67 作家を目指せ
『あーん、あーん』
またビッチがビービー泣いている。
うるせぇな。
そもそもこのお話、終わったんじゃなかったのか?
『あーん、あーん(勝手に終わるな! このお話がご本になるまで終わらせないからな)』
だから無理だって。
『あーん、あーん(大丈夫だよ。誰でも小説家になれるよ!)
は?
な、訳ねーだろ!!
『あーん、あーん(現代社会に行ってラノベ専門学校に入学するといいよ)』
面倒だし、学費とかまぁまぁするんだろ?
『あーん、あーん(お金だったらいくらでもあるから。お兄ちゃんが協力してくれるって)』
お兄ちゃん?
あ、閻魔か。
たしか前回の話でアイテムボックスにぶんこんでいたんだっけ。
『おい、ボッチとやら。安心めされ。わしも助力するぞ。学費ならわしが出してやる』
ただし、ここから出せと言うんじゃないんだろな。
出したら最後。
俺が抹殺される。
『大丈夫だ。血の盟約をかわそうではないか』
確か嘘ついたら血が噴射して死んじゃうアレね。
『わしはボッチを殺さない。約束をする。そして全面協力をするぞ。学費から生活費まで面倒をみてやる。だから出してくれ! もうこんなところはまっぴらごめんだ。ビッチがよだれを垂らして襲ってくるのだ』
そ、そうスか。
てか、ビッチもこの手で出てくればいいのに。
レベルも結構上がったし、HPもそこそこあるし、だからもうビッチなんていらんし。
『あーん、あーん(このお話がご本になるまで出ないからな!)』
げ、マジかよ。
前回の話で、既に読者様を怒らせているのに大丈夫かよ。
『あーん、あーん(大丈夫だ。書籍化すればすべてが解決してくれる。さぁボッチ君。ライトノベルの専門学校へ行くのだ! パンフレットにはプロの指導で誰でも書籍化できるって書いてあるよ)』
超怪しいな。
そこ。
ちなみに学校名は?
『あーん、あーん(ブサメンガチ学園)』
むちゃくちゃ怪しい……
こうして俺は閻魔の力で現代社会に帰還させられ、ラノベ学校へ通うことになった。




