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俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみました  作者: 弘松 涼
第一章 伝説は始まる……破壊神と創造神の物語
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8 ビッチの正しい使い方

 あればあるだけ食っていたビッチだったが、食料の供給が途絶えた途端、食べ方をコントロールしてきた。

 アホの子と思っていたが、どうやら考える力を持っているようだ。

 侮れん。

 


 このままビッチと持久戦をしたら、圧倒的に俺の方が不利だ。

 だって、ビッチはまだ食料スライムを三匹も温存してやがるのだから。



 ジワジワと食われているスライムにとっては、たまったもんじゃないだろう。

 この際、スライムに条件を持ちかけてみるか。

 ビッチの動きを止めてくれたら、ここから出してやると……。


 いや、駄目だ。

 スライム如きがビッチに勝てる訳がない。

 ビッチは最強だ。



 それに引き替え、俺なんてレベルとHPが上がるだけで、魔法が覚えられないからMPすら増えない。



 最弱だ……。




 こうなったら最期の手段に出るしかないのか。




 ビッチ入りのアイテムボックスは、異次元空間へ吹っ飛ばす系のかなりチートな魔法と同等だ。

 捉え方次第では、最強かもしれん。

 


 その気になれば何だって出来るさ。

 形振り構っていたら死んでしまう。

 まだ体が動くうちに、やるか。


 それは、つまり強盗だ。

 

 社長をぶっ倒して会社を乗っ取ることもできるし、レストランだって占拠できる。

 国王をビッチ入りのアイテムボックスにぶち込めば、国だって支配できる。



 つまり俺は最強だ。


 


 だが念のため、行動する前に聞いておこう。

 ビッチはこれでいて、わりとよく教えてくれるから。

 


「おい、ビッチ。もしこの世界で犯罪とかしたら、何かペナルティーがあるのか?」


『あるよ~』


「どんなペナルティーだ?」


『死んだらね、地獄に落ちちゃうんだよ~』


「なんだと!? それは本当か!?」


『うん。私のお兄ちゃんが閻魔大王でさ。たまに地元の冥府に帰るんだけど、犯罪者君達の校正施設からはいつもぎゃーぎゃー悲鳴が上がっているよん』



 マジかよ。

 さすがに、死後の世界までビッチをアイテムボックスにぶち込んだまま連れて行けないだろし、この惨状を兄貴えんまが知ったら、俺の処遇が厳しくなる。

 このまま地獄に落ちたら、圧倒的に苦労するのは明白だ。

 


 今を生きるか。

 それとも死後の安泰を考えるべきか。



 待てよ。

 そういやビッチは破壊神だ。

 そいつを俺は封じ込めた。

 もしかして善行を積んだのかもしれない。



 もしそうなら、少々の罪は相殺できるかもしれない。



「おい、ビッチ。善悪のパラメーターとか閲覧することができるのか?」


『うん。まぶたを閉じたら現れるステータスウィンドーに、カオスゲージってのがあるよ。青なら善、赤なら悪に振れている』



 なるほど。

 そいつは便利だ。

 まぶたを閉じてみた。


 HPやステータス、アイテムボックスがあり、その下部に『履歴』という欄があった。



【今までの行動履歴】


 破壊神を封じ込める ………… 善行pt +100,000,000




 おお!

 すげー!

 俺、天国行きじゃん。




 だがその下に、もう一行あった。なにやら書いてある。



 破壊神を飼う ………… 悪行pt 100,000,000



 なんだよ、これ!

 つまりプラスマイナスゼロってことか。



 この状態でもし犯罪でもしたら、地獄拷問ツアー一直線だ。


 だって強盗すれば、警察が動いちまう。

 指名手配犯になって、賞金額がだんだん膨れ上がる。

 そうなったら死ぬまで追手と戦い続けなければならない。

 俺の犯罪履歴は永久に増え続けることになる。



『なんか困っているようだね? 出してくれたら、私のおっぱいを枕代わりにしてもいいよ』



 ビッチめ。

 その手には乗るか。




【アイテムボックス】

破壊神 × 1

スライム × 1




 スライムを二匹食ったか。

 残りあと一匹のようだな。

 きっとビッチも兵糧が切れかけて焦っているに違いない。


 何か良い手立てを考えなければ……

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