部屋での会話》

「やっと動き出したみたいだな」

「王都から離れるなんて、彼らからしてみれば絶好の好機だし、馬鹿じゃなければこの機会は逃さないでしょ。彼らの耳に入るように話を流したんだから、食い付いてくれなくちゃ困るよ」

「それはそうだな。こっちもあまり表立って動いて騒ぎを大きくしたくないからな。この機会に上手く現場を押さえて、事態を収拾させないとな」

「今回がタイミングとして最適だってことは分かるけど、あの子に危険は及ばないんでしょうね。あなた達が一緒に付いて回る訳ではないんでしょ?」

「僕たちが一緒に付いて回ったら、彼らが動き出さないと思うよ。それじゃ、折角彼らを誘導したのに意味がない。今回の目的を達成させることを考えるならば、僕たちは別行動しかないでしょ」

「それに俺たちが来ているって事は、なるべくあの子には知られたくな。来た理由を知ったら、またあの子が悲しむ事になるから」

「あの子が知らずに事を収めることができるなら、それに越したことはないけど、もしあなた達の想定通りに事が進まなかったら、あの子に危険が及ぶんじゃないの?」

「そうならないようには十分気を付けるが、保険は掛けておいた方がいいよな」

「もしもに備えて対策を考えるのは、僕も賛成。あの子と一緒に行くメンバの中に今回の協力者を得たらいいと思っているんだ。さっき声を掛けてきたら、もう少ししたらこちらへ来ると思うよ」


 暫くすると一人の少年が部屋へノックして入ってきた。

「用があると伺いましたが、何の御用でしょうか?」

「準備で忙しいのに、突然呼び出したりして申し訳ないね。ちょっとお願い事があって来て貰ったんだ」

「はい」

「数日後、君たちはここを発つを思うが、実はあの子を狙っている輩がいて、今回王都を離れるこの機会を狙っていると情報が入ってきたんだ。裏で俺達も行って現場を押さえるつもりではいるのだが、ちょっとあの子に知られたくなくてね、表立っての行動ができない。君たちに危険は及ばないように、こちらも十分に気をつけるつもりではいるが、万が一に備えて、あの子を守って貰えないだろうか」

「誰が狙っているのか分かっているんですか?」

「分かっている。こちらもずっと見張っていたからな」

「そうなんですね。……分かりました。それで、具体的には何をすれば?」

「直接あの子に手を出すとは思えないから、妖獣を捕まえる途中で罠を仕掛けたり、妖獣を暴れさせたりするなどして襲わせるんじゃないかと考えている。ま、それをさせない為に俺たちが向かうんだが、もしもに備えて、島で移動するときは十分警戒していて貰いたい」

「分かりました」

「流石に丸腰の状態で、君にお願いするのは申し訳ないから、いくつか備えを用意しておいたよ。使わずに済むに越したことはないけど、もしもの時はこれを使って」

 男性が、少年に道具の使い方を教えた。

「これは妖獣にも人間にも一時的に使うのであれば有効だから、まずいことになったら使って。そうすれば、その場から逃げることは出来ると思うから」

「はい。もしもの時はこれを使って逃げるようにします」

 少年はしっかり頷いた。

「突然こんなことをお願いして、申し訳ない。あと、勝手に頼んでおいて申し訳ないのだが、今回の話は内密に頼む」

「分かりました」

 少年の彼らにお辞儀をし、部屋を後にした。


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