僕らの先行き
同好会から部への昇格が、内定した。
理由は、応募したドキュメンタリー作品の最優秀賞受賞だ。
「早すぎねえ?」
正直な思いに、木田や吉村も神妙な顔をする。
「立木先生が動いたよね、これ」
「まあ、お互い弱み握ってるから、下手なこと考えたらみんな死ぬしかないけどね」
物騒なことを口にする。
放課後の資料室は、せまい分温もりが逃げにくい。
「で、アザミさんの件、情報屋として対策打つの」
僕は口を閉ざした。
木田の問いには即答できない。
僕らの部昇格が早まったのは、立木先生の謎の一面を見たからかもしれない。そのほかにも、職員室からの依頼で情報戦を行っているからだ。
いじめらしきものがあった場合、報道同好会は報告をあげ、場合によっては沈静化させる。こっちは完全に慈善事業だけれど、おかげで職員室への信頼は積んだ。
けれど今回の連続殺人は、どうこうできる範囲を越えている。
情報を集めるだけで精一杯。
それくらい、アザミミクは連続殺人の容疑者扱いされていた。
「……なにも、しない」
「……だよね」
なにができるのか。なにができないのか。
「見極めて見極めて見極めて。情報だけは、集める」
それが、アザミさんや、小原さんとの約束だ。
「俺は約束を守りたい」
部屋の資料が、成り行きを見守っていた。
ーー「アのつくヒトが犯人」
「なんで学校きてるんだろ」
混じりけのない率直な感想は突き刺さる。本人や近しい人間ならもっと深くくるだろう。
こんなもの、小原さんがみたら烈火のごとく怒るだろうし、アザミさんは、なにかを感じたとしても悟らせない。
そして青柳は。
心から、悲しむだろう。
自分のことのように、傷つくだろう。
憧れの先輩と、大好きな先輩、どちらもが苦しむのだから。




