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Test for live.

 英語の試験が終わった。

 これで今日の試験日程はおしまいだ。

 全部終わるまであと少し。

「青柳、みんなでテスト勉強しない?」

 軽く、あくまで軽く。

 そう、がっついてるように見えないように、自然に声をかけた。

 報道同好会メンバーには招集をかけている。

 だから青柳も来やすいはずだ。

「ごめんね、約束があるから」

 秒殺。

 先約があるなら仕方ない。青柳は約束を早い者から優先するタイプだ。

「……木田と?」

「ううん、部活の子と」

 答えた彼女は、どこか嬉しそうだ。

 だって、一学期はお世辞にも仲がいいとは言えなかったから。

 木田やクラスの地味な女友達がいたからもっている風でもあった。

「よかったじゃん」

 心から、そう思う。

 もちろん残念だとも感じるけれど、偽りのない笑い顔は、幸せな証だから。

 僕は、青柳のように、チャンスを掴もうとした。

 掴めなかったけれど、きっと行動したことは無駄じゃない。


 ーーー

「はい、テストお疲れ様でした!」

 担任教師の締めの挨拶と共に、教室内は歓声に包まれる。

 昨日は事件現場の見物に行ったりしたけれど、案外なんとかなった。

 今日から部活再開だ。

 僕が青柳と顔をあわせるチャンスは、また減ってしまう。

 隣を見ると、どうにも浮かない顔をしている。

 テストの出来がよくなかったのか。いや、青柳は成績がいい。

 勉強だってこつこつやる。

 何でもない風を装って、さも世間話というように、偽りの市ヶ谷をはりつけた。

「青柳、テストどうだった?」

「まあまあ、かな」

 目を合わせようとしない。

 けれど、ここで諦めたら終わりだ。

「珍しいな、青柳が自信なさげなの」

 曖昧に微笑みながらも、なにも言わない。

 やっぱり昨日、何かあったのだと思う。例えば、部活仲間との勉強会とかで。

 足早に教室を出て、僕はそれを追いかけた。

「青柳」

 大荷物を背負い直し、彼女は止まった。

「何かあったら」

 僕に。

「小原さんに相談しろよ」

 なにができるというのだろう。

「……うん!」

 名前を出すだけで、いっぺんに嫌なことを吹き飛ばす人に、どう追い付いたらいいんだろう。





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