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wish for21:予期せぬ先客。

「人数多くねー…」

「誰のせいだよ…」

「僕と秀統(シュウト)どけても、5人は居るね」

「…龍偉(ルイ)、日本語可笑しい」

「いつもの事じゃん。気にすんなよ。汰河(タイガ)も可笑しいから」

憂灯(ユウト)君、それどういう意味?」

「取り敢えず、自己紹介してくんねぇ?俺、2コ下まで顔と名前覚えてねぇわ」


秀統の言葉で、南音以外の4人は名前を言い始めた。


北清(キタセ) 汰河(タイガ)です」

緒河(オガワ) (ツカサ)でっす」

金十(カネトウ) (キョウ)

内谷(ウチヤ) (ジン)っす…」

「後、樋野(ヒノ)だね」

「あー…でも、何かどれもこれも見た顔だなー…」

「さっき覚えてないって言ってたじゃん」

「思い出したんだって」

「そーいや、臣以外は外で居たら絶対声掛けられるよな」

「や、臣もだよ。ね、香?」

「そだね。まだ、慣れてないみたいだけど」


香はそう言って臣を見ると、臣は恥ずかしそうに俯いた。

あー…こんなのが、女子の視線を惹きつけんだろなー…。

臣も天然だから、(コエ)ぇな…。


「んじゃ、まぁ行くか?」

「だな。此処で居ても、患者さんの注目浴びるだけだし」

「ついでに、看護士さんも」

「多分、半分は龍偉見てんぞ」

「は。何で」

「だって…なぁ?」

「あー…判るっ。橘川(キッカワ)先輩、癒し系だもんっ」

「嘘」

「いやいや、ホントですよっ」

「何処が」

「何処がって…雰囲気とか…ね?」


士が、南音に話をふった。

南音は苦笑いをして士に応える。


「可愛らしいって事じゃないですか?士君が言いたいのは」

「だったら、北清もだろ?」

「俺もですか?」

「や、汰河はダメ」

「何で憂灯君が駄目出ししてんの」

「だって、汰河は腹黒のオーラが出てんもん」

「どっからどう見ても性格悪そうな憂灯君だけには、言われたくないね」


にっこりと作り笑顔で笑う汰河。

怖………っ!!!

恐怖だ…。

ブラック降臨…。


「はいは〜いっ。俺、同感っ」

「俺も」

「俺もー」

「南音と香もかよっ。臣は、俺の味方だよなー?」

「えっ?や…その…」

「どうでも良いから。行かないの」


龍偉のその一言で、俺らは由李の待つ病室へと向かった。


3階。

由李の部屋へ向かう俺の脚が止まった。

すぐ後ろを歩いていた士が俺にぶつかる。


「わっ…憂灯君っ。急に止まんないでよっ」


士の声を、俺は無視した。

てゆーか、聴こえてなかった。


「誰か居る…」

「はっ?」

「え?」

「何?」


皆、バラバラに俺の言葉に反応する。

けど、俺は全員の言葉を無視した。


俺らの脚は、由李の部屋の――閉ざされたドアの前で止まっていた。



感想などいただけたら嬉しいです。

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