53 あーん、あーん、あーん、あーん(書籍化計画1)
『あーん、あーん』
俺のアイテムボックスの中で、ビッチと邪神が交互でビービー泣いている。
『あーん、あーん(ねーねー、ボッチ君。ご本マダー?)』
『あーん、あーん(ククク、どうせ書籍など無理よ。この話など(読者に)売れぬ、(読者に)媚びぬ、(読者に)省みぬ! ククク、アハハハハ)』
はぁ~。
なんかどっかで聞いたことある台詞だし。
実は俺は、この話、わりと売れると踏んでいる。
売れると分かれば、それなりに出版社と交渉できると思う。
だってこの話、内容はクソだが、タイトルは結構秀逸なのかもしれない。
――ビッチな女の子をぶち込んでみました、なんだぜ?
これって絶対勘違いして、間違って買っちゃう系のタイトルだよな。
まさか、ビッチが始終、あーん、あーん、と泣くだけの話とは誰も思うまい。
あとは表紙だけだ。
超可愛くてセクシーで際どい恰好の女の子を閉じ込めた萌絵さえ用意できればいい。
さすれば、ちょっとだけ売れる。
ほんのちょっとだけ。
おそらくその後、アマ○ンで酷評されるが、とりあえず初版が売れちまえばどうだっていい。
それで世界は救える。
とにかく世界を邪神の魔の手から守るために、エロいイラストが描ける絵師を探す必要がある。
俺はスキル習得不可だ。
どっかにいないかな? エロ絵師。
『あーん、あーん(PIX○V))
P○XIV言うな!
ここ、異世界だぞ、一応。




